【レビュー】『攻守に精彩を欠いた13試合ぶりの敗戦』~第18節栃木SCvsファジアーノ岡山~

試合結果

2023 J2 第18節
5/28 14:03K.O. @カンセキスタジアムとちぎ
栃木(2-1)岡山
34分 オウンゴール
54分 高橋諒
67分 根本凌

スタメン

マッチレポート

精彩を欠いた岡山。一度は追いつくも、約2か月ぶりに敗れる

今季2度目の連勝を狙う岡山は、勢いよくカンセキスタジアムとちぎに乗り込んだ。立ち上がりから前線にロングボールを蹴り、チアゴ・アウベスと櫻川の2トップのパワーを生かして敵陣への進入回数を増やしていく。1分には高橋と鈴木の連係で左サイドを突破してアウベスが左足を振るも、シュートはGKの正面に飛んだ。

何としても5試合ぶりの勝利を手にしたい栃木は、WBの推進力を起点に両サイドから攻めていくが、クロスの精度が上がらずにシュートまでつながらない。

その後は岡山がボールを保持して押し込む。幅を取る右SB河野、左SH高橋で横に揺さぶるものの、中央に縦パスを打ち込めない。ブロックの外でのパス回しからクロスを入れる単調な攻めになってゴールに迫れないでいると、34分に相手のプレスを受けた鈴木からGK堀田へのバックパスがズレて、そのまま無人のゴールへ。ゴールを脅かされるピンチが限りなく少なかっただけに、痛恨の失点となってしまった。

ただ、岡山は下を向かなかった。ビハインドで迎えた後半は、立ち上がりに自陣でのボールロストから栃木のショートカウンターを受けるも、怯むことなくパスをつないで攻撃を構築し続ける。54分、細かくパスをつないで右サイドから左サイドへと展開すると、高橋が相手を交わして右足でクロス。鋭いボールがゴールに直接すい込まれていき、試合を振り出しに戻した。

追いつかれた栃木だったが、人数を掛けた迫力のあるカウンターから好機を作っていく。16分に右サイドから抜け出した森のクロスはゴール前を流れるも、走り込んできた福森のシュートが枠を捉える。しかし、ヨルディ・バイスにブロックされた。サイド攻撃やCKからゴールを脅かすチャンスを作る中、67分に勝ち越しに成功する。GK藤田のパントキックを岡山のCBコンビは見送ったが、最後まであきらめなかった根本がループシュートを決めた。

連係ミスで2失点目を許した岡山は、すぐにステファン・ムークとルカオを投入する。しかし、バイスが3分間でイエローカード2枚を提示されて79分に退場して万事休す。

そのまま逃げ切った栃木がホームで5試合ぶりの勝利をつかみ、スタジアムが歓喜に包まれた。一方の岡山は13試合ぶりの敗戦。ミスから2失点を献上する不甲斐ない結果となった。

コラム

不用意な2失点。12戦無敗で目立たなかった粗が浮き彫りに

約2か月ぶりとなる今季2度目の敗戦は、自滅と言える試合になってしまった。

1失点目は、ビルドアップでのミスだった。34分、ピッチ中央でヨルディ・バイス、柳、鈴木の3人でパス回しを開始すると、柳から鈴木への横パスで相手がプレスのスイッチを入れる。それに対して、鈴木は1タッチでGK堀田にパスを出すも、これが大きくズレてオウンゴールになってしまった。

2失点目は、連係でのミスだった。相手GKからのパントキックをバイスと柳が見送ると、最後まで足を止めなかった根本にGK堀田の頭上を越えるシュートを決められた。

どちらも不用意な失点だ。味方と相手の位置関係を確認するという基本的なことが欠けており、十分なコミュニケーションも取れていたのか定かではない。立ち上がりから相手を押し込む場面を多く作れていただけに、もったいない失点で勝点を落としてしまうことは非常に残念である。

12試合負けなしで得た自信もあれば、浮き彫りになっていなかった粗もあったということ。シーズンを折り返す前にそれを見つけることができたことをポジティブに捉え、もう一度自分たちを見つめ直す機会にしなければならない。

今季はJ2優勝を掲げたシーズンで、昨季の堅守に加えて得点数を増やすことで目標を達成しようと取り組んでいる。足りない部分、できていない部分をしっかりと精査して、屋台骨となる守備を改善することが必要不可欠だ。

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