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読書日記#24 首が痛い。土地に息づく物語が知りたい。

5月□日

この1,2年、バイオハザードの面白さを知りたくていろんなゲーム実況を断続的にチラチラ見ていたのだけど、いまいちよくわからなくて。

画面暗くて絵的にテンション上がらないし、クリスは全然感情を表に出さない感じで物語性が感じられないし、ゾンビは無駄にグロテスクで気持ち悪いし。

そんな感じだったんだけれど遂に昨日、牛沢さんのバイオハザードの最初の作品のリマスターを全て見終えたところ、急に開眼した感覚に。

しっかりホラー要素を怖がりつつ、豊富な語彙力でツッコミを入れていくし、謎解きや考察は的確で、無駄な移動部分は綺麗にカットされているから退屈しない。やっぱり名作のシリーズ実況は牛沢さんが1番だと実感。

全ての発端であるバイオテロの真相を知ったことで登場人物や後の関連タイトルへの解像度がぐっと上がり、ゲームシステムやストーリーのつくりこみなどの斬新さや素晴らしさがわかり、なぜ名作と言われるのかわかった気がする。

面白さのわからなかったものが突然キラキラ輝き出していくこの感覚、くせになるなぁ。

バイオハザードの他シリーズもゆっくり追いかけたいし、あと面白さを知っておきたいホラーゲーム名作はサイレントヒル、ラストオブアス、SIREN。
日本のフリーホラーはけっこう見れてきたし、あとは「返校」「還願」などの台湾系、「DYING LIGHT」「Days Gone」などのゾンビ名作系、「Lobotomy Corporation」「SCP」などの恐怖生物と対峙する系の面白さを知れたらそこそこ詳しい人と言ってもいいんじゃないかな。

でも他にもFFやドラクエ、MGSなど日本の名作タイトル、海外の全世界で愛されるAAAタイトルなどホラーに限らず、インプットしたいゲームコンテンツが多すぎて、一生終わらない気がする。
本と同じでコンテンツを楽しむ旅はまだまだ続きます。

さて、ゴールデンウィークはKindleさんがさまざまなセールを開催しており、また10冊くらい買ってしまう。

特に気になっているのは、最近自分のポッドキャストで相方に薦められた「ハウルの動く城」シリーズ。
アニメと違ってなぜハウルがソフィーを愛するようになるのか、がしっかり描かれているらしいと聞いて。

仏教が大好き!という不思議な感覚を持つみうらじゅんさんのエッセイ「マイ仏教」。「色即ぜねれいしょん」という彼のもう一つの著作の映画版がすごくよくて、ずっと気になっていた。

なろう系の出身でずーっとレコメンドされ続けて気になっていた「死者殺しのメメント・モリア」もこの機会に入手してみた。

でも、今日読むのはこれらの本ではないのです。
どれだけ積むんだ私は、と思いつつ。

朝、少し昨日のお化け縁日で購入した「あやかしの深川」を読む。

生まれ育ったエリアの一つでもあるのでその土地にまつわる物語は知ってるべきなのでは、というのと、ひとり出版社系の方が清澄白河でつくってる本ということで、応援したい気持ちで購入した。

深川七不思議に始まり、谷崎潤一郎さんをはじめとする明治大正期の著名な文学者たちの作品、宮部みゆきさんのような現代作家さんの作品まで収録されているそうで。

昔、土地に息づく物語が読みたいと思って。下町出身の私は古今亭志ん生さんの人情落語を読んだのだけど、落語って笑い話がたくさん書いてあるのかと思ったら悲しい話、ほろ苦い話、人間の悲喜交々が詰まっていて思ったよりグッときてしまったのを思い出す。

怖い話にもそういう土地の想いが染み込んでいたりしないかなーと思う。

昼はバーベキューをして、お酒を飲んで日差しを浴びて全方位的にひとと話して、へとへとで家に。
優しい木漏れ日のさしこむ、世界の平和が詰まった時間だった。平穏すぎる場所というのは怖い。このあと何かとんでもない悪いことが起きる予兆なんじゃないか、とか思ってしまう。

しばらく気絶した後に起き上がってお風呂に入る。

土地の物語つながりで「芭蕉のあそび」をチラ見する。

隅田川沿いに住んだ芭蕉さんは俳諧を改革し、無常の旅を続けた方だけど、なぜここだったんだろう。彼はなぜそこまで俳諧に人生を捧げられたのか。
そういうことにずっと興味があった。

この作品は、そんな俳諧の基礎知識というよりはそこでのユーモアセンスとその背景にある人々のコンテンツカルチャーみたいなところにスポットを当てていて興味深い。(つまり知りたかったことは書いてない)

肝心の文章が誰にでも薦められる易しさではないので、みんなにおすすめとは言えないけれども。

5月⭐︎日

月曜の朝なのに、妙に目覚めが良く、1ヶ月くらいちびちび読んでいた「芭蕉のあそび」を、読み終える。

最終的にすごくよかった。

「古池や 蛙飛び込む 水の音」
という何も知らなくてもこれだけは知ってるみたいな俳句がある。
でもその背景にどんな意図が込められていたのか。
芭蕉さん晩年から没後の解釈と本当にこの俳句がつくられた時期に込められていた意図には大きな乖離があった、という話。

しかも、本当の意図が誤って伝えられている、という話ではないのがおもしろい。晩年に侘び寂びの心に目覚めた芭蕉さんが、時代のトーンにも合わせて、「こうとも読める」と弟子の提案を受け入れ、たくさんあるうちの一句だったものが語り継がれる際に代表句として扱われるようになっていったという話で、なんていうか、コロナ禍に見直される文学にも相通じるものを感じるコンテンツの意味は時代によって見直されてこそ受け継がれる。

本に夢中になったせいで、結局支度が遅れ、朝イチにまとめないといけない資料作成が遅れる。いつも私は初速が遅い
なんとかスイッチを入れて動き出す。10時までにひととおり対応が終わる。一度集中すれば仕事は割と速いんだけれども。

でも、気付けば首が痛い。先週の初めも痛かったし、今日はそれよりも悪化している。月曜の朝に首が痛いのは、仕事したくないっていうことなのかと、自分で自分を邪推する。

ひととおり急ぎのタスクを終えてから出勤すべく家を出る。そういえばあともう少しだった「タルト・タタンの夢」も読み終えちゃおうと思い、Audibleできき、通勤中の電車で読了。

結局、最後まで私は「日常の謎をフレンチの知識を使って解きほぐし、ラストにはほっこりするいい話」的な展開への違和感を拭えなかった。

なんでだろう。LOVE&PEACEみたいな歌やベタな恋愛映画を受け付けないのと同じ話かな。

だけどこういうときだいたい読み終えられないのに、途中で読むのをやめようと思わないくらいには面白い本だった。連ドラもいいらしいのでちょっと見てみたい。

Kindleが8冊買うと10%ポイント還元セールをしていたので行きの電車や勤務中にも、懲りずにチラチラとAmazonを開いてしまう。

10年くらい読みたいと思って手が出なかったけど遂に買ってしまったのは「永遠のジャック&ベティ」。
あの中学の英語の教科書のジャックとベティが50年ぶりに再会してあの頃の構文でブラックな会話を繰り広げる表題作などを収めた短篇集らしい。

買って早々に例の短篇を読んでみたけど、あの頃の明るいトーンで会話するのに家族を最悪のパターンで喪ったり、理不尽に職を失ったりシュールで最高。言葉遊びの妙。

さらにAmazonを巡回していたら、Kindle Unlimitedで私の好きな名越先生の「良質読書」を見つける。これUnlimitedのラインアップに入っていたかな?と思いつつ、こちらも借りる。

読書が苦手だったという名越さんがどうやって今月に5冊程度の本を読み、読書体験と向き合っているか?というお話。冒頭だけ読んだのだけど、とても共感できる話を発見。

散漫力を読書に生かす──新たな発見でした。1冊の本をずっと読むという一般的な読み方ではなく、散漫力を発揮しながら高レベルの本や、すらすら意味がわかる本 2、 3冊をかわるがわる読む。そうすると飽きないだけでなく、「この本とこの本のこの部分を結びつけたら、テーマが深堀りできてすごい見方ができる!」といった発見ができるのです。

散漫力…!もうほんとにこれ。私の本の読み方。
並行して読んでるし、いろいろなものを見てるから、それらが全部つながって不思議な化学反応が起きる。

動画でも伝わってくる名越先生の優しくてお茶目な雰囲気が文章の端々に感じられて非常によい。

情報解禁を控えているのに、今期の振り返りとKGI設定も求められて、頭がぐわんぐわんとかき回されているようだし、首がもっと痛くなる感じがする。

目標は立てるなら絶対に達成したい。達成できない目標を立てて、超えられないのは私にとって非常に大きな苦しみになるから。
でも昨年よりも下げたみたいな見え方になると、そもそも目標として認めてもらえない。達成できているのかわからない目標を立てるのもよくない。一見、達成できなさそうなハードル高めの目標に見えて、かつ達成イメージが持てているものがいい。でもそうなると着地点が難しい。

というようなことをぐるぐる考えてしんどくなる。あー首が痛い。

目標とは無縁な世界で生きたいけれど、これがないと私は原動力を失って、たぶん何も行動できないまま退化するばかりなので、このしんどさからは逃れられない、今のところ。

残タスク盛りだくさんだったけれど、へとへとになって早めに会社を出る。

家に食べ物がたくさんあるのに、つい、コロッケなどを買ってしまう。お金もかかるしカロリーも高いしほんとよくない。でも自炊する気分に全然なれない。

最近の垂れ流しゲーム実況動画お気に入りはVTuber葛葉さんのエルデンリング。エルデンリングはストーリーひととおり別でみたのに、これはおもしろい。なにしろ12時間一切テンションが落ちないし、瞬発力であふれでるフレーズのセンスが良くて、しかもしっかりゲームがうまいし、どんどんうまくなる。丁寧に探索もする。

葛葉さんを知るまでVTuberってキャラだけで売ってるのかと思っていたけど、すごく努力してるし、プロフェッショナルなんだと思うようになった。

この気付きについてもいずれどこかでまとめたい。

ごはんを食べて仕事しようと思ったけれど全然その気になれず、Podcastの編集をする。

洗濯するつもりだったけれど気づけば0時を過ぎていて、なんとかシャワーに入ってあっという間に寝る時間。

ストレッチがしたかったけれど、ぼーっとYouTubeをみてしまって、そのまま気絶。

やろうと思ってできなかったことがしんしんと降り積もっていくばかりの非生産的な1日。それでもずっと読みかけだった2冊読み終えただけ、成果があったと思おうかな。

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