最近の記事
- 固定された記事
『ことりのロビン』('21・英)フェルトの動物たちが紡ぐ心温まる自分探しの物語ー英国屈指のスタジオ待望の新作には新たな試みがいっぱい!
アカデミー賞を数多く受賞し、『ウォレスとグルミット』シリーズや『ひつじのショーン』シリーズなど、数多くの名作を送り出してきた、イギリスが誇るストップモーション・アニメーションの最高峰スタジオ「アードマン・アニメーションズ」。彼らの待望の新作『ことりのロビン』(32分)が、11月24日からNetflixで配信開始された。 ゴミ捨て場に転がり込んでしまった小さな卵から生まれたコマドリのロビンは、それを見つけたネズミの家族に育てられた。ネズミと同じように、人間のごちそうを「どろ
『ザ・ファイブ・ブラッズ』(’20・米)【ベトナム戦争は今も続いている。戦争が生んだアメリカの闇を浮き彫りにするスパイク・リー流反戦映画】
スパイク・リー監督によるNetflixオリジナル作品。化学療法を続けながら撮影に参加したという、故チャドウィック・ボーズマンの雄姿に目頭が熱くなる。 現代のアメリカ。ベトナム帰還兵の黒人男性ポール、エディ、オーティス、メルヴィンの4人は、ベトナムで久々の再会を果たす。彼らがここに来た目的は、かつての隊長で戦死したノーマンの遺骨と、当時彼らが見つけたままになっている埋蔵金の回収だった。高齢の父親を心配したポールの息子デヴィッドも加わり、過酷なジャングルに数十年ぶりに入ることに
- 固定された記事
『ビルド・ア・ガール』(’19・英)【90’sUKロックシーンを背景に、ひとりの少女の“自分作り”を描くエンパワーメント・ムービー】
失業者の急増で不景気にあえぐ1993年のイギリス。ウルヴァーハンプトンに暮らす女子高生ジョアンナ・モリガンは、飽くなき探求心と底なしの想像力に満ち溢れた16歳。両親と兄弟との7人暮らしで決して経済的にも恵まれた環境ではなく、学校でもイジメを受ける冴えない生活を送っていた。しかし、ひょんなことから応募した大手音楽雑誌「D&ME」に仕事をもらい、ロック・ミュージックの世界に傾倒していく。髪の毛を赤色に染め、奇抜なファッションに身を包んだ駆け出しの音楽ライター“ドリー・ワイルド”と
『ザ・ハーダー・ゼイ・フォール: 報復の荒野(‘21・米)』【スタイリッシュな銃撃戦の中に“復讐”が“復讐”を生む哀しき連鎖を描く】
ウィル・スミスが設立した映画会社オーバーブック・エンターテインメントと、Netflixがタッグを組んだ、全く新しい”シューテム・アップ・ムービー(派手な撃ち合いのあるアクション系映画)”が誕生した。 かつてならず者のルーファス・バックに目の前で両親を殺され、自らも額に傷をつけられた過去のあるナット・ラブ(ジョナサン・メジャース)。時を経て、自らも無法者として暗躍する彼のもとに、悪名高いバックが無罪放免で釈放されたという知らせが入り、同じくバックを追う保安官のバス・リーヴス(
【『Everybody's Talking About Jamie ~ジェイミー~』('21・米英)【 ”ありのままの自分”を受け入れるためのカミング・オブ・エイジ・ムービー】
BBCスリーで2011年に放送されたドキュメンタリー『Jamie: Drag Queen at 16』をベースにしたウエストエンド・ミュージカルの映画化。2020年に20世紀スタジオ配給で劇場公開される予定も、コロナウイルスの影響でキャンセルとなって、ついにAmazon Primeにてようやく日本でも鑑賞できるようになった。 イギリスのシェフィールドに暮らす16歳の少年ジェイミー。彼の部屋に飾られた”Long Live The Queen!(女王よ、永遠なれ!)”と書かれた
キューブリックに魅せられた男('17・米)【それでも"映画の仕事"がしたい!大巨匠にその人生を捧げ、彼の映画に憑りつかれた一人の男の真実】
今もな名匠として謳われ、日本の映画ファンも老若男女問わず名前を挙げることの多いスタンリー・キューブリック監督。そんな彼が手がけた『バリー・リンドン』に出演したことをきっかけに、25歳の時から裏方として彼の右腕アシスタントとなって働き続けた元俳優レオン・ヴィターリの回顧録。 映画業界(それに限らずエンタメ業界)で働くことに興味のある方、もしくは働いている方にこそぜひ観ていただきたい1本。映画を愛する者として私もずっと映画業界で働くことを夢見ていた身なので、ただただ共感しかない