トーチズ散歩

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ノート

025『和歌山を歩く2』

025『和歌山を歩く2』

文:守屋佑一

日付が変わり7月6日。

友達から借りたたくさんのCDをお供にした道をひたすら走る。

目的地は和歌山。

熊野古道とパンダを見ること以外の目的はノープラン。

翌7日も大学の授業がないので8日までに帰ればいいことを考えると時間は膨大にある。

コンビニでお菓子やジュースを調達以外の休憩はほとんどなく、ひたすらに走り続けた。

夏の夜は短い。

いつしか

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024『和歌山を歩く1 プロローグ』

024『和歌山を歩く1 プロローグ』

文:守屋佑一

一人旅ってとっても格好良いと思うし、憧れるのだけれどそんなにしゅっちゅう旅に行けるわけじゃないし、やっぱり仲間といくのが楽しくて結局一人旅をする機会はほとんどない。
けれども、いつかは一人旅をしてみたい。

僕は昔、こんなことを考えていた。

今から7年前の大学4年製の初夏。学生生活最後の夏休みに友人たちと行う旅の予定をたくさん入れていた。

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023『北海道を歩くエピソード3-5 2013.6.30-3』

文:守屋佑一

50kmを過ぎても軽い足取り。北海道の空気。最高の気分。
そして55km地点に到着。ここにはあらかじめ荷物を置いておくことができるし、他のエイドよりフードも充実している。

僕もここでTシャツを着替えて栄養を体に取り込み、少しだけ休憩した。大丈夫。まだまだ時間も体も余裕。

準備をしっかりして臨んだこのマラソン。コースは頭に入っている。
ここからはしばらくけっこうなアップダウンが続

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022『北海道を歩く エピソード3-4 2013.6.30-2』

022『北海道を歩く エピソード3-4 2013.6.30-2』

文:守屋佑一

人は足で走るのではない。
気持ちで走るのだ。

僕はいつもこう思って走っている。特につらいレースほどこう思っている。

2013年。サロマウルトラマラソン。100kmを走るマラソン。

スタート時間の朝5時。6月の終わりとはいえ、北海道。神奈川の冬と大差ない寒さ。
制限時間は13時間。長い旅が始まった。

僕はその

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021 『北海道を歩くエピソード3-3 2013.6.30-1』

北海道を歩くエピソード3-3 2013.6.30-1

文:守屋佑一

皆さんはけっこう「ヤバイ」と思うような寝坊をしたことがあるだろうか。

取り返しのつかない寝坊。例えば、大事な大事な出張の仕事があり、その飛行機に乗らなきゃ絶対に間に合わないのにがっつり寝坊してしまったり。

旅行の予定だったり、結婚式だったりしたらそれは本当に最悪で自己嫌悪に陥るだろう。いや、その前に背筋が凍るくらい冷やっと

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020 『北海道を歩くエピソード3-2 2013.6.29』

文:守屋佑一

2013年6月29日土曜日。朝、行きつけの整体に寄ってから羽田空港へと向かう。空港では東京に住んでいた共に100kmのウルトラマラソンに出場する友人Hと合流。実は、このマラソンには4人で出場することになっていた。空港に集まったのは僕とHの二人。一人は北海道の網走の大学に通うI。なので、すでに現地にいた。
そしてもう一人はというと、羽田空港にも集合ではなく、現地にもいるわけではない。

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019 『北海道を歩くエピソード3 プロローグ』

文:守屋佑一

2013年6月。3年前の6月。僕が北海道に3回目に上陸した時の物語。
普段なら、旅行に壮大な目標を決めて臨むなんてことはそうそうないが、この時の旅行は少し事情が違った。この年の1月からコツコツと準備していた目標を達成するため、北海道に渡ったのだ。その目標とは100㎞ウルトラマラソンの完走。そう、僕は100㎞を走るために、この年の初夏に北海道へと渡った。そして、文字通り自分の足で10

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018『雲取山を歩く2』(完結)

文:守屋佑一

僕はキリスト教徒ではない。けれどもクリスマスが好きだ。大好きだ。きらびやかに光る町。こころなしか楽しそうな人たち。購買欲を煽るおもちゃ屋の雰囲気。この時期にしか流れない音楽。
そして、真夜中に目を覚まし、枕元をまさぐると置いてある事前に頼んでおいたものと一致する希望通りのプレゼント。
成長しても友達とクリスマスパーティーと称して遊んだり飲み会をしたり。
しかも1週間もするとこれまた

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017『雲取山を歩く1』

文:守屋佑一

2012年12月23日(祝)

深夜4時台。いつもの小田原駅から電車に乗る。とても寒い日。もちろん真っ暗。雪山登山でしかも1泊のため荷物はたくさん。前夜に車で東京に行っていたこともあり、とても寝不足。

茅ヶ崎で乗り換えて橋本まで。茅ヶ崎で乗り換えなんて人生2回目くらい。さらにいろいろ乗り継いで青梅線。線路の凍結により少し電車が遅れるが概ね予定通り奥多摩駅に到着。

しかし、よぎる

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016『雲取山を歩く プロローグ』

文:守屋佑一

僕は昔、歩いたりするのが嫌いで、山に登るなんてもっての他だった。
けれど、中学から運動を始めて、高校で死ぬ気で野球をやって、フルマラソンも走って、いつしか体を動かすことが欠かせなくなってしまった。

その後、大学で登山に嵌まってからはいろんな山を歩いた。
2012年。この年は僕的には登山の集大成。
GWに雪の残る赤岳に登り、夏には丹沢で沢登や湯河原でロッククライミングを楽しみ、秋に

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