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シン映画日記『映画刀剣乱舞-黎明-』

TOHOシネマズ西新井にて鈴木拡樹主演映画『映画刀剣乱舞-黎明-』を見てきた。

PCオンラインゲーム「刀剣乱舞」をベースにした時代劇SFアクション映画で、映画版としては2019年公開の『映画刀剣乱舞』の続編に当たり、前作では安土桃山時代の織田信長暗殺を取り上げたが、
本作ではさらに遡って平安時代の酒呑童子討伐という題材そのものがファンタジーなものを、
さらにSFとイケメンで塗りたくった映画である。

ストーリーは2205年に過去へ干渉し歴史改変を目論む「歴史修正主義者」を阻むべく政府が刀剣男子たちを各時代に送り込む。
つまり、「タイムボカン」と「タイムスクープハンター」に時代劇アクションとイケメンをたっぷり加えた映画だが、
本作には平安時代と酒呑童子を取り上げることで、戦国時代ものよりもファンタジー色を強めた。
さらに陰陽師の安倍晴明を登場させることで『陰陽師』的なSF時代劇になるのかと思ったが、
中山咲月が演じる酒呑童子の演技がショボ過ぎて、一気に作品へのボルテージが冷める。
せめて宇梶剛士や竹内力や小沢仁志など強面のオジサン俳優にやらせた方がもう少しそれらしさが出ただろうに、そこでもイケメンにこだわってしまい、墓穴を掘ってしまった。

あと、時代が平安時代から2012年の平成に変わって女子高生と引き籠もり気味な男子高校生の話にしたのはいいが、もう一つ設定を生かしきれていない。それなら今回は2012年の話にすればいいのに中途半端に平安時代を入れるからよくない。
逆にいえば、クオリティーはショボくても平安時代だけでも良かったのではないか、と。

それと刀剣男子はアニメや漫画では映えても、実写ではイケメンコスプレショーに過ぎず、
この辺りはイケメン目当てやゲーム版/アニメ版/漫画版のファン以外は置いてけぼり状態になりえる。

『映画刀剣乱舞-黎明-』は時代劇映画ファンはもちろん、時代劇ファンタジー映画『陰陽師』あたりも許容範囲という人にもちょっと厳しいかも。

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