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こころ

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ひとのこころ、見つめてみます。自分のこころから、誰かのこころへ。こころからこころへ伝わるものがあり、こころにあるものが、その人をつくり、世界をつくる。そんな素朴な思いに胸を躍らせ…
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2022年11月の記事一覧

映画「すずめの戸締まり」

映画「すずめの戸締まり」

新海誠監督の作品を映画館で観るのは、「君の名は。」「天気の子」に続いて3度目である。私の感想だが、監督は、今回の「すずめの戸締まり」で、本当に伝えたかったことを描くことができたと思っているのではないだろうか。
 
もちろんストーリーそのものについてネタバレをしたいとは思わないので、もう少し漠然とした形で語ろうかと思う。但し、それでも映画を観るまではそうした声を一切聞きたくない、という方もいらっしゃ

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「宗教二世」という言葉

「宗教二世」という言葉

流行語として2022年に現れた言葉がある。表現として、どうにも引っかかるのが「宗教二世」という言葉である。子どもに宗教を教えることがいけない、という勢いで用いられているように見えるからである。もちろん、虐待や金銭に関する犯罪的な行為について、それを親の権利であるかのように当然視してはいけないはずだ、という考えがベースになっているわけで、ようやく統一協会問題を通して、健全な意識が社会に生まれたという

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『わたしからはじまる』(入江杏・小学館)

『わたしからはじまる』(入江杏・小学館)

題と表紙の雰囲気に誘われて、図書館の新刊棚から手に取った。副題の「悲しみを物語るということ」にも惹かれた。まるで若松英輔さんのような言葉だと思ったら、確かに後から一部その人に触れていた。グリーフケアについての本だと思った。それは必要なことだと思うし、物語るという形にも、心が向いた。
 
ところがいざ開いてみると、大変なことが分かった。この紹介の場でそれを言ってしまってよいのかどうか迷ったが、それを

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群衆の怖さ

群衆の怖さ

ソウルの繁華街「梨泰院(イテウォン)」で多数の死者や負傷者を出した事件が、痛々しく報道されている。2002年10月末のことだ。韓国でも、若い人たちを中心として、ハロウィーンの騒ぎは大変なもののようだ。
 
韓国では、3月頃が一番新規感染者が多く、一日あたり60万人を超える日(16日)もあった。事故の日のころにも日々3万人以上の新規感染者を数えており、人口が日本の半分以下であることを思えば、決して安

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