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相法早引現代語訳

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江戸時代に活躍した観相家水野南北が、初学者のため『南北相法』のスタンダードな内容を再編集した書を現代語訳しました。この本は南北翁の師である水野海常の追善供養のため、人相術を学びた…
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#水野南北

相法早引56(肩を論ず)

相法早引56(肩を論ず)

・肩が厚く豊かな者は運気が強く、相応の福分がある。逆に肩が薄い者は運が悪く、辛労が多い。また、肩の肉付きが薄く、骨が露わになったような者は、気を使い身を楽にして暮らす(≒精神労働で暮らす)。

・肩の肉付きが厚く、骨が底にあるように観える者は、身を使い気を楽にして暮らす(≒肉体労働で暮らす)。

・肩が大いに怒っている者は下相。

・肩がすぼまっている者は子に縁が薄い。生涯、辛労が多い。

・肩は

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相法早引55(鎮骨/後頭骨を論ず)

相法早引55(鎮骨/後頭骨を論ず)



↑鎮骨は南極に属し、福寿を守護する星である。頭の後ろの骨を鎮骨と言う

・鎮骨がない(=低い)者は、不可解な辛労が度々ある。逆に鎮骨が高い者は、不可解な事があっても自ずと免れる。また、長寿である。

・鎮骨に傷がある者は、諸事に失敗が多い。運が悪い。

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相法早引54(首筋を論ず)

相法早引54(首筋を論ず)

・首筋が太い者は長命で、病気になる事が少ない。逆に細い者は、体が弱い。

・首筋が太く立ち伸びているように観える者は、体が強い。相応の福分がある。

・猪首(いのししくび、=太く短い首)の者は長命だが下相である。だが、相応に暮らす事が出来る。また、人柄が良ければ、相応の発展がある。

・人は人苗草と言い、木に属す(=なぞらえる)。つまり、頭は根、首筋は幹、手足は枝に対応する。例えば、小さな(=低い

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相法早引53(表/顔を論ず)

相法早引53(表/顔を論ず)

・正面が広く奥行きが狭い顔の者は、妻子に縁が薄い。必ず老年(≒晩年)は凶である。

・正面が狭く奥行きが広い顔の者は、妻子に縁がある。必ず老年は良い。

・面(=顔)の中部が低い者は、志が低い。だが、愛嬌がある。中部が高い者は志が高い。

・正面は陽であり、若年を司る。横面(=側面)は陰であり、老年を司る。また、面の中央(=鼻)は君位であり、己を司る。

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相法早引52(髪/髪と毛を論ず)

相法早引52(髪/髪と毛を論ず)

・髪の毛が太い者は腎血が弱い。子に縁が薄い。短命である。

・髪の毛が細い者は腎血が強い。長命である。内心が豊かである。

・老いているにも関わらず額の髪が厚い(=禿げあがっていない)者は、家(≒家業、家庭)を駄目にするか破産する。運が悪い。

・若年にも関わらず白髪が生えている者は、子に縁が薄い。子がいたとしても頼りにならない。

・髭(ひげ)が赤い者は、その当時は辛労が多い。病人の場合は判断し

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相法早引51(頂を論ず)

相法早引51(頂を論ず)

・頂(=頭頂部)が高く丸い者は、人の下にはつかず、心は正直である。

・頂が高く尖っている者は生涯、苦労が多い。平らな者は運が強い。

・頂に傷があるか、あるいは禿げがある者は、目上と意見が合わない。また、貴人と縁があっても、その縁は決して長くは続かない。

・頂は一身の峯であり、自ずと清い。ゆえに、貴人を頂く(≒司る)官である。また、天の陽、万物を受ける部位である。

-東京つばめ鍼灸-
本サイ

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相法早引32(子孫に縁がない相の類を論ず)

相法早引32(子孫に縁がない相の類を論ず)

・頤(おとがい、あご)が細く、尖っている者。

・口が尖っている者。

・耳が柔らかい者。

・ひどい出目の者。

・喉の骨(=喉仏)が高く、尖っている者。

・鼻が異常に大きく、高く、肉付きが良過ぎる者。

・鼻が高く、肉付きが悪く、骨の形が露わになっている者。

・鼻が小さい者。

・眉が濃く、粗い者。

・鼻の下が、少女のように締りがない者。
*前項で記したように、人中の溝がないような男も、

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相法早引25(親の家を継ぐ相を論ず)

相法早引25(親の家を継ぐ相を論ず)



↑官禄

・官禄(=額中央)の肉付きが良い者。

・頬の肉付きが良い者。

・耳の中の郭が出ていない者。

以上の内、一相でもある者は、たとえ末っ子であったとしても、必ず親の家を継ぐ。もし、親の家を継がずとも、親族に頼られる存在となり、必ず惣領(=長男)と同様に扱われる。また、弟で親の家を相続する者は、必ず以上三相の内の一相を備えている。俗に「垂れ頬(たれほほ)」と言い、下停(≒顎)の肉がゆる

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相法早引24(弟の相を論ず)

相法早引24(弟の相を論ず)

・上停(=額)が狭い者。

・眉が硬い者。

・髪際が濃い者。

・顔一面がせせこましい者。

・耳の中の郭(かく)が出ている者。
*この観方では、耳を家の表象としている。つまり、耳の中の郭が出ている場合、「家から出る=家を継ぐ者でない」と観る。ゆえに、惣領(≒長男、家を継ぐ者)であっても耳の中の郭が出ていれば、家業を継がずに実家を離れる、と観る。また逆に、次男や三男であっても、耳の中の郭が出てい

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相法早引11(才智愚暗の相を論ず)

相法早引11(才智愚暗の相を論ず)

・耳が後ろへ引き上るように観える者。

・顴骨が眼の際より高く、後ろへ引き上るように観える者。

・眼に深みがあり、眼中が澄んでいる者。

以上の一相がある者は、必ず智がある。

・また、瞬(まばた)きが多い者は、才がある。俗に言う、目先が賢い者である。

・耳が清らかで正しく、天に向かう。また、顴骨が豊かで龍骨を現わし、眼が豊かで長く、黒白が分明で、ぼんやりしておらず、自ずと神(=神気)がある。

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相法早引10(勢いが強く、家業が十方に広まる相を論ず)

相法早引10(勢いが強く、家業が十方に広まる相を論ず)

・小鼻が怒り、顴骨が目の際より高い者。

・小鼻が怒り、法令線が広く、後面へ流れる者。

・顴骨が目の際より高く、法令線が後ろへ流れる者。

以上の内の一相がある者は、必ず勢いが強く、家業を十方に広め、名を天下に発する事がある。

・また、この相がある者は、必ず奴僕(ぬぼく、≒部下)を多く使っている。武家や長袖(=公家、神主、僧侶、医者、学者など)にある場合は、十方(=自分の周り)の人が臣下に等し

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相法早引9(発達無き相を論ず)

相法早引9(発達無き相を論ず)

・眉、目、耳、鼻、口に悉(ことごと)く障りがあって、正しくない者は、決して発展しない。

・胴体(=体)が小さい者。

・頭が小さい者。

以上の二相も発展し難い。

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相法早引7(道徳の相を論ず)

相法早引7(道徳の相を論ず)

・上分の相があり、鼻が豊かで小鼻が怒り、準頭(せっとう、=鼻先)が丸く、顴骨が目の下から高く上に向かって引き付いている。また、胴体が大きく豊かで、臍は上に付いているように観える。このような相がある場合は、必ず道徳の人(≒善悪正邪を知る人)である。

・前述した道徳の相があって、鼻が天停(=額)へ貫く人は、その徳が天(≒君主、上司)に通じる。

・道徳の相があったとしても、鼻が天停へ貫いていない人は

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相法早引6(有徳の相を論ず)

相法早引6(有徳の相を論ず)

前述した上分の相があり、鼻が豊かで天停(てんてい、=額)へ貫くようであり、準頭(せっとう、=鼻先)が豊かで丸く、土星(どせい、=鼻)は十方によく通じ(≒広がり)、四岳(しがく、=額、右頬、左頬、顎)は中央(=鼻)を守っているように観える。以上のような相があれば、必ず徳のある人である。もし、平民にこの相があっても、下手におごり高ぶる事がない時は、吉である。以上に述べた「土星が十方に通じ、四岳が中央を

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