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「インバウンド」のインパクト

column vol.1197

観光庁は2023年通年の訪日外国人消費動向調査(速報)を発表。

外国人旅行消費額総額はコロナ禍前の2019年比9.9%増となる、5兆2923億円で、過去最高となりました。

〈やまとごころ.jp / 2024年1月22日〉

ちなみに、訪日客1人当たりの旅行支出19年比33.8%増21万2193円だったそうです。

また、日本政府観光局(JNTO)も先週、2023年12月の訪日外国人旅行者19年同月比8.2%増273万4千人だったと発表。

コロナ禍後で単月過去最多12月として過去最高を記録しております。

日に日に増していくインバウンドのインパクト

〜ということで、本日は最近刺激を受けた事例をご紹介したいと思います。


ニューヨーク・タイムズが選んだ「西の都」

ご存知の方は多いとは思いますが、やはりこの記事を外すわけにはいかないでしょう。

アメリカのニューヨーク・タイムズ「2024年に行くべき52ヵ所」を発表。

日本から山口市が選ばれました。

〈NHK NEWS WEB / 2024年1月10日〉

選定理由はこのように話されております。

「西の京都」とも呼ばれ、過度な観光客に悩まされることが少ないコンパクトな都市

なるほど!山口はフグを始め食べ物も美味しいですし、魅力的な街ですよね。

ちなみに紹介順は、北アメリカで見られる皆既日食フランス・パリに続いて3番目で取り上げられたそうです。

その上で、国宝の「瑠璃光寺五重塔」昔ながらの喫茶店おでんや鍋料理をカウンターで提供するお店、それに湯田温泉が紹介されています。

また、600年の歴史がある山口の夏の風物詩、「山口祇園祭」についても掲載。

村岡嗣政知事

「本当にびっくりしてうれしい。世界でよく読まれているニューヨーク・タイムズで3番目に選ばれたので、世界中から山口に行きたいと思ってもらえるようにインバウンドの大きな流れを呼び込みたい。大内氏の時代の歴史ある建物や町全体の雰囲気が今に引き継がれ息づいているという山口市の深い魅力を世界中に感じてもらえるように認知度を高め、観光地や食文化の魅力を伝えていきたい」

と喜びのコメントを話しております。

昨年、同紙に取り上げられた盛岡市は、外国人観光客が増えているので

山口市もますます海外から注目されるでしょう。

「ホテルより割安」新しい受け皿に

続いて、「宿泊」について新たな傾向が見られたので、そちらを共有させていただきます。

コロナ禍の行動制限が解除されて、月日が経ったこともあり、最近は外国人観光客のシェアハウス利用が増加してきているようです。

〈産経新聞 / 2024年1月14日〉

価格高騰が進むホテルより割安な長期滞在向けの宿として活用されているのですが、施設のさらなる進化が見られるとのこと。

ポイントは「プライベート空間の充実」です。

一般的に水回り設備は共用ですが、居室内にキッチンや風呂などを完備した進化系が続々登場

共用部には大型キッチンラウンジシアタールームなどがあり、シェアハウスの良さも充実しているのが特徴なのです。

これは、コロナ禍で生まれた新たな生活様式に合わせた変化

進化系シェアハウスにますます注目が集まりそうです。

日本シェアハウス連盟の調査によると、全国のシェアハウス物件数が前年を下回った21年以降は回復が進み、23年前年比3.6%増5808軒2年連続で前年を上回っているとのこと。

国や自治体も空き家対策として改修費用の一部を補助するなど活用を後押していることもあり、業界最大手の株式会社オークハウスは現在の国内約4600室から今後10年間で海外展開も含め5万室規模に増やす計画を掲げています。

今後は、外国人観光客だけではなく、日本で働く方々も増えるでしょうから、賃貸住宅社宅としてのニーズも増加していくでしょう。

ヤンキーファッションを「観光資源」に

元旦を除く年最初の祝日「成人式」ですが、今年も2週間前の今日、各地で式が行われました。

そんな中、ある地域の成人式に注目が集まっています。

その地域とは北九州市

「門司」「小倉」「戸畑」「八幡」「若松」の新成人が集まる「北九州メディアドーム」には、ド派手なヤンキーファッションを身に纏った若者の姿が際立っています。

〈文春オンライン / 2024年1月8日〉

「ガチガチに固めたリーゼント」
「金髪かアッシュ系のヘアカラー」
「サングラスに超ド派手なマフラー」

『湘南爆走族』『ビー・バップ・ハイスクール』など、ヤンキーマンガで育った我々昭和世代には懐かしの出立ちが揃う北九州市には、若者の晴れ舞台を支える貸衣装屋があります。

東京、千葉、大阪にも支店を持つ「みやび」です。

この同店がプロデュースする衣装に対して、武内和久市長

「固定観念にとらわれない市発祥の衣装は、世界的な視点から注目され始めている

と、観光資源としての可能性を示唆しております。

…ヤンキーファッションが、観光資源…??

と驚く方もいらっしゃると思いますが、昨年9月、みやびのド派手な衣装はすでにニューヨークに進出

世界的コレクション「ニューヨーク・ファッション・ウィーク」で披露されているのです…(驚)

そして、まだ会場に集まる人たちの中で1〜2割ほどらしいのですが、このファッションを見に外国人観光客も訪れるとのこと。

確かに、考えれば考えるほど、ヤンキーファッションが持つ豊かな個性他にはない魅力として海外の方々の目に映るというのは当然なのかもしれません。

ちなみに、能登半島・珠洲市で行われるキリコ祭りに私が行った時も、妻が行きたい理由に挙げたのが「ド派手な和装」でした。

アニメのコスプレも海外では人気ですし、実はまだまだ日本固有の個性派ファッションというのはあるような気がしてきました。

そうした隠れた魅力を発掘していくこと。

生活観光型の旅は世界中で増えていますので、いかに常識に囚われず、眠っている価値の鉱脈を感じ取れることができるのか?

やわらかな感性と、独自の審美眼が問われる時代なのでしょう〜

観光業だけではなく、全ての業界に当てはまる話ですね😊

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