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【コラム】優秀な人材が定着する企業文化とは

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はじめに

私の関心事の中でそこそこ大きな割合を占めているのが「優秀な従業員の定着」という論点です🤔
「優秀」の定義は会社によって様々です。
学力と意欲を重視する企業や単に従順性を重視する企業など、様々な定義があると思います。

ちなみに私は、学力と人間性を重視しています。
学力(専門性といってもいい)が高く、人間性が優れている(他者に優しい)人こそ優秀な人で、マネージャーとしてもプレイヤーとしても尊敬できます😁
学力は努力できる人であることの証明であり、人間性はその人の貢献意欲を反映しているものだと考えています。
したがって、学力が高い人は努力家であり、人間性が優れている人は他者へ貢献し続けられる人だと思っているのです。

今までのところ、これが大きく外れたという経験がありません。
学力が高い人は総じて努力できる人で、困難な問題にぶち当たった時に自発的に調べ、考えることができます。
人間性が優れている人たちは、いつも同僚や部下に貢献しようとしてくれています。
そういう人たちと共に働く時、私は少し幸せな気持ちになります。

こういう人たちが長く働いている会社は、何が魅力的なのか。
どんな要因でその会社に惹きつけられているのか。
一般化することが難しい論点ではありますが、周りの尊敬する方々に聞きまくってみたら、少しだけヒントが見つかったので書いていきたいと思います。


1.今回聞いてきた人たちの属性

人数は少ないのですが、同世代(±5歳)の知人10名ほどにお話を伺ってきました。
彼らのうち、ほぼ全員が東証一部上場企業に在籍していて、最も短い人でも9年以上勤続し続けています。
一番長い人は16年経ったそうです🙄
生まれたての子どもが高校に入る年数です…
ベンチャー界隈ではちょっと考えられない。

そして、それぞれが何らかの専門分野を持っていらっしゃいます。
私の知人なので法律系が多いですけども🤣
出身大学(院)は様々ですが、東京大学、京都大学、一橋大学、慶應義塾大学、早稲田大学で半数以上を占めています。

一人ひとり許可を得るのは大変なので、今回は会社名を伏せてお話していきます。


2.なぜ長く居続けるのか

全員に「なんでそんなに長く同じ会社で働けるの?」という質問をしました。
するといろいろな回答が返ってきました。
その中で、ベンチャーの制度設計で役に立ちそうなものをいくつかご紹介していきます。


(1)ネームバリュー

多くの方が自社のネームバリューを理由に挙げていました。

「誰に言っても一発で解ってもらえる社名」
「うちの会社を知らない人はいないと思うから」
「会社の知名度のおかげでなんかすごい人だと思われる」
「新卒で入るの大変だったし、有名だし…」
「ここより上の企業はほとんどない」
「社名をいうだけで相手が認めてくれる」

などの意見が多く出ました。
ネームバリューの重要性を再認識しました🙄
自分が勤めている会社の知名度が高いとやはり従業員の皆さんも誇らしく思うのだろうと思います。
確かに、私もベンチャー界隈で「WARC」という社名が出たときなんかは一人でニヤッとしています。
このnoteで何十回も勝手に名前出している山本さん(WARCのCEO)の話とか振られたらそりゃもう誇らしいです🤣

自分の会社が誰かに知られている、褒められている、関心を持たれているというその事実が嬉しいんですよね。
超大手の企業に勤めていると日々その実感があるようで、それが定着の理由の一つになっているのは間違いなさそうです。

ということは、ベンチャー企業も自社のポジティブな認知度を高めることで社員の定着率を上げることができるかもしれません🤔
PR活動等を通じて認知度を高める努力が、回り回って自社の社員の定着率を上げるのであれば、それは大事な業務だと思うのです。
ということで皆さん!
WARC(ワーク)をよろしくお願いいたします🙇‍♂️


(2)社費留学/企業派遣(大学院)

続いて社費留学や企業派遣による大学院進学ができる制度が大人気でした。
私の知人らは学習意欲が極めて高いので、この制度はもろに刺さるようです。
社費留学とは、会社のお金で海外の大学院等に行くことができる制度です。

とある方は、会社のお金でイギリスに1年ほど行ってMBAを取得したそうで、死ぬほど羨ましいです😭
海外MBA等を取得した後は外資コンサル等に転職するんじゃないか?と思って聞いてみたのですが、その方については「そんな恩知らずなことしない!それに、そういうことしそうな人は社内選考で落とされるよ」と言っておりました。
カッコイイ😍

この制度があるから(利用したから)今の会社に居続けるという方が結構いました。
会社に育ててもらったという認識があるらしく、「その分のお返しは絶対にしたい」と皆さん言っております🤔
これは素晴らしい効果です。
少し前に書いた「組織コミットメント」が向上しているということですね。

ただし、社内選考は厳正なる審査のもと行われるらしいです。
毎年1~2名しかこの枠を獲得できないとのことで、社内で精一杯実績を積んで、社内審査、面接等を通過して初めて社費留学等ができるとのこと。
そりゃがんばりますよね🤔
私もそんな制度があったら我武者羅にがんばります。

ベンチャー企業でこの制度を導入できる可能性は低いでしょうけど、日本の国立大学大学院程度だったら行けると思うんですよ🤔
だって、国立大学大学院の年間の学費なんてわずか60万程度ですから。
月額給与を5万上げた場合と同じ程度のリスクです。
大したリスクじゃない。
その程度のコストを優秀な従業員にかける余裕はベンチャーでもあるはず!
だから、ベンチャーにとっても大変参考になる意見でした。

そういえば先日、メルカリさんが博士号取得の支援金を出すと大々的にニュースになっていましたね。
ベンチャー企業の鏡であり、模範だと思っています。
心の中で「メルカリ行きたい…」とちょっと思いました(内緒)

私の知る限り、学習意欲の高い従業員は優秀な方が多いです。
そういう方にとって大学院での学習や学位の取得は大変魅力的なインセンティブになります。
そういう学習サポートをしてくれる会社に対して愛着を持つというのは極々自然なことだと思います。
ちなみに私も山本さんから大学院に行く許可をもらって学位を取得したタイプの人間なのでめちゃくちゃ恩を感じています。
社会人大学院は夜早く帰らないといけないし、土日もほぼ予習復習で潰れるので仕事に支障が出ることもあるのです。
それを許諾してくれる懐の深さ…有り難みです。

このような制度を設けている会社では、従業員の自発的学習を推奨している文化が根づいています。
そのため、中の人たちが当たり前のように勉強しています。
とある会社の方は「うちの社員は別に優秀な人はいないけど、みんな普通に勉強するよ。努力家が多いと思う」と仰っていました。
それがもう世間一般では優秀な社員なんですよね😱
長いことそういう環境にいるから、優秀の定義がすごく上がっているなと感じました(笑)

やはり優秀な人材が長く働いている会社は、社内文化として学習を推奨している点に魅力があるのだと思います。
上記の大学院の学費援助の他にも、書籍を自由に購入できる制度があったり、有料セミナーや英会話教室費用の補助等の制度が同時にあるらしく、自学自習しようとする従業員を全力で応援する姿勢が見て取れました。
そこまで充実してたらその会社にずっといますよね…
正直、羨ましさしかない🤣

最近ではイケてるベンチャーの多くが書籍購入補助制度を設けているので、これは是非人事の皆さんに検討いただきたいです。


(3)報酬制度

次によく出ていた意見として「報酬」への満足度がありました。
彼らの平均的な年収は1,000万円前後(残業代も込み)です。
30代半ば~後半でそれだけの年収が得られていれば、わざわざリスクを冒してまで転職をしようと思わないというのが多数意見でした。

また、半数以上の方が「今の仕事の量と比較すると報酬は高いと感じている」そうで、費用対効果の面で辞める理由がないという意見も出ていました。
大手企業の場合、人数が多いので仕事が分散されていて、比較的楽なのだそうです。
もちろん、繁忙期は当然忙しいですし、月に45時間以上の残業がある時期もあるそうですが、むしろそういう月は「残業代の稼ぎ時」と認識しているらしく、メリハリのある勤務ができているそうです🤔

前述の通り学習支援等の福利厚生も充実しているため、際立った不満がないとのこと。
これも大変参考になる意見です。
最近では、ベンチャーと大手上場企業の所得格差が縮小してきていて、そこまで大きな差はなくなってきているものの、やはりまだ100~200万円程度の乖離があります。
福利厚生を金額で計算し直すとその実質的な年収差は300~500万円程度になることもあります。
したがって、報酬という面では、ベンチャーはまだまだ大手には敵わないです🤔

優秀な人たちが長く大手に定着している理由の一つに「報酬」があるのだという点は、我々ベンチャー側の人間もよく認識しておかないといけないなと改めて思いました。

(4)規模

最後に「規模」の点について意見があったのでご紹介いたします。
彼らが関わる仕事の多くがグローバル案件や大型案件で、動くお金の規模が大きいので、そのような大きな規模の事業に自分が関われているという点に魅力があるのだそうです。
これも納得ですね🤔

自己効力感や自己肯定感が得られやすいのだと思います。
インフラ系やエネルギー系の大型事業に携わっている方は「自分が関わった仕事を現地視察で見られるときがあるけど、嬉しいもんよ。自分がこの大きな事業に関わったんだと思えるし」とのことでした。
子どもたちに誇れる仕事をってことですね🤔
良いなぁ。

ベンチャーの中には規模の大きな事業を行っている会社もあるのですが、多くのベンチャーはそうではありません😱
比較的小さな世界(ほぼ都内23区内)で精一杯頑張っています(笑)
規模の点ではどう頑張っても敵わないですね🤣


3.会社に対する不満はあるか

続いて、彼らに対して「会社に対する不満とかある?」と聞いてみました😁
長く居続ける=会社のすべてが最高というわけではないはずなので、不満を聞いてみたいなと思った次第です。
こちらについても面白かったのでご紹介します。


(1)向上心の欠如

最も多かった回答は、組織の中の向上心の欠如でした。

「大手だからだと思うけど安定しているから努力しようとする人は少ない」
「出世しようとか一旗揚げようという雰囲気は皆無」
「責任を取らないことに全力を注いでいる人が多い」
「良い大学出ているのに普通の人になってしまった中年が多い」

などの意見がありました🤔

優秀な方たちにとって向上心は必須の要素のようで、周りにもそういう人が溢れていてほしいと願っているようです。
そのため、安定志向や現状維持をもどかしく感じやすいようです。

この点はベンチャー企業でも気をつけないといけない点だなと思います🤔
ベンチャーも最初の頃は向上心溢れる若手で盛り上がりますが、5~10年ほどであっという間におっさんの集まりになっていきます。
その結果、いつの間にか向上心を失ってしまい停滞期に入るということもしばしばあります。
だからこそ、常に自分を変化させて、成長せざるを得ない状況を自ら作り出さないといけません。

ベンチャーの経営側としては常に「組織の向上心」を底上げする施策を考えないといけませんね🤔
学習や変化を促し続けないとすぐ停滞する。
気をつけないと。


(2)上司との人間関係

続いて多かったのが、やはりというべきか…上司との人間関係でした🤣
これは大手だろうとベンチャーだろうと一緒ですね。

「実力で出世したわけではない人が上司だから頼りにならない」
「やる気のある無能が上司なので辛いときはある」
「人間として尊敬できない」

などの意見が出ていました。
大手の場合、年功序列で出世していくことが多いので、原則として上司は年上です。
そして、組織の中では専門家としての能力で出世するわけではないため、時に部下の方が優秀なケースがあります。
今回お話を聞いた方々の場合、特に優秀な専門家の皆様なので、彼らより能力が高い人を探すほうが難しいです🤔
そう考えると、上司であっても能力は下ということになりやすい。

これは確かにしんどいかもしれないです。

ベンチャーとしてというより、私個人として強めに戒めたいのは、自己研鑽を絶対に止めないでおこうという点です😑
そして、部下の方が優秀だと確信したとき、潔く地位を譲り渡したいと思います…
部下に尊敬されないまま仕事をするなんて辛すぎるので。


おわりに

優秀な人たちが長く定着している会社の特徴が知りたくて知人らに聞いてみたのですが、何となく特徴がつかめてきました。
ベンチャーでもできそうなことで重要だと思う点は、学習支援と向上心の維持ですね🤔
学習支援は比較的低コストでできることなのでオススメしたいところです。

ただ、そもそもベンチャー企業にとっては、優秀な人材を獲得するということが難関です🤔
この点も何とかしないと…
そして、定着していただくことはさらに難しい。
それをどうやってクリアしていくか。
知恵の絞りどころです。
考え続けます。

ということで、今日はたった10人程度の事例だったんですけど、ベンチャーでお勤めの皆様の参考になれば幸いです。

それではまた次回👍


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【著者情報】

著者:瀧田 桜司(たきた はるかず)
役職:株式会社WARC 法務兼メディア編集長
専門:法学、経営学、心理学
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