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”逆さまつ毛”は作戦会議の合図。

右目の調子が悪い。
何かが引っかかてるような
違和感がある。

眼下に行って調べてもらったら
”逆さまつ毛”というものだった。

下のまつ毛が
なぜか眼球の方に向いてしまい、
眼球に当たって、違和感を感じるのだと。

確かに2,3本のまつ毛をピッピッと
抜いてもらったら、すぐスッキリした。

前回もこういうことがあったので
逆さまつ毛の原因について
帰宅後、ネットで調べてみた。

逆さまつ毛の原因は
「加齢」と書いてある。

出た。
「加齢」の2文字。

最近、身体の変化について調べると
だいたいこの2文字に出会う。

後天的な逆さまつ毛の場合、
皮膚の”たるみ”や“弛緩”によるものが
ほとんどらしい。

人生も折り返し地点に立つと、
思いもしない体調の変化や不調に見舞われる。
年をとったら、まつ毛が反対を向くなんて
誰も教えてくれなかったぜ。
これが「老い」というものか。

と、少しばかり
悲しい気持ちになった。

話は変わって、先日息子が中耳炎になった。
左耳が水が入ったようにボーっとして
聞こえづらいらしい。

「あー、もう!!!イライラするぅっ!
左耳マジでとっちゃいたい!」

イラ立った息子が叫ぶ。
私は咄嗟にこう言った。

「左耳はさ、今ピンチなんだよ。
『とっちゃいたい』なんて言われたら
悲しいんじゃない?
右耳がひとりで頑張ってるんだから
応援しようよ」。

息子に言ってから、気づいた。

子どもの身体に対しては、
こんなにも優しい聖母で在れるのに、
なぜ自分の身体の”老い”に対しては
優しく在れないのか。

自分の身体に対してこそ、
すべてを受け入れる聖母で在りたい。

聖母だったら

”これまでの働き、ほんとうにご苦労。
まつ毛たちよ、安心して反り返りなさい。
眼科なぞ恐れるに足りん”

と言うだろう。

「加齢」による小さな身体の変化や
最近、私を悩ませる
いわゆる「更年期障害」というものは

自分の身体を顧みる時間だ。

これまで頑張ってきた自分の身体に
感謝と労わりの言葉を述べる時間を
創ってくれている。

人生の後半戦を
これから繰り広げるにあたり、
これはとてもとても重要な作戦会議だ。

夜、息子がお布団に入るとき

「僕の左耳、ゆっくり休んでね」

と言ってるのが聞こえてきて、
聖母はとても嬉しくなった。


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