記事一覧
#詩 2023年4月④
「つぶやくということ」
twitterでつぶやくということ
同じ空の下で違う景色をみる
今日は日差しが強いねとか雨だねとか
誰かのしんどいねとか美味しいねとか
平らな大地の上で
世界のまるみに触れる瞬間
まろやかに流れる季節の中で
こっそり息をはく
ぼくたちはまるく繋がっている
嬉しいね楽しいね一人じゃないね
2023年4月23日
「河川敷を歩く」
河川敷を歩いていく
昼下がりの
#詩 2023年4月③
桜ひらひら
みうしない
燕ぱたぱた
駅のとたん
春つづき
#五行歌
2023年4月16日
「あかいろひいろ」
やさしくリセットしましょう
繊維は断ち切らないように
もらった絵の具の数が少ないなら
パレットに溶かして混ぜまぜして
血液よりもずっとはやく流して
酸素供給間に合っているから
たまに脳髄をはみ出して
お空をぐるりと一周して
還ってくる引き連れて
明色 喜色 哀色 悲色
2
#詩 2023年4月②
「黄土の先に在る物」
ここから出たいなんて
思ったこともなかった
死者は砂にかどわかされ
淋しさは嗜好品
夜は殻の雨が降る
誰もが息を潜め皮膚を隠す
老人が言った
黄土の先に在る物を知っているか?
月だった物の成れの果てを
少年はぼんやりと眺めていた
またひび鳴りの音がした
いつもと変わらぬ静かな夜だった
2023年4月9日
「わたしだったもの」
わたしだっ
#詩 2023年4月①
「きっすいのうた」
不意に生粋に頭をたたかれた
私のきっすいのうた
なまだとつよすぎる
K音なのにかたすぎない
ちょっとつややか
わくだとせまい
いきでも素敵
すいだと自由だ明度がある
語源はきすい
ぴんとこない
ちいさいっが愛らしい
息をはくように
くちびるはそのままで
私の魂の片割れ
きすみたいで
2023年4月1日
「日陰の石垣」
太陽と地球がち
#詩 2023年3月⑤
「わたしのアドレッセンス」
わたしのアドレッセンス
過ぎ去ったはずの青春時代
抜け出せない思春期じごく
終わりのこない居残り授業
ルーズリーフの真ん中の花柄模様
もう誰もいない放課後の教室
黒板にチョークでかき散らした
わたしのアドレッセンス
季節をめくれなくなったんだ
青にこがれるだけの青
ずっと春のまま
2023年3月26日
「さくらのいま」
桜の今は花な
#詩 2023年3月④
「一歩」
その一歩が踏みだせなくて
助走はいつも急ブレーキのステップ
見えない壁と崖におびえる日々
だから抜き足 差し足 忍び足
恐怖にバレないようにすり足で
半歩にも満たない一ミリの歩み
いつか一歩になると信じて
そしたら
誰かの一歩の尊さを、その勇気を
感じることができるかもしれない
2023年3月19日
「なんとなく」
どこへ向かっているの?
筋トレをは
#詩 2023年3月③
「春にしかられる」
あなたが薄着で楽しそうだから
わたしもつい真似して脱いでいく
部屋のカーテンも窓も扉も開放して
重たいものはクローゼットに隠して
あなたのコーデは終わっていなくて
わたしはもうすっかりだらしなくて
そんなんじゃ風邪ひくよって
精一杯の冷たさで温めてくれたんだ
2023年3月12日
「このままで」
いたみなんてなかったから
気づかないままでいたんだ
#詩 2023年3月②
「記憶」
幼い日のメロン味した麻酔の記憶
うすらまなこに映ったあなたの姿
泣きじゃくってまるで祈るように
手を握りしめてくれていたね
生きることはふれることだと
あなたが教えてくれたんだ
自分で自分を抱きしめても
私には全然届かないから
人にふれて、ふれられて
ようやく私になっていくんだね
2023年3月5月
「私は知っている」
私は知っている
あなたの愛が終わってしまったことを
#詩 2023年3月①
「マフラーを巻く」
マフラーを巻いてあげる姿を
見るのが好きだ
前からでも後ろからでも
うまくできなくて
焦りながら
じっとしていなくて
文句を言いながら
ふるえてる?
心配しながら
それは誰かを想っているんだ
寒くならないでっていう祈りなんだ
目に焼きつけておく
しばらくお別れだから
またねって
2023年3月1日
「つぎはぎだらけのミックスジュース
#詩 2023年2月④
「爪をとぐ」
わたしは爪をといでいく
あなたの肌を傷つけたくないから
ぎゅっと手を握りしめていたいから
わたしは爪をといでいく
すべて指先から始まっていくから
丁寧に生きていくと決めたから
わたしは爪をといでいく
誰かの心に刺さるようにと
けれど刺さらないようにと
かどは削っておいたから
2023年2月19日
「永遠ダイアリー刹那的」
永遠ダイアリー刹那的
日記なんて読んで
#詩 2023年2月②
「同調圧力」
誰も動かない動こうとしない
いつもせっかちなおじいちゃんも
ペダルに足をかけた若者たちも
信号が赤から青に変わっても
すぐに点滅を開始しようとも
サイレンの音よりもていねいに
救急車が徐行で抜ける交差点
本当の所なんてわからない
こんな同調圧力なら悪くない
あたりまえを見送った
2023年2月5日
「夜にしか読めない文字」
今日、あなたはひとつ太陽を作った
昼の
#詩 2023年2月①
「あなたは今こそ美しい」
誰より華やかだったあなたは
花は散り 葉は落ち
枝は枯れ 幹は痩せ細る
失ったものはなんだ
虚飾とへつらいだけだとしたら
抜き身のあなたがそこにいる
年月は残酷か
今をさかりと咲き誇る
あなたは今こそ美しい
沈みたくも昇りたくもないと
地平線にとどまり続ける
あなたの輝きに魅せられながら
2023月2月1日
「内臓たちのチルアウト」
#詩 2023年1月④
「しにふれる」
ねむれない夜
今日を終わらせたくなくて
何もなせなかったと
後悔ばかりを募らせて
まばたきの数だけ
傷は増えていくというのなら
悪夢と対峙する勇気を
まぶたの裏にそっと閉じこめて
わたしはしにふれる
目をあける
生きているという不思議
朝でも昼でも真夜中でも
おはようとありがとう
2023年1月22日
「ともしび」
もし生まれ代わっても
私にだけは戻りたくないと
#詩 2023年1月③
「分解と再生」
カラダは食べたものでできている
分解と再生を繰り返す動的平衡
生命が感情で彩られているなら
ココロは感じたことでできている
かなしみだけでも喜びだけでも
きっとよどんでしまうから
色んなものを食べていくんだ
不要なものなんてなかった
無駄なものなんてなにひとつなかった
2023年1月15日
「はじめて虹をみた日のこと」
橋という存在が生まれる前から
虹は空とわたし
#詩 2023年1月②
「太陽系の外へも」
どれだけ手を伸ばしても君の手は
海にも月にも届かないかもしれない
だけど手と手を取り合えば
太陽系の外へもいけるから
いまはまだ手ごたえがなくても
手さぐりで精一杯伸ばしてみる
隣にいる誰かに届くかもしれない
隣にいる誰かの傷をふさぐことが
できるかもしれない
2023年1月8日
「ゾンビのぬくもり」
まるで死体が動いているみたいだ
あなたは繋い