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【虹の彼方に】

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2020年9月25日 最愛の妻が空へ旅立ちました。 出逢って4年弱、入籍して1年と3ヶ月、結婚式を挙げて10ヶ月目のことでした。 一緒に過ごせた時間はとても短いものだったけ…
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#恋愛

#7. 葛藤 【虹の彼方に】

#7. 葛藤 【虹の彼方に】

 出逢ってから一年目の春が過ぎて梅雨にさしかかった頃、ボクたちはいつものように旅行の計画を立てていた。

行く時期は夏のお盆過ぎなので、避暑地に行ってみようということになった。

彼女はワンキチも連れて、長野県の白馬に行きたいと言う。

いろいろと調べてみたものの、ペットと一緒に泊まれる宿はどこも早々に予約が埋まってしまっていた。

ボクは何となく避暑地の代名詞でもある軽井沢に行ってみようと提案し

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#6. 旅行 【虹の彼方に】

#6. 旅行 【虹の彼方に】

 ボクたちが交際を始めて数ヶ月たった頃、彼女が突然「旅行に行こう!」と言い出した。

それまでのボクの価値観では、旅行って仕事を休んで、計画を練らないといけないものだと思っていた。

本当に恥ずかしいことに、この年齢まで旅行なんて職場の慰安旅行くらいでしか行ったことがなかった。

時間的にも金銭的にもほとんど余裕がなかったからだ。

「私は何ヶ月かに一回、旅行に行かないとストレスがすごく溜まっちゃ

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#5. 驚愕 【虹の彼方に】

#5. 驚愕 【虹の彼方に】

 彼女は「食べる」のが何よりも誰よりも好きなひとだった。

冬に出逢ってからすぐに春がやってきて、初めて二人で花見に行った時のこと・・・

昔ボクが通っていた専門学校の近くにある大きな川沿いの公園に、桜の木がずっと並んでいる有名な花見のスポットがあって、そこはボクの好きな場所でもあった。

そんな桜並木が綺麗な公園を、手を繋ぎながら二人で散歩していたのだが、彼女は桜よりもたくさん出ている露店に夢中

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#4. 仕事 【虹の彼方に】

#4. 仕事 【虹の彼方に】

 ボクと彼女は、出逢ってしばらくしてから付き合いはじめた。

よく食べ、よく笑い、よく仕事をするひとだった。

彼女はハワイアン式『ロミロミマッサージ』のサロンを経営していた。

それ以外にも、彼女からもらった名刺には、株式会社の代表取締役であり、その他にもたくさんの肩書きがズラリと並んでいた。

コンサル業や人材育成関連、過去には飲食業界にも携わっていたようで、仕事に関してはいくつも顔を持ってい

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#2. 出逢い 【虹の彼方に】

#2. 出逢い 【虹の彼方に】

 彼女と初めて出逢った当時、ボクは43歳で建築関係の中間管理職をしていた。

当時の職務内容は、中間管理職と言いつつも、元請や職人との折衝に加え、慢性的な職人不足を補うため、そして現場の工期に間に合わせるために、自ら現場にも出て肉体労働をしながら事務作業もしつつ、受け持ちの現場のトラブルシュートに走り回ったりといった、とてもハードで何でも屋のような要領の悪い生活を続けていた。

若い頃にそれなりに

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