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シン映画日記『ザ・フラッシュ』

ユナイテッドシネマ浦和にてエズラ・ミラー主演映画『ザ・フラッシュ』を見てきた。

DCコミックスの「ジャスティス・リーグ」内のヒーローで、世界最速のヒーロー「フラッシュ」を主役にしたファンタジー&アクション映画。
「DCエクステンデッド・ユニバース」では『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』が初出で、『ジャスティス・リーグ』でも活躍しながらもなかなか主演映画がなかったエズラ・ミラーが演じるフラッシュの主演映画。満を持してのフラッシュの主演映画ながら、 「DCエクステンデッド・ユニバース」のシリーズ作でついにマルチバースを完璧に取り入れ、さらにはマイケル・キートンの大胆な起用やラストの某大物俳優のサプライズ出演など、「DCエクステンデッド・ユニバース」において重要度が高い作品に仕上げた。

主人公バリー・アレンはセントラルシティの警察法医学捜査官として働きながら少年時代に殺された母ノラの死のトラウマに苛まれながらも、「ジャスティス・リーグ」のヒーロー「フラッシュ」として活動していた。ある日、バリーは思い立って、母ノラの死を防ぐために「フラッシュ」のスピードフォースによる超高速移動で過去に遡ることに。

ズバリ、フラッシュの超高速移動を使った『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、あるいは『バタフライ・エフェクト』の応用ながら、別次元の過去を展開。この別次元での動きはMCUで言えば『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』みたいな大胆なマルチバースでの世界観の展開。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズや『ドクター・ストレンジ』シリーズとの最大の違いは別次元の自分との一緒の行動で、陽キャでお馬鹿なバリー・アレンの行動の大半がコメディとして見れる。元々の超高速移動での活動もややコミカルに描いているので、全体的には『シャザム!』シリーズにも通じるコメディ要素が強いアクション大作に仕上がっている。

フラッシュの超高速移動でのアクションの面白さはもちろんのこと、本作最大の見所はマイケル・キートンが演じる別次元のブルース・ウェインやサッシャ・カジェが演じるスーパーガール、それと別次元のバリー・アレンによるフラッシュとの異次元のコラボレーションである。しかしながら、後半になればなるほどフラッシュの超高速移動はチートと化してしまい、終盤の収束までのバタバタな展開には若干辟易した。

『IT/イット』シリーズを手掛けたアンディ・ムスキエティ監督だけあって、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の使い方も上手いが、冒頭でかかる「If You Leave Me Now」(邦題「愛ある別れ」)やマイケル・キートンが演じるブルース・ウェインと対峙した時にかかる「25 or 6 to 4」(邦題「長い夜」)などシカゴの名曲の要所での使用も意味深で、音楽の使い方が上手いアンディ・ムスキエティらしさが伺える。『アベンジャーズ』に対して『ジャスティス・リーグ』であるように、まさかの『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』に対する『ザ・フラッシュ』。DCEUによるマルチバースの答え、といったところか。 

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