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二十四節気 「立秋」の香り

「初めて秋の気立つがゆゑなればなり」 『暦便覧』

大活躍してきた夏の出番も、そろそろクライマックスを向かえる今日この頃。
次の主役に“立”候補すべく腰を上げるのが、爽やかな笑顔が素敵な“秋”です。
大きく大きく膨らんで、日本列島を飲み込んでいた熱気のかたまり、太平洋高気圧バルーン。
そんな巨大な夏の風船でも、忍び寄る秋がこっそり針で小さな穴を開けると、少しずつしぼみ始めます。
ホオズキのように燃え上がる情熱的な赤い太陽は、いまだ冷めることはなくとも、放つ眼光には陰りが見え始めるようになるのです。
ふと気が付けば、いつしか背の高い入道雲の肩に、舞い降りる天使の羽根雲。
ヒグラシは自慢の高温ボイスで、涼しげな歌声のシャワーを降らせながら、火照った世界をゆっくりと冷やします。
大切な人を、うだるような暑さの中で見舞う季節から、短い夏の暑さを名残惜しみながら見舞う季節へと移りゆくターニングポイント、「立秋」です。

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☀ 「立秋」な季節の、お役立ちアロマテラピー ☁

うたた寝する窓際に、吹き込む夕風の香り。
鼻に寄り添う、優しくもちょっぴり寂しげな井草の香り。
高らかに響くヒグラシの歌声が、青白くにじむ夕暮れの香り。
そんな心を揺らす懐かしい香りに、胸を焦がす切ない思い出が重なるのが、「立秋」の頃。

匂いが記憶を呼び起こすのは、鼻に潜り込む香りが脳ミソに飛び込み、理屈抜きで感情や記憶へダイレクトに繋がるからだといいます。
つまり、嗅覚は自らの心に、最も正直に響く感覚なのです。
今回は、夕暮れの少し焦げくさい太陽の下で、背伸びした夏草を撫でる風に、一瞬感じる涼香をイメージした、ほんのり切ない8月のアロマ<イメージフレグランスコレクション第5弾>をお届け。
網戸をくぐり抜ける夕風にそんな香りをトッピングして、過ぎゆく夏の思い出に浸ってみませんか。

☂ お天気アロマレシピ ❆
【立秋のイメージフレグランス ~夏の思い出を追い越す、秋香の涼風~】

[使用材料]
精製水 45ml ・ 無水エタノール 5ml
精油 10滴以下<レモングラス4滴・ローズマリー4滴・ネロリ2滴>
✿ レモングラス ✿ 
(^_-)☆…野原の力強いグリーンの香りに、レモンフレーバーを振りかけたようなフレッシュな香り。元気よくそそり立つ夏草を、爽やかに吹き抜ける野風をイメージさせるような精油。
✿ ローズマリー ✿
(^_-)☆…目が覚めるようなシャキッと感が気持ちいいハーブの香り。夏の名残で澱んだ空気の塊を、清々しく吹き抜ける風がクリアに洗ってくれるようなイメージの精油。
✿ ネロリ ✿
(^_-)☆…弾けるシトラスのフレッシュ感に、優美な甘さを忍ばせるフローラルの香り。オレンジ色に色づいた夏の終わりの太陽が、ほんの少し覗かせる甘い表情をイメージさせるような精油。

[作成手順]
① 無水エタノールに精油を垂らし、ガラス棒でかき混ぜる。
② 精製水を加え、さらによくかき混ぜる。
③ 遮光ガラススプレー瓶に移し、ラベル(作成日、レシピ)を貼る。
※網戸などに軽くスプレーして、香る涼風を楽しむ。虫除けの作用にも期待できる。

[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控えること。
・色や香りの染みつき、汚れには十分注意すること。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・異常を感じた時は即使用を中止すること。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・長時間使用は控え、適宜換気を行う。
・高温多湿を避け冷暗所保存。使用期限は約2~3週間。
・アルコール過敏の方は使用を控えること。
・体調がすぐれず、香りに敏感な時は使用を控える。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

※ 市丸数馬「お天気香るコラム」 バイオウェザーサービスより

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