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『ようこそ映画音響の世界へ』(’19・米)【すべての映画ファンが知るべき!”音”がもたらす演出の魔法】
1927年に初の本格的なトーキー映画『ジャズ・シンガー』が誕生して以来、”音”は映画にとってなくてはならないものとなった。映画音楽、効果音、声…。さまざまな名作の裏側で、この音響効果を創り出している人々がいる。そんな立役者たちにフォーカスした大変貴重なドキュメンタリー。
本作は、いかに映画が音響によって成り立っているか、そしていかに私たち観客がそのことに対して無意識かを痛感させてくれる。映画音響
『ことりのロビン』('21・英)フェルトの動物たちが紡ぐ心温まる自分探しの物語ー英国屈指のスタジオ待望の新作には新たな試みがいっぱい!
アカデミー賞を数多く受賞し、『ウォレスとグルミット』シリーズや『ひつじのショーン』シリーズなど、数多くの名作を送り出してきた、イギリスが誇るストップモーション・アニメーションの最高峰スタジオ「アードマン・アニメーションズ」。彼らの待望の新作『ことりのロビン』(32分)が、11月24日からNetflixで配信開始された。
ゴミ捨て場に転がり込んでしまった小さな卵から生まれたコマドリのロビンは、そ
『スーパーノヴァ』('20・英)【ともに過ごす時間への愛おしさー名優2人による究極の愛の物語】
コリン・ファースとスタンリー・トゥッチという、長年映画界を支え続けてきた重鎮2人が、儚い運命に直面した男性カップルを演じた秀作。
ピアニストのサムと作家のタスカーは、20年以上もの時を過ごしてきた熟年カップル。ともに音楽と芸術をこよなく愛し、時にジョークを飛ばしながら、2人で過ごす静かな時間を何よりも大切にしてきた。しかし、タスカーがある”不治の病”に侵されており、図らずも2人で過ごす時間は
『ザ・ファイブ・ブラッズ』(’20・米)【ベトナム戦争は今も続いている。戦争が生んだアメリカの闇を浮き彫りにするスパイク・リー流反戦映画】
スパイク・リー監督によるNetflixオリジナル作品。化学療法を続けながら撮影に参加したという、故チャドウィック・ボーズマンの雄姿に目頭が熱くなる。
現代のアメリカ。ベトナム帰還兵の黒人男性ポール、エディ、オーティス、メルヴィンの4人は、ベトナムで久々の再会を果たす。彼らがここに来た目的は、かつての隊長で戦死したノーマンの遺骨と、当時彼らが見つけたままになっている埋蔵金の回収だった。高齢の父親を
『ビルド・ア・ガール』(’19・英)【90’sUKロックシーンを背景に、ひとりの少女の“自分作り”を描くエンパワーメント・ムービー】
失業者の急増で不景気にあえぐ1993年のイギリス。ウルヴァーハンプトンに暮らす女子高生ジョアンナ・モリガンは、飽くなき探求心と底なしの想像力に満ち溢れた16歳。両親と兄弟との7人暮らしで決して経済的にも恵まれた環境ではなく、学校でもイジメを受ける冴えない生活を送っていた。しかし、ひょんなことから応募した大手音楽雑誌「D&ME」に仕事をもらい、ロック・ミュージックの世界に傾倒していく。髪の毛を赤色に
もっとみる『ハニーボーイ』('19・米)【壮絶な過去をあえて追体験することで、父親から受けた”痛み”を克服する】
シャイア・ラブーフの波乱に満ちた幼少時代をもとにした、彼の半自伝的映画。
若手人気俳優のオーティスは交通事故を起こし、療養所でしばらく治療に専念することになる。そこでカウンセラーからPTSDの兆候があることを指摘され、原因を解き明かすうちに心の奥にしまっていた幼少時代の父との日々を回想することになる…。
幼い頃に両親が離婚し、その後父親ジェームズ(演じるのはシャイア)と2人きりの生活を送ること
『ザ・ハーダー・ゼイ・フォール: 報復の荒野(‘21・米)』【スタイリッシュな銃撃戦の中に“復讐”が“復讐”を生む哀しき連鎖を描く】
ウィル・スミスが設立した映画会社オーバーブック・エンターテインメントと、Netflixがタッグを組んだ、全く新しい”シューテム・アップ・ムービー(派手な撃ち合いのあるアクション系映画)”が誕生した。
かつてならず者のルーファス・バックに目の前で両親を殺され、自らも額に傷をつけられた過去のあるナット・ラブ(ジョナサン・メジャース)。時を経て、自らも無法者として暗躍する彼のもとに、悪名高いバックが無
【『Everybody's Talking About Jamie ~ジェイミー~』('21・米英)【 ”ありのままの自分”を受け入れるためのカミング・オブ・エイジ・ムービー】
BBCスリーで2011年に放送されたドキュメンタリー『Jamie: Drag Queen at 16』をベースにしたウエストエンド・ミュージカルの映画化。2020年に20世紀スタジオ配給で劇場公開される予定も、コロナウイルスの影響でキャンセルとなって、ついにAmazon Primeにてようやく日本でも鑑賞できるようになった。
イギリスのシェフィールドに暮らす16歳の少年ジェイミー。彼の部屋に飾ら
ノマドランド('20・米)【“流浪の民”として生きていくという信念の決断】
リーマンショックの影響で居住地を失い、愛する夫も亡くした60代の女性ファーン。そんな彼女が選んだのは、キャンピングカー(バン)に乗って国中を回り、季節労働をしながら生活費を稼ぐという“ノマド”(現代の遊牧民、車上生活者)としての生き方だった。土地や現地の人間関係にとらわれない、ファーンの自由に満ちた旅の行方を描く。
金融危機や社会保障の問題など、資本主義社会にはびこる様々な影響を受けてしまった高
キューブリックに魅せられた男('17・米)【それでも"映画の仕事"がしたい!大巨匠にその人生を捧げ、彼の映画に憑りつかれた一人の男の真実】
今もな名匠として謳われ、日本の映画ファンも老若男女問わず名前を挙げることの多いスタンリー・キューブリック監督。そんな彼が手がけた『バリー・リンドン』に出演したことをきっかけに、25歳の時から裏方として彼の右腕アシスタントとなって働き続けた元俳優レオン・ヴィターリの回顧録。
映画業界(それに限らずエンタメ業界)で働くことに興味のある方、もしくは働いている方にこそぜひ観ていただきたい1本。映画を愛す
キャッシュトラック('21・米)【”ガイ・リッチー節”をあえて封印?!硬派すぎるステイサムに酔いしれる壮絶な復讐劇】
「歩いてるだけで強そう」でおなじみ(嘘)、ステイサム扮する”H”が、LA屈指の現金輸送車の警備会社に入社。寡黙で謎に満ちた彼は、実はとんでもない戦闘能力を持っており、次第になぜこの会社に彼が就職したかの理由が徐々に明らかになっていきます。オリジナルは、フランス映画の『ブルー・レクイエム』(未見)とのこと。
新作を観るたびに心酔してしまう、大好きな監督ガイ・リッチー。先日公開された『ジェントルメン