【プレビュー】『今季も浮上のきっかけにしたい第12節のアウェイ秋田戦』~第12節ブラウブリッツ秋田VSファジアーノ岡山~

マッチプレビュー

秋田の壁をこじ開けるのは、連係の深まる強力2トップ

昨季も第12節はアウェイ秋田戦だった。第8節・山形戦が取り消しになったことで、7試合未勝利の状態でソユ―スタジアムに乗り込んだ。試合は相手の圧力に押されて自陣でのプレーを強いられたが、前半終了間際にCKから柳が決めた得点を粘り強く守り切って1-0の勝利を収めた。そしてこれを契機にGWの3連戦を全勝で終えている。

今季も7試合未勝利の中で第12節に秋田の地に乗り込む。これを運命と呼ばずに何と呼ぶか。どんな形でも良いから勝利を飾りたい。

カギを握るのは、チアゴ・アウベスと櫻川の2トップだ。前節・山口戦で同時に先発すると、11分に先制点を挙げる。櫻川が大きな身体を生かした力強いプレーでチャンスを作り、最後はアウベスがゴール前で後ろに下がりながら左足を振り抜いて強烈なミドルシュートをネットに突き刺した。2トップの高いクオリティで得点を奪ってみせた。

スピードとパワーという異なる特長をもっているアウベスと櫻川の2トップの破壊力はさらに増すことが期待できる。今週の練習では、木山監督が下がる動きと裏に抜け出す動きの役割分担をハッキリさせること、メリハリを付けてボールを引き出すことを強調して彼らに要求していた。それを受けて櫻川はゲーム形式の練習で鋭い動き出しからネットを揺らしている。

秋田は前節に前半だけで4失点を喫するも、11試合を終えて9失点とリーグで3番目に少ない失点数を誇る。堅守を支えるのはCBの河野貴と阿部。しかし、フルタイム出場中の阿部は契約の都合上今節は出場しない。最終ラインの主力を欠く中で守備の立て直しを図る秋田に対して、岡山はアウベスと櫻川が深める連係プレーで8試合ぶりの勝利をつかむ。

コラム

輪笠祐士が古巣戦で見せる覚悟

岡山の6番を背負う輪笠祐士がソユ―スタジアムに乗り込む。

日本体育大から福島に入団した輪笠は2020年に秋田のユニフォームに袖を通した。SBとしての活躍を評価されて移籍を果たすと、モチベーション高くプレーした。移籍初年度は第19節で初めて先発し、以降は左SBのレギュラーとしてJ3最速優勝に貢献。翌年は初のJ2で37試合に出場し、J2初得点も決めた。

秋田での3シーズン目も開幕から中心選手として活躍する中、8月に岡山に加入した。シーズン途中で同カテゴリーのチームへの移籍は大きな決断だったに違いない。秋田での2年半はチームと一緒に個人のレベルアップも感じる充実した時間だっただろう。秋田への感謝の気持ちを募らせながらも、今後のサッカー人生を考えて岡山でチャレンジすることを選んだ。

あれから約8カ月、今節は輪笠にとって覚悟を見せる試合だ。吉田監督から叩き込まれた強度の高いプレーで球際を戦い、縦パスや2列目からの飛び出しで攻撃にも関わっていく。ボランチの要として攻守に貢献する姿を見せることが、自分の決断を秋田のサポーターに示すことになる。岡山の選手として慣れ親しんだピッチに足を踏み入れる輪笠のプレーに目が離せない。

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