【SLAM DUNK GI】41話「栄光と挫折 もう1つのモチベーション」
三井寿、CBAリーグ5年目、CBAカップ決勝戦進出。
初タイトルへ王手をかける。
「地味な対戦なんか関係ねえ。俺達は勝つだけだ。」三井
試合開始早々、三井のスリーポイントが決まる。
「いい感じだ。」三井
レベル差のないチーム同士の決勝戦は拮抗した。
ちょっとの差をつけたのは川部製作所のメンタルだっ
た。
三井の活躍もあり、
川部製作所はCBAカップ優勝でシーズンを終えた。
「安西先生! 俺、来シーズンは得点王も狙っていきたいです。いや、やってやる!」三井
「ほっほっ いい目をしてますね。 期待してますよ。 ほっほっ」安西
三井寿、24歳シーズン、勝負の年が開幕した。
開幕戦、三井を待っていたのは、悪夢だった。
三井得意のストップ&シュートの際に古傷の膝が悲鳴をあげた。
三井は崩れ落ち立てず、タンカでコートを後にした。三井は顔をぬぐいながら
「いてー くそ なんで いまごろ、、、、、。なんで いつも これからって時に ちくしょう、、。」
翌日のニュースには三井の文字が並んだ。
「三井寿 今シーズン絶望!! 古傷が再発!!」
「三井寿 外側半月板損傷 全治6カ月か!?」
「三井寿 手術!? 復帰の道のりは!?」
高校1年時に悲鳴をあげた左膝。
復帰を急いだ三井は無理をして再発。そしてバスケから離れ、不良となり空白の2年を過ごした。
その経験は自身が一番理解していた。入院中のベッドで様々なことが脳裏にうかんできた。
「高校の時の二の舞だけはできねえ。焦るな、、、。今シーズンはあきらめたほうがいいかな?いやあきらめたら、、、、、、。」
「それより復帰できるのか?そもそも以前のようなプレーができるのか?アスリートにとって膝の負傷は致命傷だ、、、。引退、、、?」
入院中、安西が見舞いに訪ねてきた。
「安西先生。ご足労をかけましてすみません。」三井
「いやいや。気にしなくていいですよ。どうですか?調子は?」安西
「いや、正直わからないです。でもいろんなことが浮かんできて、、、」三井
三井は胸中を安西に明かし、答えが出せないまま、時は過ぎた。
答えを出すなんてこの段階では到底無理なことは明白だ。
それより安西とこうして過ごす時間をかみしめていた。
「三井君。君はあの2年間を無駄だったと後悔している。しかし人生に無駄なことなんてないと私は考えている。」
「今があの2年間の経験を無駄にせず活かす時がきたのかもしれないね。」安西
「あの2年間の経験、、、。(暴力)、、?」三井
「あの時何がいけなかったのか?」安西
「復帰を急いだこと、、、、。」三井
「再発して俺は腐った、、、、自分に負けた、、、」三井
「自分に負けた。 そう。
負けたということに今の君なら負けないはずだ。」安西
負けたということに負けないこと。
三井はこの言葉を考えていた。
「あの2年間も今回の怪我も乗り越えた先の世界を見たくはないかい?」
「どんな結果になったとしてもその先の世界を見られるのは、三井寿にしか見られない光景なんだ。」
「きっと笑って話せる日が来る。私にも聞かせて下さいね。ほっほっ」安西
「俺にしか見られない世界を伝える、、、?」三井
「うん。誰でもいいんだ。同僚でも後輩でも仲間でも観客でも、きっと周りの心を動かし、三井君自身も強くなれるはずだ。」安西
安西の言葉は身に染みた。
三井はどうしたら選手としてレベルアップできるか、どうしたらチームが強くなるのか?
思えば高校を卒業してからはこんなことを考えていたが、
三井寿にしか見られない光景とはどんな光景なのか?
もう一つモチベーションになるものを見つけた気がした。
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