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Sex Positive Magazine

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セクシュアリティ・ジャーナリスト、American College of Sexologists認定セックス・エデュケーターとして執筆しているセクシュアリティやリレーションシップ…
運営しているクリエイター

#セックスレスのための性教育と映画

「Sex Positive Magazine」について

「Sex Positive Magazine」について

こんにちは。

映画ジャーナリスト、セクシュアリティジャーナリストの此花わかです。

私はNYのファッション工科大学(FIT)を卒業後、シャネルや資生堂アメリカのマーケティング部門で働いていましたが、2007年に夫の転勤で日本に帰国し出産・育児をきっかけに、ファッション、カルチャー、ジェンダーや映画をテーマに女子SPA!、日刊SPA!、BizSPA!、FRaU、VOGUE GIRL、Pen、シネマ

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妻を愛しているのに…。夫がレスりになる4つの原因

妻を愛しているのに…。夫がレスりになる4つの原因

レスり側の心理をドラマ『セックス/ライフ』から読み解く<前編>

Netflixで放映中の『セックス/ライフ』はセックスレスのレスり・レスられの両視点で、カップルのセクシュアリティとアイデンティティの喪失をなかなかリアルに描いている。

本記事の前編ではレスりの夫の心理を、著名な心理カウンセラーたちが説くセクシュアリティの見地から紐解いてみたい。

https://www.

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「意図的に距離を置く」v.s.「とことんまで寄り添う」セックスを救う2つの真逆説

「意図的に距離を置く」v.s.「とことんまで寄り添う」セックスを救う2つの真逆説

エステル・ペレル博士 v.s. ジョン・ゴットマン博士

性科学の世界で、いま、リレーションシップやセックスのサイコセラピストとして引っ張りだこな2人が、ベルギー人のエステル・ペレル博士とアメリカ人のジョン・ゴットマン博士だ。興味深いことに、彼らはカップルの情熱を絶やさず、良好なセックス関係を築くために真逆の説を展開している。

今回は、それぞれの説を紹介しよう。

■1:エステル・ペレル博士の説

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セックスレスに愛情や性欲は関係ない!? 米・性科学者の画期的な発見「セックスをコントロールする2つのモード」

セックスレスに愛情や性欲は関係ない!? 米・性科学者の画期的な発見「セックスをコントロールする2つのモード」

エミリー・ナゴスキ博士の発見① 

アメリカ・マサチューセッツ州にある名門リベラル・アーツ大学、スミス・カレッジで性科学を教えるエミリー・ナゴスキ博士の著書『Come as You Are: The Surprising New Science that Will Transform Your Sex Life』(2015)は、世界の性科学分野に一石を投じた画期的な本だ。

なぜ画期的かというと、

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共演者たちはなぜ恋に落ちるのか。恋とオルガズムの絶対条件とは

共演者たちはなぜ恋に落ちるのか。恋とオルガズムの絶対条件とは

#星野源 さんと #新垣結衣 さんのおめでたいニュースを聞いて、多くの共演者がなぜ恋に落ちるのかを考えていた。ふと、数年前にニューヨーク・タイムズで読んだ、「心理学者がつくった36の質問で本当に恋に落ちた話」の記事を思い出した。

アーサー・アーロン博士が20年もの研究を経て作成したこの質問は36項目にもわたり、まるっきり知らない者同士でも、この質問すべてに答えたら必ず恋に落ちるものだという。そし

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映画『17歳の瞳に映る世界』米・少女を取り巻く「無自覚な性暴力」と「中絶論争」に切り込んだロードムービー

映画『17歳の瞳に映る世界』米・少女を取り巻く「無自覚な性暴力」と「中絶論争」に切り込んだロードムービー

★Twitterで試写会プレゼント★ 詳しくは記事末へ

7月16日(金)に公開される『#17歳の瞳に映る世界』は17歳で妊娠してしまったオータムが、いとこのスカイラーと一緒に地元ペンシルベニアから、保護者の許可なしに中絶できるニューヨークへ、長距離バスで向かうロードムービーだ。ざらざらとしたフィルムの質感、少ないセリフ、オータムを演じたシドニー・フラニガンとスカイラーを演じたタリア・ライダーの繊

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映画『シンプルな情熱』にみるセクシュアリティの本質。「性の神話」を打ち破り、フランスの男と女で評価が分かれた原作

映画『シンプルな情熱』にみるセクシュアリティの本質。「性の神話」を打ち破り、フランスの男と女で評価が分かれた原作

★Twitterで劇場鑑賞券をプレゼント!★ 詳しくは記事末へ。

1992年のフランスで「シンプルな情熱」という私小説が生まれた。著者は当時52歳だったアニー・エルノー。彼女は、10歳余り年下の既婚者男性との1年にわたる性愛を小説にしたのだった。本書は出版されるや否や、国内でベストセラーになったが、文壇の男性たちからはその文体がシンプルすぎると厳しく批評された。一方、フランスの女性の書評家たちか

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ターバンから読み解く、『クルエラ』に潜む「性の権利」~日本文化の影響もあった?~

ターバンから読み解く、『クルエラ』に潜む「性の権利」~日本文化の影響もあった?~

スウィンギング・ロンドン、ジャパニーズ・アヴァンギャルド、そして、ターバン

★クルエラと「スウィンギング・ロンドン」

エマ・ストーン演じるクルエラがヴィヴィアン・ウエストウッド調のドレスをまとい、エマ・トンプソン演じる敵役バロネスに闘いを挑む。男爵夫人のバロネスと孤児でスリのクルエラの闘いは、「英国の体制v.s.若者文化」がぶつかりあった、「スウィンギング・ロンドン」を描いていることは明らかだ

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