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無趣味なOLだから自炊で暇を潰す

独身OLの一人暮らし生活は三ヶ月目に突入した。

私は友達も少ないし趣味もない。
人が嫌いで人混みかき分けて買い物に出向くほどやる気がない。
まず着替えてメイクして、、という工程を考えるだけで嫌になってしまう。

アイスが食べたくても、徒歩4分ほどのコンビニ行くことすらNOという結論を下し続ける。

予約や約束がない限りは外には出ない。

なんてやる気のない女なんだろう。書いていて呆れるほどである。

そんな無趣味で人間が嫌いな私だが、食べることは大好きだ。

1日3回の食べる機会というのは、なんの予定もない私にとってはいい暇つぶし。

平日、クリエイティブさのかけらもない事務職が終わったら、何かを作りたくなったりする。
疲れていても目的が「食べること」で外に出ずに完結できることなら、材料さえあれば案外作り始めたりする。作っていくうちにあれもこれも、、となんやかんややって、気づけば21時前になっていたりする。
それでも赤黄色緑と彩りのバランスのいい食卓を見ると嬉しくなって、自己肯定感が高まる。

なんの予定もない土曜日など、平気で1日中家にいてしまう。
お腹が空いてくるけど節約のため家には甘いものがない。

そこで暇つぶしと節約を兼ねてマフィンやスコーンを焼いてみる。

そうすると、思ったより難しいなとか、はー疲れたとか思っているうちにオーブンの中からバターと砂糖が焼けるいい香りがしてくる。
できたばかりのお菓子はしっとり、バターの香りがたっぷりと含まれていて思わず「美味しい〜」と声が出る。

もちろん買ってきたものを食べる方が手軽で間違いなく美味しいけど、初めてにしてはよくできたなあとか思いながら食べるのは、美味し胃だけじゃなくて嬉しい気持ちになって、なんだかいかんじなのだ。

それに趣味という観点から見た料理やお菓子作りって、ハンドメイド等とは違って形に残らないのも嬉しいと思う。

手作りのアクセサリーや手芸は下手な作品が永遠に残り続ける。

頑張って趣味を見つけようと手芸に取り組んでみた結果、残念な完成品ができて、それが目に入るたびに納得いかない気持ちになったことが何回もあった。

一方、お菓子や料理は最終的に胃袋の中に消える。

うまくできたら嬉しいし美味しい。
失敗したらちょっとお腹痛くなったりするかもしれないけど、また今度は気をつけてやってみようと学びがある。
美味しくないと結構悲しいけど、一晩寝れば忘れてしまう。
また次の日お腹が空いて何か別のものを食べたら簡単に塗り変わる。

形に残らない方が私には好都合だ。

いやはや、自炊を暇つぶしにできるなんてすごく贅沢なのかもしれない。

これは今だけなのかもしれない。

私は、平日の晩にご飯が作れるくらいで昼間を生きたいとよく考えているのだけど。

今は全て気まぐれで、作ってもいいし作らなくてもいい。
献立だって、自分が食べたいものを作ったらいい。
完成が何時になってもいい。

すごく自由。

でも結婚とかしたら、それらが一気に「しなきゃいけないこと」になってしまってだんだん楽しくなくなりそうだ。

旦那はあれが嫌いって言ってたなあ。、
どうしよう何にしよう。早く作らないと。。。
みたいな。

あーやだね。考えるだけで。

「しなきゃいけない」っていう要素って本当に最悪なんだなあ。

そう考えると独身ってまあ寂しいものかもしれないけど、好き勝手に自炊を楽しめるのだからいい身分だなあと思い直した。

何年も何年もやりたいこともなくて趣味もなくて、趣味が欲しくて仕方なかった私だったけれど。

こういう、「強制されなくてもやりたいこと」というのが趣味で、それが「やらなきゃいけないこと」になっていない状況がいわゆる幸せというものなのかもしれない。

自立した途端に色々わかるから、やっぱり一人暮らしをしてみてよかったなとまた改めて思った。

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