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読書日記

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徒然なる読書の日々をつらつらと書き連ねた自己満足な記録です。
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#読書日記

読書日記#33 やっときた読書の秋の1人Audibleと本屋の愉しみ

読書日記#33 やっときた読書の秋の1人Audibleと本屋の愉しみ

9月■日朝起きて、ベッドの上で唐突にホーソーンの「緋文字」の第一章から第二章までを音読して、スマホで録音する。

寝起きで口が回らず、また「古色蒼然」なんて久しぶりにというか初めて口にしたみたいな単語が散見されるので、言い直しが多くなってしまった。

時々、文章が頭に入ってこないな、でもけっこう好きになれそうな気がする、と思う本を音読して録音する。そして読み上げた部分をもう1度聞き直す。こうすると

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読書日記#32 初夏の暗闇を生きつなぐための本

読書日記#32 初夏の暗闇を生きつなぐための本

6月▼日Kindleが見つからない。
そのことがどうでもよくなるくらいに疲れている。

いくつかの用事が続くから、本を持っていこうと「あなたのための短歌集」と「東京タワー」をリュックに詰める。
けれどリュックにしまうとなかなか取り出せないから、きっと読まないだろうとわかっている。

「東京タワー」は江國香織さんの作品を順に追っていた小学生の頃、この作品で、ついていけないと思ってしまった、ある意味、

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読書日記#31 本は棺に入れてもコンテンツのバトンは受け継がれると信じてる

読書日記#31 本は棺に入れてもコンテンツのバトンは受け継がれると信じてる

4月★日棺に入れる本、何がいいのかな、と本棚を見つめながら考える。

そして本当に父はいないんだろうか、何かのドッキリではないのかとまた思ってしまう。

そう、父が他界した。

突然のできごと。

コロナから肺炎をこじらせて、2度目の通院のために外を歩いているところで、酸素が脳に十分に届いていなかったことから心臓が止まって倒れた、らしい。

心停止で10分経過すると、原因が何であれ、救命はほぼ難し

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読書日記#30 「気になる」に埋もれる「気にしい」と爆発する「好き」

読書日記#30 「気になる」に埋もれる「気にしい」と爆発する「好き」


2月〇日私のKindleの最下層にある本はなんだろう?
休眠中ともいえるその本を発掘して読んでみるのはどうだろう?
ふと思い調べてみると、夢野久作の「ドグラ・マグラ」だった。青空文庫。

そういえばKindleを使い始めた頃は青空文庫が小説みたいに読めることに感動していた。青空文庫にはとてもお世話になった。本への投資を惜しまない私にとっても無料で読める本はうれしい。

「蒲団」「学問のすゝめ」「

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読書日記#29 走り続けて師走のお風呂読書

読書日記#29 走り続けて師走のお風呂読書

11月★日長い長いプールのレーンを平泳ぎしているような。

そんな感じの毎日。

クロールじゃないだけましかな。

とにかく目の前にあるものを処理しては気が遠くなる。

息が苦しい。
けどなんとか進み続けられるくらい。

声が遠くに聞こえる。

こんなに楽しいことがたくさんあるのに、素敵な人に囲まれているのに、何が足りないんだろう。

足りないことが問題ではないのかな。

心のままに生きているつも

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読書日記 #28 ゾンビさながらの毎日を健やかに過ごすために読むのです

読書日記 #28 ゾンビさながらの毎日を健やかに過ごすために読むのです

10月◆日動けない。起きれない。ゾンビさながらのだるさ。

朝ダラダラと「若者言葉の研究」を読む。
品詞別に、「普通に」とか「エモい」といったような今となってはすっかり定着している言葉の成り立ちやなぜその言葉が生まれたのかの仮説などがまとめられる。
1年の最後に出てくる「流行語」とかじゃなくて本当に世の中に「新たに生まれていく言葉」の研究でとても興味深い。

言語学の知見は全くないのだけど、最近ネ

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読書日記 #27 まるで「君たちはどう読むのか」をめぐりめぐる夏の只中

読書日記 #27 まるで「君たちはどう読むのか」をめぐりめぐる夏の只中

7月△日傘は燃えないゴミ。
地区の案内に書いてあった。

暑くてあらゆる予定をキャンセルしてしまった日曜日。

せめて何か生産的なことをしようと、壊れた傘を捨てた。

何年も使い続けたお気に入りのリンゴ柄の傘。傘をこんなに大切に長く使ったのは初めて。

モノを捨てることは新しいモノを受け入れる余裕を作ることで、それなりにエネルギーを要する生産的な取り組みであると、この数年で認識を改めた。

溜まっ

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読書日記#26 夏バテに寄り添う「馴染み知らず」の妄想

読書日記#26 夏バテに寄り添う「馴染み知らず」の妄想

7月★日いよいよエアコンなしでは過ごせなくなってきてしまった朝。
暑さに反比例するように私のやる気は低下していくよう。

無。

昼から出かける予定はあるけれど、午前中は何もする気が起きなくて、でもなんとか、2週間前からずっとクリーニングに出さなければと玄関においてあった服たちをクリーニング屋に持っていく。かろうじて15分だけポッドキャストを編集する。シーツを洗濯する。

ちょっとだけ川上未映子さ

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読書日記#25 花束みたいな儚さと月に吠えるような抒情

読書日記#25 花束みたいな儚さと月に吠えるような抒情

6月◎日梅雨真っ只中だけれども、いいお天気。
このままだとすぐに夏になってしまう。
困るなー。もう少し春がよかった。

昨日のキックボクシングではトレーナーさんが「夏が来るとテンションあがる」「暑ければ暑いほどうれしい」などと話していた。あーそのタイプね、と思う。
最近その話を私にした人、3人目。周りに増えてる気がするのは、私が夏らしくなってきているからなのか。

楽しめるコンテンツを増やしたい私

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読書日記#24 首が痛い。土地に息づく物語が知りたい。

読書日記#24 首が痛い。土地に息づく物語が知りたい。

5月□日この1,2年、バイオハザードの面白さを知りたくていろんなゲーム実況を断続的にチラチラ見ていたのだけど、いまいちよくわからなくて。

画面暗くて絵的にテンション上がらないし、クリスは全然感情を表に出さない感じで物語性が感じられないし、ゾンビは無駄にグロテスクで気持ち悪いし。

そんな感じだったんだけれど遂に昨日、牛沢さんのバイオハザードの最初の作品のリマスターを全て見終えたところ、急に開眼し

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読書日記#23 旅に出るまでの気もそぞろな日々に読むもの

読書日記#23 旅に出るまでの気もそぞろな日々に読むもの

4月★日米津玄師さんの「Lady」、「KICK BACK」のほうが気分が上がって好きだなーって思ってたけど、今朝出勤中にきいたら、胸をかきむしられるような切なさみたいなものがこみあげてきて、これはこれですごいパワーを秘めてるなと感じる。

得られなかった幸せの幻影が詰まってるというか。

しんどいことを乗り越えて、弱さを理解したら楽しめるコンテンツが増えると思っていたのだけど、増えたのではなくて、

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読書日記#22 心を保つための必死のインプット

読書日記#22 心を保つための必死のインプット

3月▶︎日休みの日だから仕事はしたくないのに、仕事のことを考えて、頭がおかしくなりそう。
何か具体的にこれが心配というものがあるのではなくて、もうイベント数日前というその事実だけで情緒不安定になる。

街の喧噪も、雨の音も、いつもよりも遠くなる。
ピントが合わないレンズで見ているような感じ。

メッセージには返信できないし、健康的に暮らすこともできないし、家事もままならない。

夜は肉体的にもだけ

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読書日記#21 骨盤と肋骨と老いと人生の連なり

読書日記#21 骨盤と肋骨と老いと人生の連なり

1月★日「肩が後ろにいっちゃってます」
「肋骨がゆるんでるから締めて」
「右の骨盤が前に出てます」
「手は耳の横でまっすぐ伸ばす感じで」

毎度、頭から指先にかけての神経回路が大パニックを起こすピラティス。
最近、ようやくロールアップの時のお腹の引き込み方がわかってきた気がするけれど、普段身体を左足で支えてしまっているために、右のお尻の筋肉がよわよわなことが発覚。結果、知らず知らずのうちに間違った

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読書日記#20 「寂しい」と「眠い」を彷徨う年末は本屋で心を整える

読書日記#20 「寂しい」と「眠い」を彷徨う年末は本屋で心を整える

12月▲日彷徨うような数日間。

仕事をして久々に会う友達とごはんを食べて。
それからまた仕事をして、友達とオンラインで話して、仕事をして、ジムに行って、また飲みに行って。

駅の長い通路を歩いている最中、頭の中でMr.Childrenのシーラカンスが流れている。

Mr.Childrenの暗い叫びが詰まっている曲が好き。シーラカンスは、歌の本当の意味はともかくとして、深海の底で一見、無感動なふり

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