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【プレビュー】『持続したい開幕戦の勢い』~第2節いわきFCvsファジアーノ岡山~


マッチプレビュー

開幕戦の勢いを持続できるか。
問われる3バックの迎撃能力

岡山は木山体制3年目も最高のスタートを切った。Cスタに栃木を迎えた前節は、“攻守の切り替え”と“前への意識”を存分に発揮。プレシーズンに準備してきたことを全員が体現し、3-0と快勝を収めた。

昨年も一昨年も開幕戦に勝って勢いよくシーズンをスタートさせている。しかし、第2節以降は思うような結果を得られず、序盤戦は足踏みが続いた。2024シーズンは監督や選手だけでなく、クラブからも「今年こそはJ1昇格を成し遂げる!」という強い思いを感じる。過去2年間を超えて悲願を達成すべく、今シーズンは開幕戦で見せた好パフォーマンスを継続して勢いに乗っていきたい。

対戦するいわきは、筋トレと食事管理の徹底でフィジカルを強みとするチームだ。FW有馬をターゲットに躊躇なくロングボールを蹴り込み、ボール近くに人を多く配置してルーズボールを拾いながらゴールを目指す戦い方を採用している。ピッチの至る所で肉弾戦が勃発することは必至で、岡山としては球際で相手に圧倒されると試合運びが難しくなってしまう。

ただ、岡山も強度にはこだわってきた。ボールを奪うこと、奪われないことに全員が練習から意識高く取り組んでいる。カギを握るのは、3バックの迎撃能力。跳ね返す力強さはもちろん、弾いた後にボールを早く逃がすことも必要。いわきの攻撃の出発点を潰す働きが勝利には欠かせない。

いわきの攻撃と球際のバトルに対応できれば、前線にはいきなりの古巣戦に燃える岩渕がいる。前節の後半開始直後に30m級のロングシュートを放ってクロスバーを叩いたようにゴールへの意識が非常に強い。プロキャリアをスタートさせた地で、岡山の19番が古巣撃破と開幕2連勝に導く。

コラム

サイドを制す者が試合を制す。
注目は末吉塁と加瀬直輝のマッチアップ

いわきが水戸に乗り込んだ前節を見ると、目を見張るプレーがあった。9分、右WBの加瀬が自陣低い位置からドリブルを開始。次々と相手選手を抜き去ってタッチライン沿いを独走し、深い位置から鋭いクロスでチャンスを作った。ドリブルで運んだ距離は約70m。抜いた相手選手は4人。フェイントで重心の逆を突くのではなく、自らの馬力だけで直線的に突き進んでいった。

両チームの前節を踏まえると、今節は[3-4-3]のぶつかり合いになりそうだ。同じシステムの対戦になるため、立ち位置のズレは起きにくい。そこでポイントになるのは、WB同士のマッチアップだ。WBがタッチライン沿いでの1対1に勝つことができれば、サイドから相手を押し下げることも押し返すこともできる。

いわきの加瀬と相対するのは末吉だ。前節・栃木戦は攻守にキレキレのプレーを披露して左サイドを完全に制圧した。背番号17の強みは、重心が低く体幹が強いこと。下からのタックルで相手の体勢を崩してボールを奪い、自身の体を潜り込むようにして相手の前に出て突破していく。末吉が加瀬との1対1に勝つことで左サイドからチームを押し上げ、今季の強みになりそうな“前への意識”を打ち出しやすい状況を作り出す。

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