「雪いよいよ降り重ねる折からなればなり」 『暦便覧』 大陸から顔を覗かせる興奮気味の寒気が、 “大”きな口を歪ませ、冷たい牙を剥いて威嚇すると、 大粒の“雪”涙を…
「冷ゆるが故に雨も雪となりてくだるがゆへなり」 『暦便覧』 うぶ“雪”の飛来を告げる“小”さな噂話が、若い北風の背中に乗っかって、ゆっくりと漂い始めるころ、「小…
「冬の気立ち初めていよいよ冷ゆればなり」 『暦便覧』 “冬”の白い煙がしなやかに“立”ち込めて、首元を撫でるように、ひんやりとまとわりつく「立冬」の時。 時雨の…
「つゆが陰気に結ばれて、霜となりて降るゆへなり」 『暦便覧』 澄んだ闇夜で凛と鳴く冷気にぎゅっと抱かれて、寒露が野草に白“霜”のため気を“降”ろす時、「霜降」の…
「陰寒の気に合って、露むすび凝らんとすればなり」 『暦便覧』 深まる秋の朝“寒”と夜“寒”に、思わず縮こまる小さな水の粒たちが、次々と野山の草花に冷たい水の結晶…
「陰陽の中分となればなり」 『暦便覧』 「秋」を仕上げるスイッチが入る中、一日を支配する光と闇の世界を、真っ二つに「分」裂させるシーズンポイント、「秋分」。 真…
「陰気ようやく重なりて露にごりて白色となればなり」 『暦便覧』 夏の思い出をいっぱい詰め込んだハートのラッピングバッグを、煌めく“露”のリボンで結び、ようやく落…
「陽気とどまりて、初めて退きやまんとすればなり」 『暦便覧』 大爆走して、ぶっ飛ばしてきた“暑”気にも、ようやく目“処”が付いて、ゆっくりとフェードアウトを始め…
「初めて秋の気立つがゆゑなればなり」 『暦便覧』 大活躍してきた夏の出番も、そろそろクライマックスを向かえる今日この頃。 次の主役に“立”候補すべく腰を上げるの…
「暑気いたりつまりたるゆえんなればなり」 『暦便覧』 融風が“春”を緩やかに運び、その姿を凍空に“立”ち上げて、閉ざされた世界を目覚めさせた立春から数えて、早く…
「大暑来れる前なればなり」 『暦便覧』 暑さのボリュームが次第に上がり、ハートのボルテージもいよいよ空高く突き抜けていく季節。 真夏が今にもはち切れそうな昼空…
「陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以てなり」 『暦便覧』 一年をかけて、地球が太陽の周りをゆっくりと航行していく過程で、北半球に浮かぶ日本列島の船上では…
「芒ある穀類、稼種する時なり」 『暦便覧』 「芒(ノギ)」」というのは、麦や稲などの穂先についている実の先端部分に、尖って生える針状の突起のようなものを指して…
「万物盈満すれば草木枝葉繁る」 『暦便覧』 初夏のピチピチな空からほとばしる、 フレッシュで眩し過ぎる「痛快小満パワー」。 そんな目の奥にまで染み渡る、痛気持ちい…
「夏の立つがゆへなり」 『暦便覧』 それは光の噴水が空高く腕を掲げる季節。 若葉の上をルラルラと転がり踊る太陽の欠片。 時おり、その小さな手の平からこぼれ落ち…
「春雨降りて百穀を生化すればなり」 『暦便覧』 本日より、全国的に「穀雨」な季節の香りに包まれるでしょう(^-^)。 シトシトと降り注ぐ春雨が、畑へ蒔かれた種…
市丸数馬 / ウェザーアロマセラピスト
2020年12月12日 19:36
「雪いよいよ降り重ねる折からなればなり」 『暦便覧』大陸から顔を覗かせる興奮気味の寒気が、“大”きな口を歪ませ、冷たい牙を剥いて威嚇すると、大粒の“雪”涙を落とし、冷え冷えと泣き始める「大雪」の空。寒々とした狂気な鋭声を日本海に響き渡らせると、海上の子雲たちはその恐ろしさに身震いさせて、思わず整列し、筋状に多くの雪雲行列を作るのです。日本海側ではしっかりと雪が積もり、太平洋側
2020年11月24日 11:28
「冷ゆるが故に雨も雪となりてくだるがゆへなり」 『暦便覧』うぶ“雪”の飛来を告げる“小”さな噂話が、若い北風の背中に乗っかって、ゆっくりと漂い始めるころ、「小雪」。白くてふわふわの冬を運ぶ使者が、小さな唇で耳元にそっとささやきかけます。とはいえ、平野で雪が本格的に降る時季は、まだ少し先のこと。今はまだ、未完成で幼い雪の季節なのです。ぬるま湯に浸かって、熱を失いかけた太陽。枯れススキ
2020年11月7日 23:19
「冬の気立ち初めていよいよ冷ゆればなり」 『暦便覧』“冬”の白い煙がしなやかに“立”ち込めて、首元を撫でるように、ひんやりとまとわりつく「立冬」の時。時雨の隙間に流し込まれる少し焦げ臭い斜陽に、目覚める無邪気な雪蛍。「ふらゆら」と揺れる白綿は、やがて白雪の六花へと姿を変えて、「ちらゆら」と舞い咲きます。山や里では、華やかに咲かせた彩葉の宴が、いよいよたけなわ。次第に色が洗い流されてい
2020年10月28日 19:22
「つゆが陰気に結ばれて、霜となりて降るゆへなり」 『暦便覧』澄んだ闇夜で凛と鳴く冷気にぎゅっと抱かれて、寒露が野草に白“霜”のため気を“降”ろす時、「霜降」の季節。はるばる大陸から旅してくる、冷涼な高気圧に浸されて、透き通る夜空が走るような日。そんな穏やかに澄んだ秋晴れの静夜には、油断していると冷たい秋の香りに、くしゃみをひとつ落とすことになります。放射冷却という名のストローで、地上で
2020年10月28日 18:55
「陰寒の気に合って、露むすび凝らんとすればなり」 『暦便覧』深まる秋の朝“寒”と夜“寒”に、思わず縮こまる小さな水の粒たちが、次々と野山の草花に冷たい水の結晶を落として、煌めきの“露”を結ぶ、「寒露」。この時季、朝晩は、静寂に染み入るひんやりとした秋の寝息に、ギュッとさせられることがあります。そんな小悪魔の不意打ちに、油断して穴の開いた胸の奥で、時おり戸惑いを覚えることはありますが、昼間
2020年10月28日 11:41
「陰陽の中分となればなり」 『暦便覧』「秋」を仕上げるスイッチが入る中、一日を支配する光と闇の世界を、真っ二つに「分」裂させるシーズンポイント、「秋分」。真東から昇り、真西に沈む太陽によって一刀両断されます。しかし、同じく昼夜が平等に切り分けられる、春分の頃と比較すると、気温は秋分の頃の方が10℃程度も高く不平等なのは、ちょっぴり可笑しなところ。秋は、空を見上げて思いをはせるセンチメン
2020年9月10日 12:13
「陰気ようやく重なりて露にごりて白色となればなり」 『暦便覧』夏の思い出をいっぱい詰め込んだハートのラッピングバッグを、煌めく“露”のリボンで結び、ようやく落ち着きを取り戻す空に、“白”いため息を1つこぼす「白露」の光景。ヒンヤリとした空気に甘噛みされて、ふと気が付くと…。季節を覗く小窓から吹き込んでいる隙間風。息を潜めながら静かに窓を開けてみると、そこには新たな旬の風景が控えめに香りま
2020年9月2日 11:08
「陽気とどまりて、初めて退きやまんとすればなり」 『暦便覧』大爆走して、ぶっ飛ばしてきた“暑”気にも、ようやく目“処”が付いて、ゆっくりとフェードアウトを始めるころ、「処暑」。ふと見上げると、青天井の一角では、暑苦しさで散らかった夏空を、サラサラと掃いて掃除したかのような跡を残す、ホウキ雲。揺らめく夏の面影を残しつつも、絹雲の筆で滑らかに塗り替えられていく、処暑の空。ときには、そんなさり
2020年9月2日 11:01
「初めて秋の気立つがゆゑなればなり」 『暦便覧』大活躍してきた夏の出番も、そろそろクライマックスを向かえる今日この頃。次の主役に“立”候補すべく腰を上げるのが、爽やかな笑顔が素敵な“秋”です。大きく大きく膨らんで、日本列島を飲み込んでいた熱気のかたまり、太平洋高気圧バルーン。そんな巨大な夏の風船でも、忍び寄る秋がこっそり針で小さな穴を開けると、少しずつしぼみ始めます。ホオズキのように燃
2020年9月2日 10:47
「暑気いたりつまりたるゆえんなればなり」 『暦便覧』融風が“春”を緩やかに運び、その姿を凍空に“立”ち上げて、閉ざされた世界を目覚めさせた立春から数えて、早くも十二番目の節気、『大暑』。春夏秋冬の折り返し地点になります。太陽のテンションはMAXとなり、季節のエネルギーは右肩上がりの大フィーバーです。暑そうな顔で見上げる日焼けした“ヒマワリ”と、涼やかな顔で見下ろす気象衛星“ひまわり”との
2020年7月7日 17:21
「大暑来れる前なればなり」 『暦便覧』暑さのボリュームが次第に上がり、ハートのボルテージもいよいよ空高く突き抜けていく季節。真夏が今にもはち切れそうな昼空には、太陽が張り上げるサンシャインパワーポップなカラフルサウンド。キレキレな熱いギターが放つ光の弾丸で、ダラダラと寝転がるベタ雲を乱れ撃ちます。真夏の誘惑が香り始める夜空には、セクシーな漆黒にくるまれながら、怪しく浮かぶ3つのシャー
2020年6月22日 19:38
「陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以てなり」 『暦便覧』一年をかけて、地球が太陽の周りをゆっくりと航行していく過程で、北半球に浮かぶ日本列島の船上では、この日、太陽が最高に目をギラギラと光らせて睨みつけるため、昼間は最長となり、また逆に、夜は最短となるため、最も「寝不足」になる季節でもあります。太陽が一番元気な季節、まさに眩しさに溢れる「夏」が「至」るわけです。しかし、我々が乗
2020年6月7日 12:53
「芒ある穀類、稼種する時なり」 『暦便覧』「芒(ノギ)」」というのは、麦や稲などの穂先についている実の先端部分に、尖って生える針状の突起のようなものを指していいます。一方、「種」については、種まきの時期であることを意味しています。つまりは、芒のある植物である稲を植える頃、もしくは、同じく芒のある麦が収穫時期を向かえ、変わって稲を植える頃であることを表しているわけです。熟麦の大きなう
2020年5月21日 18:21
「万物盈満すれば草木枝葉繁る」 『暦便覧』初夏のピチピチな空からほとばしる、フレッシュで眩し過ぎる「痛快小満パワー」。そんな目の奥にまで染み渡る、痛気持ちいいエネルギーを浴びたなら…、植物たちは、枝葉のアンテナをグイグイと伸ばして振り乱し、生命の感度を一気に引き上げます。動物たちは、注ぎ込まれたその力を惜しげもなく解き放ち、天高くシュララと打ち上げます。そして、小満に腰かけて、
2020年5月5日 23:13
「夏の立つがゆへなり」 『暦便覧』それは光の噴水が空高く腕を掲げる季節。若葉の上をルラルラと転がり踊る太陽の欠片。時おり、その小さな手の平からこぼれ落ちて、砕け散る光のしぶきに、私たちはシュワシュワと目を細めます。やがて、散らばった光の粒たちは、キラキラに満ちた輝く絨毯となって、真っ直ぐに夏の核心へと繋がるのです。そして、次第に高まる命の合唱。空の彼方にまで響き渡ると、エ
2020年4月19日 10:50
「春雨降りて百穀を生化すればなり」 『暦便覧』本日より、全国的に「穀雨」な季節の香りに包まれるでしょう(^-^)。シトシトと降り注ぐ春雨が、畑へ蒔かれた種に潤いをもたらし、花芽や葉芽にはエネルギーを注ぎ込んで芽吹きのお手伝いをします。この時季は、育ち始めた柔らかい命の息吹が輝く季節。そんな新たな命に優しく潤いのベールをかけるのが「穀雨」です。晩春から初夏にかけての隙間にしっとりと