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シン映画日記『仕掛人・藤枝梅安』

池袋のグランドシネマサンシャインにて豊川悦司主演映画『仕掛人・藤枝梅安』を見てきた。

原作者である池波正太郎生誕100周年と時代劇専門チャンネルの開局25周年を併せ、「鬼平犯科帳」、「剣客商売」と並ぶ池波正太郎三大シリーズの1つ『仕掛人・藤枝梅安』の令和版リメイク作品。

「藤枝梅安」はこれまでにも田宮二郎、萬屋錦之介、緒形拳、小林桂樹、渡辺謙、岸谷五朗など数多くの名優で映像化となり、今回は藤枝梅安役を豊川悦司、彦次郎役を片岡愛之助という布陣。

鍼灸師で仕掛人の藤枝梅安がある日、羽沢の嘉兵衛より料理屋「万七」の女将・おみのの仕掛の依頼だが、「万七」で事を探る中で藤枝梅安の「万七」に関するある記憶が今回の仕掛に関係することに。

冒頭に「万七」での仕掛とは別に久留米藩江戸藩邸の御用取次役の伊藤彦八郎の仕掛から始まり、町での鍼灸師・藤枝梅安としての様子や梅安の自宅でのおせきとのやり取り、仕掛の合間の梅安と彦次郎のやり取り、そして鍼灸針を使ったお馴染みの仕掛シーンと血げむり上がる本格的な殺陣、そして表での先生として裏稼業でのやみの仕掛人の合間の梅安と女性たちとの濡れ場シーン、あと池波正太郎原作ならではの食事のこだわりなど、
これまでのテレビシリーズ・劇場版で見てきた藤枝梅安ワールドが隅から隅まで引き継がれ、たっぷりと堪能できる。

つまり、田宮二郎版から渡辺謙版までの歴代の藤枝梅安シリーズのいい部分を取り寄せ、尚且つ、比較的昼間のシーンが目立った田宮二郎版や渡辺謙版の改定的に徹底的に影を付け、暗闇、暗さを強調した映像で、より仕掛人の“闇の稼業”っぷりを浮き上がらせている。

何しろ、製作に42社もの会社が関わっているだけあって気合いがものすごく入っている。
それはトヨエツの藤枝梅安の丁度良さというだけでなく、
天海祐希が演じる今回の主要人物おみのの悪女ぶりや
高畑淳子が演じるおせきのサブキャラなのに異様な濃さなどからも伺え、
令和の世に藤枝梅安ワールドを蘇らせている。

ただ、あまりに気合いが入りまくって、もう少しコンパクトにした方がいいような気もしたかな。
しかしながら、これは2作目も見たくなる。

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