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2021年10月の記事一覧
【66日目】 日本に帰りたい
ご隠居からのメール:【日本に帰りたい】
絢子さんが溺れた海の件、鎌倉ではなく、須磨か舞子だったかもしれない。書簡には記載はない。舞子には伊丹さんの家がある。
貴美子さんのストレスは想像にあまりあるが、素さん、はるさんのストレスをなんとか慰めようとしている。今でいう癒やし系の人だが、肝心の癒やし系の人まで死んでしまって、素さん、はるさんの嘆きは拡大される。悲運の一家を支えたのは京大理学部を優秀な
【64日目】幸せな新婚生活
ご隠居からのメール:【幸せな新婚生活】
「本当にきれいなお嫁様」と書簡007には書かれているが、そういえば、昭和二十年か二十一年、食糧難の頃、和服姿の喜久子さんが、突然、高瀬の田舎に現れたことがある。小学校からの下校途上で、「お嫁さんが来た」と友達がさわいでいた。その「お嫁さん」から声をかけられたので恥ずかしかったのを覚えている。
伊丹さんの御両親とは一度、お逢いしたことがある。昭和十四年に帰
■【より道‐21】英霊の記録
浦安の実家に帰ったときに「戸籍謄本」や「お祖母ちゃんの手紙」「井出ノ谷の登記簿」など新たな資料を受け継いだが実はもう一つ資料をもらっていた。それは、父とのメールのやり取りにもあったが、見田守登さんの資料。
この写真をみた瞬間、脳裏に残っている顔が呼び起されて夜眠れなくなってしまった。見田守登さんは、自分の曾祖母の弟さんなので、もちろん自分は会ったことがない。それでも、どこか見覚えのある顔なのだ。
【61日目】ネバーエンディングストーリー
ご隠居からのメール:【ネバーエンディングストーリー】
「息子へ紡ぐ物語り」ーーいいね。ひ孫が貴美子おばあさんの手紙を読んでどう思うだろう。もっとも、若くして死んだから、おばあさんというイメージはない。28歳で死んだほうが、百二歳で死ぬよりもイメージ的にはトクかな。
ネバーエンディングストーリーを楽しみながら紡ぐことのできる人間は幸せだと思う。この世の中、カネがないと不自由するが、生きる糧はカ