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6回目のパレスチナ

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2017年夏の旅。ヨーロッパに住むパレスチナ難民との出会い、本国でも出来事。一期一会の旅
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2018年3月の記事一覧

クリスチャンの町、タイべ

クリスチャンの町、タイべ

アラブと言えば、イスラム。パレスチナと言うと、聖地を含んでいるところでイスラム教とユダヤ教が争っていると思っている人も多いと思う。争っている内容はさておき、ここパレスチナの人口約495万人の92パーセントがイスラム教徒であるため見かける殆どはイスラム教徒と言っていいだろう。残り7パーセントがキリスト教徒で1パーセントがその他ということになる。
その7パーセントのクリスチャンは点在しているが、首都機

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立ち寄ろう、わざわざね。

立ち寄ろう、わざわざね。

訪問教会というところがある。場所はエルサレムの西側の郊外エン・カレムだ。聖母マリアはイエスを身ごもり、いとこのエリサベトを洗礼者ヨハネを身ごもっていた時にこの場所に立ち寄ったという話がある。
わたしは身ごもりもしていないが、わざわざ足を伸ばして立ち寄ってみよう。実際は立ち寄るというよりも連れて行ってもらうのだが。

エルサレム新市街を通り抜ける。アラブ風なヨーロッパがあったり、新しいものがあったり

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チェックポイント

チェックポイント

Nadimは日本では見かけないくらい砂塵で曇っている車に乗り込む。その助手席に座る。

砂の舞う細い道を抜けて幹線道路に向かう。右に行けばヘブロン。左折する。道路は渋滞している。ゆっくりと走っていると右前方に舞台と見物の人たち。渋滞はこのせいだろう。

あれなに?難民キャンプの入り口でしょ?なにがあるんだろう。

あー、あれはイスラエル兵に殺された人を弔うイベントだよ。今夜それがあるんだろうね。今

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ファミリーツリー

ファミリーツリー

ランチを食べおわるとおもむろにNadimはベランダに出た。まだ陽は沈んでおらずかといって、暑すぎることもない。周りは大きな木々があり日陰を作っている。ベランダには小さなテーブルセットがあり、カゴの吊り下げられそこには2羽の鳥がいる。

ベランダにおいでよ。アレギーラ(シーシャ・水たばこ)でも吸おうよ。ゆっくりしよう。シャーイ(お茶)がいい?カフア(コーヒー)にする?

シャーイにしようかな。

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さあ!ランチの時間だ

Nadimの家は幹線道路から少し入ったところにある。この幹線道路はベツレヘムからヘブロンにつながるもので道路沿いにはパレスチナ西岸地区最大の難民キャンプデヘイシェがある。

ママー、ただいま。帰って来たよ。

おかえり!Azusa, welcome!!よく来てくれたわね。さあ、お腹空いているでしょ?入って。Nadim、テーブルの上片付けて!

ママの大歓迎を受け静かな自宅に入っていった。幹線道路が

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ショッピング2

ショッピング2

観光地の生誕教会から2キロメートほど離れた場所。人もまばらな市道のような車がやっとすれ違うことができるくらいの道を歩く。

道路沿いにある商店はなんてない食器や箒とちりとり、懐中電灯も売っている。観光客が欲しいものは何もないと見える。

サラームアレイコム。友達を連れてきたよ。

Nadimはこの商店の店主にわたしを紹介してくれた。

店舗は路面沿いの1階と中地下のような10段くらいの階段を降りた

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