情景らしきものを書いたり歌ったりして綴っています。

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  • 胸中の手記

    感覚に集中しようとして生きると人はどうなるのかという実験をしている人の生活を描いている日記風小説。

  • おとぎ

    考えたおとぎ話。人生の冒険を楽しみたい人向けです。

  • 覚えておきたい。腑に落ちた。勉強中のこと

  • 11,729光年彼方へ枯渇しても愛を湧かす

    毎日1通の手紙を書いて更新しています。 完成すると一点ものの手紙の綴りが出来ます。 手紙は一通一通封筒に入っています。 大事な気持ちの手紙が届いたり、自分で出さずに保管する手紙でも、日記とは違う感性で書かれた誰かを思ってのものが形に残るように工夫してあります。

記事一覧

胸中の手記 5月8日 体の外に出たくなる

5月8日 水曜日 曇りと雨 寝ている間に体の外に出る方法があるということを小耳に挟んで、体の外に出てみようかと試してみたけれど、体から出ようとしたら体も一緒に体から…

愛
8時間前
6

胸中の手記 5月7日 時間が変わる

5月7日 火曜日 風と霧雨 お元気ですか。なぜかわたしの周りでは、体調を崩して仕事を続けられなくなった人が何人もいます。 一昨日、心に何かを決めてから、どんな風にそ…

愛
1日前
9

胸中の手記 5月5日 大いに励まして気を引き立てる(激励)

5月5日 日曜日 晴れ また、自分じゃない自分になりたくなったの? それはたぶん、やめておいた方がいいよ。 しばらくの間、わたしは「こうはなりたくない」という気持ち…

愛
3日前
13

胸中の手記 5月4日 仕事前のお母さん

5月4日 土曜日 快晴 日中の気温が三十度に達したそうだけれど、屋根の下で全ての窓を開け放って仕事をしたから、風が次々に吹き抜けて行って、体も洗濯物もサラサラしてい…

愛
4日前
13

胸中の手記 5月3日 怒るというのは何

5月3日 金曜日 晴れ 祝日であることを忘れて、郵便局へ支払に行った。行きました。 間違って出掛けたついでに、カルピスとアイスクリームを買っちゃった。 ついでに来月誕…

愛
5日前
14

胸中の手記 5月2日 雲間

5月2日 木曜日 曇りのち晴れ 部屋の中のものを、使っていないものから片っ端に捨てています。 嫌な思い出になったものなどは、昔の自分だと思って捨てています。 物には罪…

愛
6日前
11

胸中の手記 5月1日 雨の日植物たちが愛おしく

5月1日 水曜日 雨 雨が降っているのがわかる。 見ていないけれど、わたしは傘を持って、これから出掛けてゆくでしょう。 窓を通して聞こえる音が、わたしには、通る車が地…

愛
7日前
16

胸中の手記 4月30日 一瞬前の過去とさよなら

夜風が吹いている。夜風の中を走ると空気が止まっていても風になるようです。 汗と水蒸気が混じって、体の面だけが冷たくなっているけれど、暑さがある。 橋の下を走ってす…

愛
8日前
11

感覚人間の天国(未来の言い方)

(これは終わりだから少し長いですよ。)  未来を言うときには「このままでは不味い」とか「条件付きで問題が解決する」とか、所謂大昔から様々な歴史の中の人物が頼って…

愛
10日前
16

ミッキーマウスの額みたいな犬(未来を言うの続き)

 先日また、犬がいなくなって探しているという方がいました。別に犬のことばかりではないけれど、ここでは犬のことだけを例にお話します。  わたしはまた五感を閉じて、…

愛
11日前
10

大きな言い訳(未来を言うの続き)

 でもわたしの考えでは、勘も人間が生きていれば働かせずにはいられない。  何か、今わたしは何かを恐れているんだけれど、こういうことは子どものときには思わなかった…

愛
13日前
14

大人の巧妙より上の巧妙(未来を言うの続き)

 わたしが勘を働かせようとしたときに見るものは何なのか。  それは記憶から統計を取って最も可能性がある場面を示しているのか。  だとしたら、子どもの頃のわたしには…

愛
2週間前
13

多分それを言うためです。(未来を言うの続き)

 いい忘れたけど、ところで志と忘れるって字が似過ぎていて、志は、そのときは士たちが心の中にいて(士たちってなんだろうね)、忘は心の中の士たちが死んだんだろうか?…

愛
2週間前
13

犬についてはこう見えたよ(未来を言うの続き)

 ある犬のときは、わたしが見たのは砂利だった。青味のある、ひんやりしていそうな砂利が見えた。枯れたすすきや川も見えた。  随分あちこちをうろうろしたけれど、彼に…

愛
2週間前
13

望遠鏡が意思を持ったら見えない(未来を言うの続き)

  未来のことを言うときに、こんな風によくわからないものを見るのでも、そのときには微かに、何か情報が無ければ無くても、脳裡に浮かぶものをこうして捉えられる運動が…

愛
2週間前
16

望遠鏡になる(未来を言うの続き)

 では、犬は見つかるかという質問に答えようとして、五感を閉じて、犬、会ったこともない犬がどうしていて、どうなると答えるとき、頭には何が浮かんでいるのかを、記録し…

愛
2週間前
10
胸中の手記 5月8日 体の外に出たくなる

胸中の手記 5月8日 体の外に出たくなる

5月8日 水曜日 曇りと雨

寝ている間に体の外に出る方法があるということを小耳に挟んで、体の外に出てみようかと試してみたけれど、体から出ようとしたら体も一緒に体から出ようとしたから、結局わたしは体とぴったり一緒でした。
夢の中で自分の好きなように動けたこともない。夢の中でするより、現実でできると自分を信じるために、まず夢の中で確信を持って見ようかと思ったけれど、いつも夢の出来事に驚いて、反応して

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胸中の手記 5月7日 時間が変わる

胸中の手記 5月7日 時間が変わる

5月7日 火曜日 風と霧雨

お元気ですか。なぜかわたしの周りでは、体調を崩して仕事を続けられなくなった人が何人もいます。
一昨日、心に何かを決めてから、どんな風にそれを為せばいいのかと悩んで、一番良かった答えは、わたしの場合は、真っ直ぐにやることでした。
真っ直ぐが取り柄ということなのかなと思います。

気付けば日記の中で、一昨日と書いていることが何回もあって、字も、日記も書いていられないくらい

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胸中の手記 5月5日 大いに励まして気を引き立てる(激励)

胸中の手記 5月5日 大いに励まして気を引き立てる(激励)

5月5日 日曜日 晴れ

また、自分じゃない自分になりたくなったの?
それはたぶん、やめておいた方がいいよ。

しばらくの間、わたしは「こうはなりたくない」という気持ちに集中して「こうありたい。これを知りたい」という気持ちを忘れてた。
人のせいにはしなくていい。なりたくないものに、ならないと決めたらいい。

夢を疑ったよね。足を引っ掻かれたとき、蟹に足を挟まれてる夢を見てたから、夢って全部現実の置

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胸中の手記 5月4日 仕事前のお母さん

胸中の手記 5月4日 仕事前のお母さん

5月4日 土曜日 快晴

日中の気温が三十度に達したそうだけれど、屋根の下で全ての窓を開け放って仕事をしたから、風が次々に吹き抜けて行って、体も洗濯物もサラサラしていました。
薄い布は風に靡いて木の葉のように優雅だった。

日々の生活は問題ありません。
だけど、わたしの心の力は余っています。
言葉にするのが難しいことをたくさん感じて、やっと宿題が楽しくなってきた。

生きるのがやっとのところから、

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胸中の手記 5月3日 怒るというのは何

胸中の手記 5月3日 怒るというのは何

5月3日 金曜日 晴れ

祝日であることを忘れて、郵便局へ支払に行った。行きました。
間違って出掛けたついでに、カルピスとアイスクリームを買っちゃった。
ついでに来月誕生日の人のプレゼントの予算を考えて、なら今年のわたしの一張羅を決めて、あまりいろいろ着なければ出費少なく、集中もできて、随分いいだろうと考える。
そんな一日も必要ですか。

一昨日までは怒っていたから、ガジュマルの幹の形は人間の想像

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胸中の手記 5月2日 雲間

胸中の手記 5月2日 雲間

5月2日 木曜日 曇りのち晴れ

部屋の中のものを、使っていないものから片っ端に捨てています。
嫌な思い出になったものなどは、昔の自分だと思って捨てています。
物には罪はないけれど、わたしも物であるので、いつかは塵になる。

朝は曇り空だった。曇り空といつか誰かが呼んだのと同じように、太陽とわたしたちの間に雲が広がっていて、その向こうにあるはずの太陽の光がおぼろに見える。それを曇り空と呼んでいる。

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胸中の手記 5月1日 雨の日植物たちが愛おしく

胸中の手記 5月1日 雨の日植物たちが愛おしく

5月1日 水曜日 雨

雨が降っているのがわかる。
見ていないけれど、わたしは傘を持って、これから出掛けてゆくでしょう。
窓を通して聞こえる音が、わたしには、通る車が地面に溜まった水を跳ね上げながら進んでいる音に聞こえるから。

夕食は摂らないまま行きます。
「準備はいいかい?」という言葉と、ハンバーグの絵を電話で見て、もうすぐ外で食事だと思っているから。

人も植物たちも動物も、わたしといて、幸

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胸中の手記 4月30日 一瞬前の過去とさよなら

胸中の手記 4月30日 一瞬前の過去とさよなら

夜風が吹いている。夜風の中を走ると空気が止まっていても風になるようです。
汗と水蒸気が混じって、体の面だけが冷たくなっているけれど、暑さがある。
橋の下を走ってすれ違ってゆく二本の電車の中が皎々と、中にいる人々を照らし出して、たくさんの生活の一瞬だけど、わたしははっきり見た。
遠くから見るとあんなに小さい。遠くから見るとあんなに明るい。あんなにたくさん一気に見える。楽しいけれど、橋を通り過ぎた。

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感覚人間の天国(未来の言い方)

感覚人間の天国(未来の言い方)

(これは終わりだから少し長いですよ。)

 未来を言うときには「このままでは不味い」とか「条件付きで問題が解決する」とか、所謂大昔から様々な歴史の中の人物が頼ってきた経書のように、見通しを立てられるように話すのです。
 それを踏まえて行動するのかしないのかは、未来について質問をした人次第だから、結局今だって未来だって、自分次第です。

 望遠鏡のようになっているとき思うのは、望遠鏡には時間の概念は

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ミッキーマウスの額みたいな犬(未来を言うの続き)

ミッキーマウスの額みたいな犬(未来を言うの続き)

 先日また、犬がいなくなって探しているという方がいました。別に犬のことばかりではないけれど、ここでは犬のことだけを例にお話します。

 わたしはまた五感を閉じて、自分のために何か忙しなく考えたりするのもやめて、「そのいなくなった犬とは?」という疑問だけを思う。
 そうすると、額がミッキーマウスのように富士額になった白と茶色の犬の顔が脳裡に浮かんだ。
 それがその方の探している犬の顔かどうかはわから

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大きな言い訳(未来を言うの続き)

大きな言い訳(未来を言うの続き)

 でもわたしの考えでは、勘も人間が生きていれば働かせずにはいられない。

 何か、今わたしは何かを恐れているんだけれど、こういうことは子どものときには思わなかった。
 わたしがこうして考えていることは確かに肝心で、この意味が素直に伝わるなら空気だって読み過ぎないでよくなるし、集中してやったことの結果が自分だけではない、誰かの役にも立つ。

 もはや勘というものではなくてもいい。
 とんでもないこと

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大人の巧妙より上の巧妙(未来を言うの続き)

大人の巧妙より上の巧妙(未来を言うの続き)

 わたしが勘を働かせようとしたときに見るものは何なのか。
 それは記憶から統計を取って最も可能性がある場面を示しているのか。
 だとしたら、子どもの頃のわたしには、統計を取れる程の膨大な記憶はないのだからおかしい。
 大人の勘への信用度が、子どもの勘への信用度より低くなるのは、これは大人が巧妙だからではないかとわたしは思う。

 それで、実際に大人のわたしは意思が働き過ぎているとよく見えないし、子

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多分それを言うためです。(未来を言うの続き)

多分それを言うためです。(未来を言うの続き)

 いい忘れたけど、ところで志と忘れるって字が似過ぎていて、志は、そのときは士たちが心の中にいて(士たちってなんだろうね)、忘は心の中の士たちが死んだんだろうか?なんて、考えてしまった。
 今はその話ではないけど、そう、言い忘れたけど、犬は工場の敷地の隅にこしらえられていた小さな造植林に隠れていた。
 というのを(後で)聞いて、わたしの胸が希望に躍った。わかるかしら。

 わたし、わたしに限らず、人

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犬についてはこう見えたよ(未来を言うの続き)

犬についてはこう見えたよ(未来を言うの続き)

 ある犬のときは、わたしが見たのは砂利だった。青味のある、ひんやりしていそうな砂利が見えた。枯れたすすきや川も見えた。
 随分あちこちをうろうろしたけれど、彼には道がわからなくて、家の方角だけがわかるようだった。と思ったのは、彼がいろんな場所の匂いを嗅いで、顔を上げているのが時々景色の見える合間に感じられたからです。

 彼は来た道を戻るということは考えずに、直線的に、山を越えて、行き止まりも通り

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望遠鏡が意思を持ったら見えない(未来を言うの続き)

望遠鏡が意思を持ったら見えない(未来を言うの続き)

  未来のことを言うときに、こんな風によくわからないものを見るのでも、そのときには微かに、何か情報が無ければ無くても、脳裡に浮かぶものをこうして捉えられる運動が自分の中に起こることは、安心感を生みます。

 わたしは自分の脳には常々、何か刺激が与えられないと、独自で快い運動が起こせないのではないかと、心細くなっている。
 心細さを解消できるような刺激には、全く自然なものという性質があるとわかってい

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望遠鏡になる(未来を言うの続き)

望遠鏡になる(未来を言うの続き)

 では、犬は見つかるかという質問に答えようとして、五感を閉じて、犬、会ったこともない犬がどうしていて、どうなると答えるとき、頭には何が浮かんでいるのかを、記録しておこうと思います。

 それは、時間軸のわからない、断片的な映像です。視点もよくわからない。
 人が記憶を思い起こすときとよく似ている気がするけれど、新しい映像を見ているから自分が何かを思い出しているわけではないことは確実です。

 そう

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