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記事一覧
【365日目】エンディングーー終点は浅草
ご隠居からのメール:【エンディングーー終点は浅草】
私は「終わりよければすべてよし」というタイトルの随筆で永井荷風の日記『断腸亭日乗』を紹介したことがある。勝手ながら、この「息子へ紡ぐ物語」のエンディングとなるべき終点にも浅草を選び、「終わりよければすべてよし」にしたいと思う。
「息子へ続く物語」は突然死した従弟の葬式を息子が手伝ってくれたことから、それまで父方と母方の親戚や先祖についてほとん
【364日目】伝蔵さんからのおくりもの
「今回の伝蔵さんが残した言葉は『息子へ紡ぐ物語』のいや、ファミリーヒストリーの真意なんじゃないかな」と、物語作者のLittle Vaaaderはコメントしている。その意見を採用して、現代語訳「でんぞうさんからのことばのおくりもの」を【364日目】に再掲することにしよう。
伝蔵さんの言葉をかみくだいた現代語訳、よくわかると息子が言ってくれたのは心強いが、気がかりなのは、中学生の孫息子や小学生の孫娘
【363日目】:死ぬことの意味
ご隠居からのメール:【死ぬことの意味】
生きることに意味があるとすれば、死ぬことにも意味があるはずだ。心理学者フランクルは、発想を180度転回させて、自分の人生の意味について考えるのではなく、他人が人生の意味を考えるのを助けることに自分の人生の意味があると考えた。そのリクツを応用させてもらえば、他人が死の意味を考えるのを助けることに自分が死ぬ意味がある。
たとえば、「仏さまは人をいちばんよい時
【362日目】:まん延防止等重点措置全面解除
ご隠居からのメール:【まん延防止等重点措置全面解除】
2021年2月13日、非常事態宣言に代わって、新設適用された「まん延防止等重点措置」が本日をもって全面解除された。では、コロナウイルスのまん延が防止され、パンデミックの世界的流行が終息したのかというと、そんなことはない。
チマタではコロナ感染拡大第七波襲来のリスクがささやかれている。それもそのはずで、感染者数、死者数ともにそれほど大きな減少
【361日目】:病むことの意味
ご隠居からのメール:【病むことの意味】
病むことにも意味があるとすれば、それはどんな意味だろうか。病むという体験をしてよかったという意味かもしれない。
我が八十三年の生涯をふりかえると、風邪、結核、脳梗塞、肺炎という四種類の病気を罹患した記憶が残っているが、いずれの場合も、無事恢復している。恢復していなければ、こうして生きながらえて、駄文を書き散らすこともない。そう考えると、病むことの意味には
【360日目】:老いることの意味
ご隠居からのメール:【老いることの意味】
老いるとはどういうことか。開けてびっくり玉手箱、太郎は白髪のおじいさん、という悲哀をかみしめることか。いや、白髪は一本も残っていないぞ。歯もみんな抜けてしまった。目は一寸先も見えない。そのうえ、足腰はめっきり衰え、味覚嗅覚障害に悩まされ、認知症が進行中の老いさらばえた身体ーーこの状態で生きていくことに何の意味があるのか。
それでも意味はあるのだと、フラ
【359日目】:生きることの意味
ご隠居からのメール:【生きることの意味】
入院中はヒマがたっぷりあり、養老孟司『バカの壁』を二度にわたって読む機会に恵まれた。これもコロナのおかげである。
世の中には、「話せばわかる」と思っている人がいる人が多いが、それはウソか、幻想であると、養老先生はいう。人間同士がお互いに理解したいと思っても、口先だけのことばで理解しあうのは不可能に近く、たいていの人間は話してもわからない。そのうち、テロ
【358日目】:健康経過観察(三回目)
ご隠居からのメール:【健康経過観察(三回目)】
順天堂大学付属浦安病院で三回目の健康経過観察を受けた。間質性肺炎の炎症はほとんど消えており、新しくできた炎症は一切見られないので、ほぼ完治したみてよいと医師はいう。これにて一件落着である。めでたし、めでたし。
ただし、緩下剤として酸化マグネシウム錠とピムロ顆粒一か月分の処方箋を渡された。一か月後からは市中のかかりつけクリニックから処方箋をもらって
【355日目】ナムアミダブツかアーメンか
ご隠居からのメール:【ナムアミダブツかアーメンか】
人間は罪深い存在である。常日頃は勇ましい言動をしていても、死の淵に直面すると、気が弱くなり、神仏に頼りたくなる。死に瀕したときに、どんなホンネをもらすかを含めて総合的に判断しなければならない。たとえば、正宗白鳥がアーメンととなえ、佐藤紅禄がナムアミダブツととなえて、あの世に逝ったのがその例だ。人間の本質は常日頃のタテマエの言動だけで判断すると真