ふゆか

鎌倉でちいさな はりきゅうのサロンを営んでいます。 このお仕事は4年前に母を見送ってか…

ふゆか

鎌倉でちいさな はりきゅうのサロンを営んでいます。 このお仕事は4年前に母を見送ってから、はじめました。 お年寄りの手当をしながら、時々 人に教えたりしながら 心に映ったことを書き連ねています。イメージ画像は画家であり、ジュエリーデザイナー、歌手でもあるYokoさんの絵です

記事一覧

心に沁みる医師の随筆

あなたの本棚の中に お医者さんが書いた小説や詩集はありますか。 医学に関する教科書でも 論文集でもなく 日々の思いを綴ったエッセイや 病む人の苦しみや生の歓びを描い…

ふゆか
2年前
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映画「Tove」ームーミンを描いたトーベヤンソンの愛

ISO会議でフィンランドのクオピオという 湖水が美しい街に出張した時のこと。 自分が提案した情報規格のプレゼンを終えて、 ヴァンター空港で 「なにかムーミングッズを買…

ふゆか
2年前
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梅雨のあとさき

かあちゃん。今日、スーパーに行ったら大きな、30センチ近くある鰹の切り身がとっても安く売っていたんだよ。 「今年の鰹は脂がのっていて美味しいよ。大漁だったからこの…

ふゆか
3年前
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母親の下着

母を見送ってからずっと後に、あるベテランの介護職の方から伺った話です 「息子さんがひとりで母親の介護をしているご家庭に伺うと、ほぼ決まってお母様の下着がボロボロ…

ふゆか
3年前
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建長寺さんで聴いた「いつもなんどでも」ーナターシャ・グジー

まだ母と鎌倉に越す少し前のこと 建長寺さんでナターシャ・グジーさんのミニライブに行きました ナターシャさんはウクライナ人のバンドゥーラ奏者、そして歌い手 とても…

ふゆか
3年前
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緑の鎌倉からー母への想い

今日の鎌倉は 風が強いけれど晴れ。 風にゆれる緑がとてもまぶしく感じられます 母を見送って4年が経ちますが、こんなに緑が身近に あるなんて当時はわかりませんでし…

ふゆか
3年前
心に沁みる医師の随筆

心に沁みる医師の随筆

あなたの本棚の中に
お医者さんが書いた小説や詩集はありますか。
医学に関する教科書でも 論文集でもなく
日々の思いを綴ったエッセイや
病む人の苦しみや生の歓びを描いた
「文学」と呼びたい本を

片目を失明し、
失明の恐怖におびえていた母が
生前繰り返し読んでいた本は
伊豆の修善寺で「桃太郎先生」の愛称で
親しまれてきた藤野是常先生の
『医者という小さな窓から』という本でした。

本を読むのもやっと

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映画「Tove」ームーミンを描いたトーベヤンソンの愛

ISO会議でフィンランドのクオピオという
湖水が美しい街に出張した時のこと。
自分が提案した情報規格のプレゼンを終えて、
ヴァンター空港で
「なにかムーミングッズを買って帰ろう」と
お土産売り場を物色しました。
物価が高い北欧のこと、調子に乗って
買いものすると目の飛び出るような請求書が
来るので、小物を中心に。

物色するなかで
スナフキンとムーミンが対話している
マグネットパネルに目がとまりま

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梅雨のあとさき

かあちゃん。今日、スーパーに行ったら大きな、30センチ近くある鰹の切り身がとっても安く売っていたんだよ。

「今年の鰹は脂がのっていて美味しいよ。大漁だったからこの値段!    今夜はこれで美味しいご飯を食べて」と店員さんが声をあげていた。

大漁と聞いて久しぶりに金子みすゞさんの詩を思い出した。

「浜は祭りのようだけど 海の中では何万の鰮のとむらいをするだろう」

買ってきた鰹を切れない包丁で

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母親の下着

母を見送ってからずっと後に、あるベテランの介護職の方から伺った話です

「息子さんがひとりで母親の介護をしているご家庭に伺うと、ほぼ決まってお母様の下着がボロボロなんです」

「新しい下着を補充して下さいね、と伝えても”俺、母親の下着なんて買ったことがないから無理”と言われることがほとんどです」

自宅で母の介護をしていた最初の頃、一番大変だったのは洗濯。

家族が同居している場合、洗濯や買い物な

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建長寺さんで聴いた「いつもなんどでも」ーナターシャ・グジー

まだ母と鎌倉に越す少し前のこと

建長寺さんでナターシャ・グジーさんのミニライブに行きました

ナターシャさんはウクライナ人のバンドゥーラ奏者、そして歌い手

とても寒い冬の日でした

彼女が歌う「いつも何度でも」が聴きたくて

「千と千尋の神隠し」で木村弓さんが歌うこの名曲が

実は人をとむらう歌だと知ったのはそのコンサートの時でした

「さよならの時の静かな胸 ゼロになるからだが 耳をすませる

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緑の鎌倉からー母への想い

今日の鎌倉は 風が強いけれど晴れ。

風にゆれる緑がとてもまぶしく感じられます

母を見送って4年が経ちますが、こんなに緑が身近に

あるなんて当時はわかりませんでした。

無我夢中だったものね、朝から晩まで

光の爆弾で家族をみんな失ったお母さん

誰にも言えずにお墓に持って行ったことも

いっぱいあったでしょうね

理解してあげられなくてごめんね

あれから4年が経って天国ではおじいちゃんやお

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