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【最終回】TOZはサービスを終了します。~Z世代へ伝えたいこと~

お久しぶりです。TOZ運営の高山です。

タイトルにもある通り
「TOZ(トーズ)」は2023年4月をもって、
サービスを終了いたします。

これまでご参画いただいた皆様、
記事を見ていただいた皆様、
本当にありがとうございました。

最後を締めくくるこの記事では、
『これまでのTOZの想い』
『次世代へのメッセージ』
を書き記し、TOZの幕を閉じようと思います。

TOZの最後の時間に、
少しだけお付き合いいただけると嬉しいです。

TOZの想い

TOZは、2021年2月に「Slack」内のニュースメディア集約型次世代コミュニティとしてスタートしました。

「to+Z世代」つまり、今後の世界を創っていくZ世代へ向けて、自ら情報を集め、理解し、物事を考える力を育む場を育む場として、110名を超えるメンバーと活動をしてきました。


情報インプットの面では、世界各国・多分野のメディア情報を集約したプラットフォームとして機能し、一つの出来事に対し、様々なソースの視点の記事に触れられる機会を創出しました。

そして、月に数回実施する勉強会では、特定のトピックに対して、Z世代のメンバー同士が活発な議論を生む場を作り、学び合いを促進してきました。


いずれの活動においても、実現したいこと、想いは共通です。

情報量が爆発的に増えていき、人間の理解が追いつかなくなる時代に、情報を閉ざすことなく、むしろ自分で情報を収集し、解釈し、自分の判断軸で人生を歩む若者を生み出したい。

そんな世界の実現にTOZとして少なからず寄与してきた2年間でした。

これからもこの想いは私たちそれぞれの活動の片隅に生き続けます。
そして、いつの日か、まったく別ジャンルの活動と結びつき、スケールアップして帰ってきます。

そのときまで、時代の先端に食らいつきながら、しばしお待ちいただけますと幸いです。


AI時代のメディアの読み方

話は少し現実に戻り、2023年4月現在、
世の中は「GPT」であふれています。

TOZで扱ってきたメディアについても、
もはや記事が人が書いたものなのか、AIが書いたものなのか、
はたまた、本当に起きたことなのか、AIによる数秒のブレインストーミング上の出来事なのか、
全く区別がつかなくなってきました。

それが消費を楽しむエンタメであればどちらでも構いません。
ただ、政治や経済、科学など、
この世界にはまだまだ、物理的に私たちの生活と密接につながり、干渉してくる事象ばかりです。

そのような状況において、世界で一体何が起こっているのか、そして、その中で何が本当に起こっているのか、を知ることは人生において重要だと感じます。

一方、「本当に起こっていること」を判別することは非常に難しく、本当に起こっている確率が高いものを判別することが必要です。

その判別には以下2つのステップがあると想定しています。
①人間の及ばない自然界の判別
②個人の経験、感覚の判別

自然界の判別

私たちのもとに情報が届く前に行われる判別は、個人の視点から見ると、まさに自然界で起こることのように思えます。

一昔前であれば、Googleの設定したポリシーを軸にした判別や、Twitter、Facebookのレコメンドなどがわかりやすい例となります。

2023年の世の中では、従来より求められてきたAGI(汎用人工知能)に限りなく近い言語モデルのオープンソース化により世界が塗り替えられました。

この変化により、今まではGAFAMを代表するビッグテックという主語がかろうじて存在した判別に、もはや主語が消えてしまいました。

主体が分からない判別は、太陽の動きや季節の変化など、私たちが当たり前のこととして受け入れる自然現象ととても近い存在です。そして、この新しい自然を当たり前とした生態系が、世代が交代する年月を待たずに異例のスピードで私たちの前に現れます。


このような環境下で私たちに何かできるのでしょうか。

我々が提案したい一つの解は、
新しい自然の黎明期と言えるぎりぎりのこの時代に、少しでも自然の仕組みを理解しようと頭を使うことです。

ここで、消費の連鎖から一歩距離をおき、自分の頭でもがきながら新技術の仕組みについて考える時間を取るかどうかで、後に観える景色が全く異なると信じています。
その後は、日々進化する新しい自然へとそっと身をゆだねてみてはいかがでしょうか。


個人の経験、感覚による判別

AIによる判別がどれだけ高精度に行われても、私たちが触れることができる情報量はほとんど変わりません。

真偽がカオスな情報群であっても、情報が恣意的か、偶然か、判別されて届いた群れであっても、受け取る私たちからすると情報全体であることには変わりありません。

昔も今も、そして未来においても、自分が信じる情報は自分で判別する能力は、とても重要です。

そこで必要になるのが、経験感覚です。

できるだけ多くの情報をマニュアル操作で処理するには、一つ一つ考えて、調べて、としている時間はありません。

太古から人間が発達させてきた感覚、直感の出番です。

この感覚を磨くことが、より短時間で自分の人生選択を望む方向へと導くことへと繋がります。

感覚を磨くには、AI同様、学習データが必要になります。それが経験です。

どれほど多くの情報を収集し、時間をかけて真偽を調べ、ときには他者の全く異なると見解や価値観に触れる。

この積み重ねが、あなたのために必要な下地となります。


TOZが提供してきた機会も、まさにここになります。この場所があることの重要性を心から感じているからこそ、我々はより持続的な方法で再開するための準備をします。

まずは、私たちが目指す先、実現したい未来と、これから訪れる情報社会の展望との位置関係を感じていただければと思います。

Z世代へのメッセージ

最後に、これからの時代を生き、世界を創っていくZ世代に向けたメッセージを残し、TOZに幕を閉じようと思います。

「特別」なZ世代

まず「世代」は非常に重要です。人は70年を周期に戦争を思い出すように、時代の担い手が代わると、人は同じことを繰り返す傾向があります。

ただ、幸いなことに、現代に近づくにつれ、科学と計算機が発達し、環境の変化が遺伝を圧倒的に飛び越える程に変化しています。

この状況においては、人間、及び他の生物も含め、ダーウィン的な進化の範疇を超え、個の内部での進化をも可能にするほどの環境革命が起きています。

これまでの時代と比べて文字通り指数関数的に変化する時代、
そしてその時代をゼロ地点として生きる私たちZ世代は、
貴重な世代であると思っています。

「私たちは特別の世代!」ということは、
結局のところ、いつの世も語られてきたのかもしれません。
ただ、私が唯一過去にも未来にも増してこの世代が稀有であり、
本当に特別だと主張したい理由として、
「環境変化を人が実感できる最後の世代」
かもしれないという話をさせてください。

人は同じことを繰り返す、という言いましたが、
かつてであれば、環境の変化はある程度人の時間軸とそうずれないほど、
緩やかに進んでいました。

人の認識の及ばない自然災害などは、
自然ですので、そのものとして受け入れるか、
物語にかみ砕いて受け入れます。

現代に近づくに従い、自然現象の科学的理解と、
その応用としての発明により、徐々に人が認識する環境変化が加速していきました。

そして、この変化の軸にあるコンピューティングは、
まさに人の認識を越えるレベルまで自身で現実世界を変えていき、
この先の世界では、人工のものなのか、自然のものなのかという区別ができない状態となって、私たちの前に現れます。

そして、とうに人が理解する次元の話ではなくなっていき、
人工物ですら、かつての人知の及ばない自然現象になります。

これまでの話を少しまとめます。
環境変化に対して、人は認識の幅を広げることで追いつき、自らで次の環境を作っていきました。
そして、これからは、もはや環境変化の主体は人ではなくなり、
圧倒的なスピードで変わる変化に人はついていけず、
認識上は平穏な自然へと戻っていきます。

Z世代にしかできない「進化」

その分岐点にいる私たちZ世代は、
最も脳を使い、ツールを使い、手を動かし、
環境変化に喰らいつく必要があります。
そして、人類が今まで経験したことのないレベルの変化、
さらに、人としての進化すらも実現する可能性を秘めています。

その意味で、非常に刺激的で精神的に長生きな世代かもしれません。
ただ、それは喰らいついたときの話です。
諦めてしまえば、一足先に平穏な自然に暮らす原始人へと進むことになります。

Z世代の皆さんに提案です。
せっかく手にしたあなたの一度きりの人生を、
この環境変化へ喰らいつき、
今まで成し遂げられなかった進化を生み出すことに使ってみませんか。

老後は、自分の生み出した進化を額縁にでも入れて、
原始人として自然を楽しむのも良いかもしれませんね。


この記事を通し、抽象的な話となってしまい、申し訳ございません。
ただ、我々はZ世代が「何をすべきか」を説くことは必要ないと思っています。
今回の記事で、私たちの置かれている環境を認識し、
何かを始めるきっかけになっていただければ、
それほど嬉しいことはありません。

TOZ一同、自身もTOZの想いに恥じない活躍をしていきます。
最後の言葉とはなりますが、皆さんには感謝しかございません。


「今まで本当にありがとうございました。」


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