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日光かわず庵雑記帳

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作家・たくき よしみつ のWEB日記『のぼみ~日記』(https://nikko.us/nikki/)の中から、コラム的なもの、時事問題的なものを選んで再編集し、集めました。
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#東京五輪

五輪難民選手という存在

五輪難民選手という存在

五輪貴族(ヤクザ?)やら利権政治家やらに税金いっぱいむしり取られ、命の危険もありながらやった大運動会でしたが、少なくとも爆弾は落ちてこなかったし、暴動も起きませんでした。日本って平和でしょ、今のところはなんとか……というアピールが全世界にできた?

それだけではあまりにも3兆円だの4兆円だのと言われる出費に見合わないので、せめて、選手たちが身体を張って見せてくれたドラマに、いろんなことを学んでみた

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新谷仁美さんへ

僕と同じような気持ちの人は少数派かもしれないけれど、あなたのファンの一人として「僕ら」という一人称を使わせてもらうよ。
僕らはあなたの走りと東京五輪というイベントは別物だと思ってる。
僕らは強いあなたのファンだし、心が揺れ動くあなたのファンでもある。すごいドラマを見せてもらえて感謝している。
だから、「世間の目が」とか「国民の気持ちが」とか、一切考えなくていい。目の前に走れるレースがあって、走る準

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ノルウェーが冬季五輪開催立候補を辞めたのはIOCの正体を知ったから─日本はなぜできない?

ノルウェーが冬季五輪開催立候補を辞めたのはIOCの正体を知ったから─日本はなぜできない?

バッハ会長「何が何でも五輪」の裏には豪華なおもてなし? という日刊ゲンダイの記事をまとめてみる。

●2022年冬季五輪開催の本命都市とみられながら、2014年10月に突然の辞退を表明したノルウェーのオスロ。
●辞退の理由は4000億円とも言われた開催費用だが、辞退の理由はそれだけではない。
●ノルウェーメディアが「IOCがタダ酒と国王主催のパーティーを要求」と題して、IOCがオスロ招致委に提示し

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東京五輪2020契約書のトンデモ度

東京五輪2020契約書のトンデモ度

「ぼったくり男爵」が強気なわけ
今月初め、米国ワシントンポスト紙に掲載されたサリー・ジェンキンス氏(スポーツジャーナリスト)のコラム "Japan should cut its losses and tell the IOC to take its Olympic pillage somewhere else" が話題になった。
「国際オリンピック委員会(IOC)のフォン・ボッタクリ男爵と金ぴかイ

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新たな変異株の侵入を防ぐことと医療体制の緊急対応・変革が急務なのに……

新たな変異株の侵入を防ぐことと医療体制の緊急対応・変革が急務なのに……

五輪代表選手に「本当に走っていいのか」と悩ませる罪
5月5日、「札幌チャレンジハーフマラソン」というのがあった。
東京五輪のマラソンレースをテストする意味を兼ねているという。
で、この大会、コロナの感染が拡大中の札幌市内で開かれたため、予定されていた10kmの市民マラソンは中止。沿道の応援は自粛を呼びかけるというレベルを超えて、急遽300人増強して770人に増やした「自粛呼びかけスタッフ」が「感染

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「スポーツの価値・魅力」とは何か? ー五輪以外の競技会が開催できなくなる脅威となりうる東京五輪2020ー

「スポーツの価値・魅力」とは何か? ー五輪以外の競技会が開催できなくなる脅威となりうる東京五輪2020ー

TWOLAPSから目を離せない
『報道ステーション』で松岡修造が新谷仁美にインタビューしていた。

新谷仁美がどれだけの逸材で、魅力的な選手かは今さら説明するまでもないが、彼女を陸上界に復帰させた立役者である横田真人コーチがすごい。
インタビューの中で「自分しか信じられなかった」「自分以外はすべて敵だと思っていた」と言う新谷を見て、妻は「横田コーチは人に懐かない野良犬を拾ってしまったようなもので大

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スポーツの発展のためにもオリンピックは1回やめたほうがいい

スポーツの発展のためにもオリンピックは1回やめたほうがいい

前回の最後の部分で、
「世界のスポーツ界や国家・宗教を超えた平和運動のためにできることは何かという困難な課題に真摯に向き合う覚悟」
ということを書いた。
抽象的なきれいごとを言いっ放しで終わっていると思う人も多いだろう。
できるできないは別にして、現時点で私が考える理想的な(=非現実的かもしれないが)方法を簡単に書き留めておきたい。
基本的な考え方は、
●IOCは「オリンピック」という「商標」使用

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IOC利権独占五輪の末路が東京2020

IOC利権独占五輪の末路が東京2020

今年、1年延期された東京五輪が開催されるかどうか極めて怪しい中、異様な形で聖火リレーが始まった。
森喜朗の「(沿道の密を避けるためには)有名人は田圃を走ったらいい」発言あたりからすでに「何のためにやるんだ?」という当然の疑問が上がっていたが、丸山達也島根県知事の「県内での聖火リレー中止要請もありえる」発言、さらには大音量で音楽を流し、車上でDJ風の男が踊り、沿道の観衆に向けて大声で叫ぶ異様な光景が

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オーストラリアでCOVID-19死者が少ない理由は?

オーストラリアでCOVID-19死者が少ない理由は?

先日の全豪テニスで、海外からやってきた選手やスタッフへの防疫体制の徹底ぶりに驚いた。
飛行機はすべてチャーター機を用意し、空港到着後の検査で一人でも陽性反応者が出ると、その者と同じ飛行機に乗っていた全員を2週間ホテルに完全隔離する。それも、一切部屋から出さないという徹底ぶり。
それ以外の選手も、コートでの練習2時間を含む1日5時間までの外出のみが許され、実質24時間監視されていた。
期間中は毎日検

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地震で出てきた週刊プレイボーイと原発爆発後の10年

地震で出てきた週刊プレイボーイと原発爆発後の10年

昨夜(2021/02/13)遅く(23時過ぎ)、大きな地震があった。
久しぶりに長く、かなり揺れたので、3.11のときの感覚が甦った。
幸い、棚からものが落ちたりギターケースが倒れたりしただけで、大した被害もなく収まったと思っていたが、一夜明けたら、仕事部屋の本棚が大きく歪んで、崩壊寸前になっているのが分かった。壁に打ち込んでいたビスがすっぽ抜けて、大きな隙間ができている(↓)。

その隙間から週

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日本社会を支配する「森喜朗的なもの」という国難要素

日本社会を支配する「森喜朗的なもの」という国難要素

#わきまえない女  というハッシュタグがSNSを賑わせた今回の「森喜朗事件」。その後も「後任の乱」だの「おじいちゃんたちの中二病」だの「男が多い会議が長引いて後任がなかなか決まらない」だのと、大喜利状態になっている。
今回はたまたま女性蔑視発言が引き金になったが、実際はそれも含めた「森喜朗的なもの」すべてにNOをつきつけているのだ。
今まで職場や家庭などで、この手の「分かってない上の連中」に辟易しな

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東京五輪中止発表前に振り返る 「天罰五輪」の不愉快な備忘録

東京五輪中止発表前に振り返る 「天罰五輪」の不愉快な備忘録

未だに中止決定発表がない東京五輪2020だが、もはや開催不可能なことは明白だ。こうしている間にも毎日無駄金が垂れ流されている。さっさと中止を発表し、国全体でしっかり反省を始めなければいけないのに、これでは敗戦を認められずに国民の被害を悲惨なものにしていった終戦前と同じだ。

なんでこんなことになってしまったのか?
WEB上には、大手メディアから個人ブログまで含めて、怒りともため息ともとれる「反省」

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