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事業再生

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事業再生に関する話題をまとめています。私が事業再生19年のキャリアで現場から学んだノウハウです。
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#ターンアラウンド

事業再生が必要な社長の『共感マップ』

事業再生が必要な社長の『共感マップ』

共感マップを作ったことはありますか?共感マップは、ターゲットの置かれている状況や感情を理解するための分析方法です。

ここでは『事業再生が必要な社長』と対象のペルソナを設定し、ペルソナの考えていることや、ペルソナの行動が分かるよう分析します。ペルソナのことを本気で考え、理解することが大切であり、そのために欠かせないのが共感マップです。

鳥倉は事業再生を仕事として17年が経過しました。70社を超え

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事業再生の専門家への報酬 支払い方・専門家のもらい方

事業再生の専門家への報酬 支払い方・専門家のもらい方

事業再生の仕事をしていますと「お金の無い会社から報酬をもらうのは難しくありませんか?」とご質問いただきます。

クライアントである相談者の方も「お金がなく、顧問料のお支払に自信がありません」と言われることもあります。

ご心配は様々ですが、鳥倉は事業再生のプロです。私に支払う報酬に困らせるような事は致しません。簡単に申し上げると、キャッシュフローを改善させ、私への報酬の支払に困らない資金の流れを作

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社内改革が失敗する理由

社内改革が失敗する理由

社内の問題は、誰よりも会社の中にいる人間が知っています。社長も知っているし、中間管理職も知っている、そして末端の従業員も知っています。

では、問題を社内にいる全員が知っているのになぜ改革しないのでしょうか?知っているのであれば、改革に成功しそうなものです。しかし、現実はそうなりません。なぜ社内改革は失敗するのか?について、ご説明します

1.社内改革の進め方多くの社内改革は社長の掛け声に始まりま

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過去の積み重ねの上に事業再生の成功はない

過去の積み重ねの上に事業再生の成功はない

過去の積み重ねの上に事業再生の成功はありません。過去をそのまま実行すれば破綻の道へ繋がっています。どう変えるのか?自社の強みから新しい要素を作ることが大切です。

注目すべきは、社内に芽はあっても埋もれているもの、顧客が示唆しているが自社戦略との整合性で採用されていないことです。それらを元にマーケティング戦略を再定義します。成功する事業再生には、マーケティング戦略の刷新が必ずつきものになります。

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社長の信認を得て事業再生を推進する

社長の信認を得て事業再生を推進する

あなたの改革は社長の信認を得ているのか?社長の信認を獲得してから事業再生に着手するのが大事です。入口で信頼関係を築けない案件は上手くいきません。時間をかけて信頼関係を構築しようと思った事もありましたが、事業再生は特にスピードが勝負です。後々となって入り口で信頼関係が構築できなかった案件が良くなる事はありませんでした。短期に信頼関係を築く挑戦を私はやめません。

認定事業再生士の仕事は、社長よりの信

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サービサー(債権回収会社)と事業再生

サービサー(債権回収会社)と事業再生

サービサーをよく知ろう事業再生において、金融機関への返済が難しくなると必ず登場してくるのがサービサーです。

3ヶ月以上の元利金の延滞が1つの目安となります。金融機関から「期限の利益喪失通知」が届き、差押可能な資産がある場合は「訴訟」へ移行しますが、無担保債権(不動産等の保全がない貸付)である場合などは、サービサーに債権譲渡し金融機関は損失を確定させます。(無税償却のため必要なプロセスです)

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リスケジュール中の投資について

リスケジュール中の投資について

リスケジュールの申し込みが意味すること事業再生が必要な会社は、リスケジュール(返済緩和)を申し込みます。1度リスケジュールを申し込むと、契約時に設定された期限の利益は前提とならず、当初の借入期限とは異なり、会社の状況に合わせて金融機関と協議しながら3ヶ月、6ヶ月、1年の期間、返済緩和を認めてもらい、期限の利益を設定する為の折衝を行う事となります。

いわば銀行管理の状態になるのです。リスケジュール

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「もうやれることはやった」と言った後に できる改善施策

「もうやれることはやった」と言った後に できる改善施策

「もうやれることはやった」

日々事業再生のご相談を社長としていると、
「もうやれることはやった」とみなさんおっしゃいます。

よく聞く対策は、
・外注費の内製化
・購買先の多様化
・在庫の圧縮、リードタイムの短縮
・見積合わせ入札の徹底
・宣伝広告の制限、見送り
・事務用品の購入制限
・コピー機単価の見直し
・携帯契約の見直し
・調達金利の引き下げ
・家賃引き下げ交渉
・オフィス面積の縮小、引越

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社長の役員報酬と家計を見直す

社長の役員報酬と家計を見直す

1.高額の役員報酬を設定するメリット

事業再生に取り組む社長は、ご自身の役員報酬をしっかりと見直しましょう。「税理士の先生に利益が出なくても役員報酬は取っておいた方が良い」とアドバイスされました。と、何年前にされたかわからない税理士の助言を守っている社長がいます。

確かに、役員報酬額が高いと、将来的には年金の受給額も多くなりますし、役員退職金の算定基準額も高くなります。

また、会社に現金が無

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最悪な時にこそ、たくさんの決断を求められる

最悪な時にこそ、たくさんの決断を求められる

1.事業再生の現場は“究極の選択”の連続
事業再生の現場というのは、“究極の選択”を求められます。究極の選択とは、“あちらを立てればこちらが立たない”・“本当は選びたくないけど、どうしても選べというのであれば選ぶしかない”そんな選択を求められるのが事業再生です。

社長の仕事は、「決断し責任を取ること」だと多くの人が語りますが、事業再生のタイミングでは、この仕事が色濃くなります。社長自身も十分にわ

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事業再生における家族会議

事業再生における家族会議

1.まず家族会議から経営改善に着手する!
事業再生に取り組む上で、まず最初におススメしたいのは『家族会議』です。

事業再生には、様々な方法論があります。多くの専門家がそれぞれの立場で、これから事業再生へ挑む社長に対して、それぞれベストだと信じる方法をおススメします。

私もコンサルタントとして、最善のソリューションをご提供したいと、常日頃よりスキーム立案を致しますが、社長にはそういったスキーム以

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事業再生はいつからレポートごっこになったのか?

事業再生はいつからレポートごっこになったのか?

1.経営危機だ専門家を雇おう!
あなたの会社に経営危機が訪れ、事業再生を志した時、事業再生に精通した専門家を雇うことをお勧めします。

事業再生は、法律、財務、経営に精通し、危機において経営改善を実行する事に手慣れている必要があります。事業再生時は資金繰り危機がセットであり、悩んでいる時間は無いのです。

多くの場合、短期決戦となり取組が奏功し、経過を管理することとなっても3年から5年もあれば良い

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リストラについて

リストラについて

1.なぜ、「リストラ」に注目すべきなのか

――「リストラ」というテーマについて、なぜいま注目すべきなのでしょうか?一番の理由としては、コロナ禍で業績が悪くなっている企業が多いという点ですね。

まずはそもそもどうやって業績を立て直すかという話なのですが、普通は売上や利益を上げて立て直すことに各企業は注力するかと思います。

ただコロナの最中ですと、素直にモノやサービスを買ってもらえるような状況で

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経営者のリアル

経営者のリアル

1.経営者と従業員の絶望的な差異

それは経営のリアルさがわかるかどうかです。リアルとは?なにか。それは資金繰りにヒリつく感覚を真に味わあったことがあるかです。

自分の会社を失うだけでなく、自分の生活の基盤を失う絶望感を感じるか?
かといっても過言ではありません。

経営側の
取締役になればわかるか?
家業を継げばわかるか?
いえ、わかりません。

連帯保証人となり、すべてを失いかねないリアルを

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