白土

イェース。よろしくお願いします。

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記事一覧

左手の戯れを赦す

■毎日“これについて書く”という連載テーマが決まっていれば、毎度毎度「今日は何を書こうか」と考えることもないのかなと思いつつ、では実際のところ今日は何を書こうか…

白土
22時間前
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一本道の迷宮

■例えばここに「今日は特に書くこともない」と書いてみたとして、ではそのあと特に書くこともないのでそこで文章が終わるのかというと決してそんなことはなく、毎日1000文…

白土
1日前
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瓦版に野次

■月末に控えた引越しに備えて、着実に部屋の片付けが進んでいる。今回の引越しでは、かなり多くのもの、これまで僕の人生に必須だと思われてきたものやかつての商売道具な…

白土
2日前
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頭上の抱き枕

■よーし、書いていこう。ただいま夜の0時19分。回ってしまっています。酒も回ってしまっています。今週は、もしかしたら毎日飲んでるんじゃないかな?あまり肝臓に良い…

白土
3日前
2

知覚の扉は顔認証

■なんだか頭が痛い。仕事上がりに妻と合流し外で簡単に夕飯を済ませてから、家に帰りK-popのオーディション番組の最新話を見て、そのまま流れでabemaの価値観恋愛番組みた…

白土
4日前
3

雨風海に近し

■いよいよ僕は認めざるを得ないのだが、素面で文章を書いている時よりも酔っ払って文章を書いている時の方が明らかに文字の滑(すべ)りが滑(なめ)らかだ。一昨日の文章…

白土
5日前
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空模様の深みに置く記憶

■文章は書き出しが大事だ。書き出しは飛行機の離陸に似ている。うまく離陸できなければ、そのフライトは失敗だ。強力なエンジンがあれば短い滑走路でも離陸できるかもしれ…

白土
6日前
4

寝返りを積み重ねる

うーん。とは言ってもね。こんなに酔っ払ってしまったら、もう何を書くとかどうとかこうとか、全然どうでもいいでしょう。え?酔っ払っているのかって?その質問に答えると…

白土
7日前
10

酒と泪と男の背後のアスワンツェツェ蠅

■こうして文章を書く生活を続けていると、長編小説を書ける人というのは本当にすごいなと思う。僕など、こんなたかだか1000文字少しの文章を書いているだけで文章中の主張…

白土
8日前
3

齧り付いた林檎に落ちている陰

■基本的にこの文章は、何か書くようなことがあった日には日記的な使われ方をすることが多い。「今日は」から書き出すような場合だ。だから今日は、敢えて日記的な使い方は…

白土
9日前
1

鳥は羽叩きを憶え

■今日は妻の誕生日だったので、祝ってきた。  妻とは、まだ結婚して1年半経たないくらいで、付き合ってからもまだ3年経ってない。知り合ってからだとちょうど3年経つ…

白土
10日前
3

赤子を抱く女

■今日はなんだか書きたいことがそこそこあってどれから書こうかなというか、どれだけ書けるかなというか、なんだかそんな気分だ。本当はいつもこうなのかもしれない。ただ…

白土
11日前
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初穂の実りの最中の揺らぎ

■とてもじゃないけど文章を書くなんて気分になれないという日もある。今日がそれだ。でも、書くのだ。こういう時じゃないと出てこない言葉があるかもしれないから。  僕…

白土
12日前
1

嘘か真か大雨か

■今日は天気が悪い。とても眠い。首もなぜか凝っている。左肩も痛む。さっきはものすごい勢いで雨が降っていた。特に書くことはない、気がしている。でも実際はあるんだと…

白土
2週間前

動詞を一つだけあげる

■とかいって、毒抜きに一本書いたら意外と適当にカタカタ書けるんじゃないのか?という気がしてきた。完全に気のせいかもしれないが。とにかく、何について書くみたいなこ…

白土
2週間前

超音波で見る聞く触れる

■今日は久しぶりに仕事だった。今の職場は朝の8時15分に始まり、昼休憩を挟んで16時30分に定時を迎える。そこで上がるもよし、15分休憩を挟んで残業をするも(名…

白土
2週間前
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左手の戯れを赦す

左手の戯れを赦す

■毎日“これについて書く”という連載テーマが決まっていれば、毎度毎度「今日は何を書こうか」と考えることもないのかなと思いつつ、では実際のところ今日は何を書こうかと考えているのかというと別にそういうわけでもないなと思う。どちらかといえば、どうするか考えるのをやめた時何が残るかを見ているという方が近い気がする。そもそもこの手の話題を挙げるのは本当に何回目なんだよという感じだが、毎回毎回書かれることは違

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一本道の迷宮

一本道の迷宮

■例えばここに「今日は特に書くこともない」と書いてみたとして、ではそのあと特に書くこともないのでそこで文章が終わるのかというと決してそんなことはなく、毎日1000文字は書くと決めている以上書くことがあろうがなかろうが絶対に1000文字は書くのであって、そこに書くことがあるとかないとかいう条件が口を差し挟む余地はないのである。だいたい、書くことがあるかないかというのは自分の中で書く・書かないの判断ラ

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瓦版に野次

瓦版に野次

■月末に控えた引越しに備えて、着実に部屋の片付けが進んでいる。今回の引越しでは、かなり多くのもの、これまで僕の人生に必須だと思われてきたものやかつての商売道具など、相当部分を片付けるつもりだ。とは言っても、さすがに捨てるのが難しいなというものは、一旦実家に置かせてもらうが、とにかく手元から離れたところに置いておくことにした。

 大学を出てから十年ほど経つが、これまではずっと音楽というところをメ

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頭上の抱き枕

頭上の抱き枕

■よーし、書いていこう。ただいま夜の0時19分。回ってしまっています。酒も回ってしまっています。今週は、もしかしたら毎日飲んでるんじゃないかな?あまり肝臓に良いとは言えない。でもその分水分もたくさん飲んでるし、肌のツヤもいいから問題ないだろう。酒は百薬の長とも言うしね。要するに、人によるし時期による、飲み方による、ということだ。

 最近はあまり、文章で何を書こうかと悩んでモニターの前で止まって

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知覚の扉は顔認証

知覚の扉は顔認証

■なんだか頭が痛い。仕事上がりに妻と合流し外で簡単に夕飯を済ませてから、家に帰りK-popのオーディション番組の最新話を見て、そのまま流れでabemaの価値観恋愛番組みたいなやつを5話か6話か、全部見終わって起き上がってみたら頭痛である。特に熱が高いわけでもないのだが、なんだか風邪でも引いたかのような体調だ。プロジェクターで天井に映して横になりながら見ていたからだろうか。血流が偏ってしまっているの

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雨風海に近し

雨風海に近し

■いよいよ僕は認めざるを得ないのだが、素面で文章を書いている時よりも酔っ払って文章を書いている時の方が明らかに文字の滑(すべ)りが滑(なめ)らかだ。一昨日の文章と昨日の文章とを見比べてみれば、その差は明らかだ。だいたい僕は昔からそうだった。ゲーム“SEKIRO”を初めてやった時、僕は酔っていた。そしてその酔っ払った僕のあまりに無駄のないゲームプレイに、隣で見ていた友人は驚愕した。そして後日、いざ素

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空模様の深みに置く記憶

空模様の深みに置く記憶

■文章は書き出しが大事だ。書き出しは飛行機の離陸に似ている。うまく離陸できなければ、そのフライトは失敗だ。強力なエンジンがあれば短い滑走路でも離陸できるかもしれないが、そうそう毎日、これは、というネタに出会えるわけでもない。であるならば、やはり自分の中でそれなりの長さの滑走路を引くということが必要になってくる。ではその滑走路とは具体的に何のことを指すのか。

 人によって様々な答えがあるだろうと

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寝返りを積み重ねる

寝返りを積み重ねる

うーん。とは言ってもね。こんなに酔っ払ってしまったら、もう何を書くとかどうとかこうとか、全然どうでもいいでしょう。え?酔っ払っているのかって?その質問に答えるとするならば、私はこういうでしょう。「はい。私は酔っ払っています」と。と言っても、だったらなんだというのですか?酔っ払って文章を書いてはいけないとでもいうんですか?世界に名だたる文豪たちが、酒に酔った状態で一切文章を書かなかったと、誰が証明で

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酒と泪と男の背後のアスワンツェツェ蠅

酒と泪と男の背後のアスワンツェツェ蠅

■こうして文章を書く生活を続けていると、長編小説を書ける人というのは本当にすごいなと思う。僕など、こんなたかだか1000文字少しの文章を書いているだけで文章中の主張の整合性が取れなくなったりするのに、それが例えば300ページの小説などということになれば、一体どんなことになってしまうだろうか。実際書いてみないとわからないこともたくさんあるだろうし、案外書けてしまったりもするかもしれない。これも少し、

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齧り付いた林檎に落ちている陰

齧り付いた林檎に落ちている陰

■基本的にこの文章は、何か書くようなことがあった日には日記的な使われ方をすることが多い。「今日は」から書き出すような場合だ。だから今日は、敢えて日記的な使い方はせずにやってみたいと思い、「今日は」からの書き出しを避けてみた。これまでにも「今日は」ではない言葉から始める文章を何度も書いているが、今日は「今日は」を最初に使わないという目的に従ってそうなっている初めての文章だ。

 日記的な文章は何を

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鳥は羽叩きを憶え

鳥は羽叩きを憶え

■今日は妻の誕生日だったので、祝ってきた。

 妻とは、まだ結婚して1年半経たないくらいで、付き合ってからもまだ3年経ってない。知り合ってからだとちょうど3年経つくらいだろうか。当時自分が働いていたレストランに大学時代の同期がたまたま食べにきて、その時一緒にいたのが今の妻だ。その日、なんとなく2年ぶりくらいにFacebookを見ていたら件の同期が数年ぶりに何かをポストしていたようだったので、久々に

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赤子を抱く女

赤子を抱く女

■今日はなんだか書きたいことがそこそこあってどれから書こうかなというか、どれだけ書けるかなというか、なんだかそんな気分だ。本当はいつもこうなのかもしれない。ただ細かいことが多すぎて、何を書けばいいのかわからなくなっているという、それだけのことなのかもしれない。逆にいえば今日は、何を書くべきか迷わないくらいの大きさの出来事があったということなのかもしれない。

 今日は、会社は有給を取って休み、午

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初穂の実りの最中の揺らぎ

初穂の実りの最中の揺らぎ

■とてもじゃないけど文章を書くなんて気分になれないという日もある。今日がそれだ。でも、書くのだ。こういう時じゃないと出てこない言葉があるかもしれないから。

 僕はこれまでこうして文章を書いてきて、結構な頻度で「書くことがない」と書くことで書くことを捏造してきた。だがしかしそれは書くことがないのではなく実際は「まだ書くことを思いついていないだけ」なのであって、書くことをまだ思いついていないとしても

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嘘か真か大雨か

嘘か真か大雨か

■今日は天気が悪い。とても眠い。首もなぜか凝っている。左肩も痛む。さっきはものすごい勢いで雨が降っていた。特に書くことはない、気がしている。でも実際はあるんだと思う。それを今から聞き出す。産婆術的な意味で。

 僕は大学で哲学を専攻した。僕が通った哲学科では最初の一年で、哲学入門と古代哲学史、2年目で中世哲学史と近世哲学史を取る。そして3、4年で自分の専門分野を思想・倫理・美学のうちから一つ選択し

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動詞を一つだけあげる

動詞を一つだけあげる

■とかいって、毒抜きに一本書いたら意外と適当にカタカタ書けるんじゃないのか?という気がしてきた。完全に気のせいかもしれないが。とにかく、何について書くみたいなことが本当に僕は苦手だ。テーマを設定するというか、段取りができてないと思う。文章を書く上での段取りって何?全体の構成なんか考えながら書いても何も面白くないだろう。卒業論文書いた時は、そりゃもちろん最終的には構成などあれこれ変えながら書いたが、

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超音波で見る聞く触れる

超音波で見る聞く触れる

■今日は久しぶりに仕事だった。今の職場は朝の8時15分に始まり、昼休憩を挟んで16時30分に定時を迎える。そこで上がるもよし、15分休憩を挟んで残業をするも(名目上は)自由だ。今の職場は僕にとっては左手の訓練場であり、お金をもらいながら筋トレをしたり手先の器用さを鍛えたりするための場所だ。僕は今の職場で、自分の体を作り直した。7年強に渡るフリーター生活は僕の体にそれなりのダメージを与えていたと思う

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