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エッセイ

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日々思うことをあれこれと
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2023年8月の記事一覧

欲しいのはあなた

あなたが私の全てだと歌う曲がある。欠損を前提に組み込まれるプログラムは好ましくないのと同様に、強すぎる思いを私はあまり受け入れられない。

心配しなくても、今はそんなことを言われる相手はいないし、それはこれからもそうなのだとは思うが、とはいえ全てを委ねられたり、委ねるよりは、緩やかに大切に思い合う時間があり、円と縁が重なり合う領域で時間をシェアできるくらいの関係性の方が好きだ。

想いの強さは強弱

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流星が落ちるまでは

世界が終わるまで、一緒に居たい人と、離れずにいられることなんて簡単なことでは無い。そんな文句の歌のようにことは運びはしない。

例えば手首を紐で括って、入水したとしても希望通りに2人共が末期を迎えられるとは限らないし、死亡確認のタイミングがずれたり、解明される時間にラグがうまれたら、それは世界の終わりを同時に迎えることにはならないのではないだろうか。

ひとりで生きていくのが怖いから、誰かといるこ

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ミイラになるまでは必要なし

食事制限なんて大袈裟なものではないが、油物をできるだけ食べない生活を送っている。友人と出掛けて外食をする際には無理には避けないが、自炊やら惣菜を買ってくる際に、大好きだったコロッケも買わなくなってしまった。

人体には油分が必要だし、摂取カロリーと基礎代謝+消費カロリーのバランスが取れていれば体重は落ちるのだけれど、1番好きなものを我慢することで大願成就を願うと言う想いがある。

幸いにも自分はト

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鳥は左右の翼がなければ飛べない

ウクライナとロシアの戦争から、さまざまな商品が値上げされ、特にガソリンの価格は上がり続けている中、政治にあまり興味がない人も、生活が苦しくなる中で政治に向き合わなければならないかなと考える人も増えたのではないか。

自分は棄民世代なので、国というか政治が主権であるはずの国民に対して何かしらの対策を逐次講じるとは思わないが、さりとてミサイルが近隣から飛んでくる中で、宗教のように9条があれば大丈夫とも

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僕の宗教にようこそ

タイトルは筋肉少女帯の曲名。

なにかしら事業をやるなら、日々の地獄を泳ぎつかれている人たちが呼吸をできるような場所を作りたいと思う。海の旅路の中継地みたいな場所。

既存の宗教は、素晴らしいものも多々あろうが、自分がこれまでの日々で見聞きした感じだと、どうしてもヒエラルキーであるとか、拡大していく過程での主導権争いであるようなものが見えてしまってな。

自分にとっては音楽と文章が支えで、だからこ

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貸さない日

サブスクが主流になったせいか、CDやビデオのレンタル店が凄い勢いで潰れているように思う。時代の流れだから、ある程度仕方ないのだが、大型スーパーの出店で地方の個人商店が淘汰されたような流れを繰り返すような気がして怖い。

Amazonをはじめとするネットショップや通販サイトの発達によるレコード店の縮小が起きていて、売る段階でそうなのだから、レンタル店はますますダメージが大きく、まして返却の手間がいら

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死なない音楽

ミュージシャンの訃報が多い年だ。毎日が誰かの誕生日で、毎日が誰かの命日だとしても、今年は偉大なミュージシャンが旅立たれるニュースが多すぎる気がする。

27CLUBが顕著だが、若くして亡くなったアーティストは神格化されやすく、その作品そのものの評価に一つ余計なものが追加されてしまいがち。

ある意味で仕方がないことなのだけれど、シンプルに胸躍らせ、魂の沸点を下げるような素敵な音楽がそれ単体で評価さ

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図書券のない世界で

姪の誕生日なので、プレゼントをあげようと思ったが、何がいいか全くわからんので、さんざ悩んだ挙句、図書券を送ろうと本屋に出掛けた。もう15歳になるので、最近の若い女子が何を喜ぶのか全く想像がつかないから、自分で選べるようにと思ったのだ。

あるいは、Amazonやら楽天やらネットショップで使えるカードの方が親切かとも思ったが、まだ中学生だから親から許可されていないようだし、そういうのは親を通した方が

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あなただけのものを

訃報を耳にして、それが自裁であったとの詳細を目にするたびに、今生を終えられた事と、安らかな眠りにつかれることを願わずにはいられない。

私は、【あなたが捨てようとしている今日は誰かが生きたかった明日だったのだ】という理論を悩んでいる人に押し付ける人間に憎しみに近い感情を抱いている。

本人がそう考えて1日を大切に生きていくことを否定はしないし、それは尊いことなのだろうが、生きていることに悩みしんど

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クリーチャークレーマー

お客様は神さまですという一節から、購買者でしかない客が過度なサービスを店員に求めるようになって久しいが、逆に店員側の接遇がおかしいケースも増えてきているように感じることが増えた。

最低賃金が底上げされるという話だが、群馬のコストコで時給1500円での募集というニュースに世間がざわつく現状で、フルタイムでその仕事をこなしても経済的な安定は遠いというのに、まるで贅沢なことのような扱いを受ける中ではモ

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盆の終わりと覆水の巻き戻し

お盆も最終日。輪廻転生や死後の世界が本当に存在するのかどうか私はわからないけれど、亡くなった人にもう1度なんらかの形で再開できるという概念は救いであると思う。

映画や小説のテーマでも、死者と再会する話は存在するし、オルフェウスやイザナギが妻に会うために異界に赴く話なんかはそのプロトタイプだったのかもしれない。

いつも夫が妻を亡くして会いにいく話が多いような気がするけれど、あれは男の方が妻を先に

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うちわタイムスリップ

思うところがあり、今宵は扇風機のみで暑い夜をやり過ごしているのだが、これとて扇風機のない時代に比べたら、かなり贅沢な過ごし方であることは間違いない。

扇風機のない時代には、おそらくはシャワーも今ほど融通の効くものではなかっただろうし、そもそも風呂を己で焚かねばならぬ時代は行水や水風呂に入ることによって厳しい夏を過ごしていたのであろう。川遊びとか。

もはやエアコンをガンガンつけ、それでもまだ暑さ

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ホリデードライバーズ

休日にしかハンドルを握らないドライバーが、盆休みということで大量に公道に解き放たれており、非常に普段とは違った緊張感で私もハンドルを握っている。

都会ではないので、おかしなほどの混雑はないが、それでもバイパス道路は普段とは違う混み方をしており、予想外の車線変更をする人にも出くわしている。

普段から休日は当たり前のように田舎でも混雑するし、休日にしか車に乗らないサンデードライバーと呼ばれる運転機

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ふれるタイミングは常に不安定

焼き魚を好きになったのはいつの頃か。幸いにも老いた中年期も肉が苦手だの油がもたれるなんてことはないのだけれど、若干パサパサするくらいの白身魚を塩焼きにしたものが今はとても好き。

刺身も食べられないではないし、昔はそれなりに購入していたが、くじらだの馬刺しだのを除けば生で食べたいとは思わなくなった。理由としては魚はアニサキスちゃんが怖いのと肉は食中毒。なったことがないからこそ恐怖は募る。

ただ、

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