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ツキノエッセイ

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なにげない日常だったり、ふらりと立ち寄った過去や、ふと思い出した記憶を拾い集めて、言葉の花束にしてみたい。 切り取ったシーンをそのままに ノンフィクションを始めてみる。 人生…
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#毎日note

エッセイ|夢のアンソロジー

エッセイ|夢のアンソロジー

窓を開けると、蝉の声もずいぶん遠くなっていて、今朝の風は次の季節の匂いをほんのりと乗せていた。

深く深くゆっくりと息を吸って、長く長くゆっくりと息を吐く。

ふだん無意識にやっていることをしっかりと味わうように繰り返してみる。

目を閉じ、風を感じながら。

一日のうち一回はこうゆう時間を取るようにしたい。たった三分でいい。呼吸を意識することは、今ここに在る自分を感じることだから。

ふわあああ

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魂のかたわれ

魂のかたわれ

窓を開けると、一気にもわりとした残暑の空気が流れ込む。湿度をたっぷりと含んでいてしっとりと身体に張りついてくる。

目をつぶってゆっくりと息を吸い込んだ。
忙しい日々に追われるとすぐに呼吸が浅くなってしまう。

時間の通り過ぎる早さに時々眩暈がした。

あの人と会えなくなってから、もう二年という月日が過ぎようとしている。

どうやら今日は午後から雨になるらしい。
空は、薄い青と灰色のグラデーション

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泣けないわたし

泣けないわたし

湿った薄灰色の空のにおい

ちょっとだけ強気な風が通りすぎる

午後はものすごーく、眠くて
ほんの少しだけうとうとした。。

色のない夢を見た

内容はあまり覚えてないけど、
小さなわたしが泣いている夢だった

わたしは、昔から
泣いちゃいけない。って思っていて
気づいたら、
泣くことができない人間になってた

嬉しくても
悲しくても
痛くても
怖くても

人前では絶対に泣かなかった

我慢強い子

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