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質問054:運動神経って決まっているの? 落ちこぼれないためには、どうすればいい?

小学2年のうちの子は、同じ時期に入会した子どもと比べて上達が遅いですし、あとから入会してきた子どもにも追い抜かれてしまいます。この時期から運動神経って決まっているのでしょうか? そうだとしたら落ちこぼれないためには、どうすればいいでしょうか?

回答


回答

▶運動神経に大差はない


自己肯定感が、大きく関わっています

運動神経など大差ありません。

ですからテニスのテクニックを磨く上達のみにとらわれず、自己肯定感を高める取り組みにいそしむとよいと思います。

ただし自己肯定感を高めるというと、「その子の良いところを見つけて積極的に肯定する!」などと、思われるかも知れません

ですがそれで、子どもの自己肯定感が高まるとは思えませんし、それで自己肯定感が高くなったという実話も、私は聞いた試しがありません。

▶「いいとこ探し」は逆効果


ここで言う自己肯定感の定義とは、「ありのままの存在を無条件に受け入れる」です。

「何々ができたから認める、ほめる!」という肯定とは、まったくの別物です。

別物というより、「逆」とさえ、言えるでしょう。

なぜなら「何々ができたから」という条件をつけてしまうのは、ありのままの無条件とは、対極だからです

ですから、その子の良いところを見つけて積極的に肯定しようとする先のやり方は、「逆効果」になりかねず、むしろ自己肯定感を「損ねてしまう危険性」さえはらむものです。

▶自己肯定感=他者肯定感


では、どうすればいいでしょうか?

私はいつも申し上げていますが、自己肯定感の高さは、他者肯定感の高さと、完全に「正比例」です。
 
ですから本当に自己肯定感の高い人は、自分のことを嫌っている相手さえ、肯定的に受け入れます
 
一般的な水準では、自分のことを嫌っている相手なんて、自分からも嫌ってしまいがちですからね。
 
「正比例」ですから、他者を肯定すれば自己肯定感も上がる相関です

ただし正比例だからといって、いきなり子どもに自己肯定感を上げるために、「他者を肯定しなさい!」と言っても(やるだけの価値はありますが)、難しいかもしれません。

場合によっては「他者肯定できていない今のあなたはダメね!」という「自己否定感」さえ、植えつけてしまいかねません

▶親が子どもの「ありのまま」を受け入れるのが「最強」


そこでお願いしたいのは、まずは親御さんが、子ども(他者)のありのままを肯定(受け入れ)するというアプローチ法です。
 
とはいえ「ありのまま」という言い回しが、分かりづらいかもしれません。

前にも述べましたがたとえば子どもがテニスの試合に負けて、落ち込んで帰ってきたとします。

その子は「悔しいよ!」「残念だ!」「もうテニスなんてやめたい!」などと言うかもしれません。

そんなときの「ありのまま」は、たとえばこんなふうになるでしょう。
「悔しいよ」→「悔しいんだね」
「残念だ」→「残念だったんだね」
「テニスなんてやめたい」→「やめたくなっても無理ないね」

一方では、次のような対応も、しがちではないでしょうか?
「悔しいよ」→「気にするな!」
「残念だ」→「次は必ず勝てるよ!」
「テニスなんてやめたい」→「せっかく頑張ってきたテニスなんだから、これからも続けようよ!」
などと。

こうやって励ましたりするのは、「親心」として痛いほど分かりますけれども、その子のありのままを全否定してしまうので、追い込んでしまいかねません。

▶正しく育てると「隠蔽体質」を育む


「ありのまま」です。
 
たとえば、もちろん極端な例かもしれませんけれども、「罪を犯した子どものありのままなんて認められない!」というお気持ちになることだって、あるでしょう。

だけど子どもにとってその時ばかりは、「罪を犯さざるを得なかった」何かしらの事情があったのです。
 
追い込まれていたのかもしれない。
 
他人の物をうっかり壊したとき、怖くて「逃げる」しか、その瞬間の脳裏には思い浮かばなかったのかもしれない。

それは、親が「正しく育てよう」としてきたために、子どもは「隠蔽」せざるを得なかったのです。

ですからそこは、認めましょう

罪を認めるのではなく、子どもは認めるのです。

「そうせざるを得なかったんだ」と。

▶ありのままを受け入れると「素直」になる


認めたからといって、再犯率が高くなるはずがありません。

むしろ自己肯定された子はやがて、そうせざるを得ない事情を手放し、それによって罪を犯さない人生へと改まる可能性が高まります。

犯罪どころか、平気で嘘をつくような人格には決してなりません。

逆に「どうしてそんなことをしたの!」「そんな子に育てた覚えはない!」などと責め立てると、その子は事情を受け入れてもらえず、ますます「つらい人生」を送りかねません。

「自己否定感」にさいなまれるからです。

他人を憎み、人生に絶望し、生きる気力を失い、人を信じられず、依存性が高くなり、やる気をなくし、自分に嘘をつき、もどかしさのなかで、他人の意見に従って生きるしかなくなります。
 
素のまま真っ直ぐ生きられず、「偽物の素直」を装い、やりたいようにやれなくなるから、運動パフォーマンスも下がるのです。
 

▶子ども肯定感=親肯定感


さて他者肯定感の高さは、自己肯定感の高さと完全に正比例だと申しました。

なのでここで説明しているやり方のおもしろいところは、子どものありのままを受け入れる姿勢が、実は親御さん自身の自己肯定感を高めるのに直結している点です。

親が子どものありのままを受け入れると、子どもは自己肯定感がアップし、子どもの自己肯定感がアップすると、親の自己肯定感もアップするという、前向きな「相乗効果の波」に乗れます

子どもは確かな安心感の中、親に見守られながら試行錯誤できるので、能力をぐんぐん伸ばすのです

▶親子ともども「人生が好転する」


自己肯定感がアップすると、どうなるでしょうか?

仲間(生きとし生けるもの)を大切にします

自立します

自分で選択し、物事を主体的に決められます

イライラしなくなります

失敗にめげなくなります

完璧主義を手放せます

いい人・いい子をやめられます

ノーにはノーと言えるようになります

ありのままの自分を愛せます

ありのままの他者を受け入れられます

積極的に自分のやりたいことを見つけ出して実行し、落ちこぼれなくなります

責任感が強くなります

上記はすべて、スポーツが上手く、強くなる条件です。

スポーツのみならず、勉強も、人間関係も、つまり人生が、好転するのです

そしてそれは子どもの人生のみならず、親御さんの人生とも、正比例なのです。


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(テニスゼロ)
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