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#読書の秋2020

書評|横道世之介

書評|横道世之介

 『横道世之介』を読み、僕の頭には真っ白なパレットが浮かんだ。表面は滑らかで、光を写す。物語の主人公である横道世之介は透明だ。長崎から上京した大学一年生。平均的で、何者でもない。何色にも染まっていない彼が、何かに染まろうとする。その過程をこの作品はみずみずしく描き出す。

 何者でもなく、眼の前に積まれた膨大な時間。移ろう季節の中で、世之介は時を過ごす。新宿、歌舞伎町、渋谷、原宿、赤坂。西武新宿線

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『横道世之介』  written by 吉田修一

『横道世之介』 written by 吉田修一

横道世之介。東京に上京してきた大学生。
私には彼の気持ちがよく分かる。
同じ「地方出身で東京都内の大学に進学し一人暮らしを始めた」私だからこそ、
世之介の気持ちがよく分かる。

何気ない日常の中で感じるやるせなさとか、空虚感とか、ちょっとしたことに自分でも驚くほどに動揺したりとか、1つの恋でワクワクしたりとか、「あぁやっぱり都会は違うんだなぁ」って感じる瞬間とか。
1人でいるときにふと感じる孤独さ

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