マガジンのカバー画像

よみきり記事

30
弊サロンのオリジナル記事一覧です。 シリーズ記事は別途マガジン化しています。
運営しているクリエイター

#映画

Identityの問題──インドとディズニーランド、カレシとポリコレ、松下幸之助とミッキーマウスについて

Identityの問題──インドとディズニーランド、カレシとポリコレ、松下幸之助とミッキーマウスについて

ディズニーパークの最大の弱点、すなわちネットでいじりやすいところと言えば「ミッキーマウスの中の人」ではなかろうか。

この単語を出した時、実に色々な反応が想定されておもしろい。「夢の国とはいえ所詮中は人www」となるのか、「子供には見せちゃダメ!」みたいな茶化し方になるのか、それとも「ミッキーに中の人なんていません!」なのか、「ミッキーの中の人によって性格が違う」とか言い出すのか(事実に最も近いの

もっとみる
バックグラウンドかミュージックか─BGMから紐解く現代の物語

バックグラウンドかミュージックか─BGMから紐解く現代の物語

先日、映画『モンスターズ・ユニバーシティ』のサウンドトラックを買った。ある種の趣味であり、ディスクで買うのが好きである。
『モンスターズ・ユニバーシティ』の映画は、名曲が揃っている。映画『モンスターズ・インク』の前日譚であり、「インク」では会社員だったマイクとサリーの大学生時代を描いているのだが、それ故サウンドトラックも同様に「若返り」を果たしている。ジャズを主とした「インク」に対して、そこから同

もっとみる
「タワー・オブ・テラー」とは何か、元ネタ映画を通して考える【随時更新】

「タワー・オブ・テラー」とは何か、元ネタ映画を通して考える【随時更新】

東京ディズニーシーの「タワー・オブ・テラー」はオープン時、“東京ディズニーシー史上最恐”とかいう親父ギャグを看板にしていた。フリーフォールタイプのアトラクションとして、そして呪いにまつわるホラーストーリーとして、二つの意味で恐いので、まあおかしくはないのであるが。
さて、「タワー・オブ・テラー」は、綿密に練られたストーリーが有名だ。栄華を極めたホテル、大富豪で探検家であったオーナーの突然の失踪、鍵

もっとみる
ディズニーによる「夢の解体」が始まっている

ディズニーによる「夢の解体」が始まっている

「今度、ディズニーに行くんだ」

こういうときのディズニーは「東京ディズニーランド」なり「東京ディズニーシー」なりを指しているというのがいつもの流れである。そこに「へえ、あの夢の国ね」なんて付け足したらもう完璧だ。
“ディズニー”はいい。1日、東京の狂騒を離れ、楽しい音楽の溢れる“夢の国”へアクセスし、束の間の休息。あちらのアトラクションからこちらのアトラクションへ、ワゴンフードを買ってお喋りしな

もっとみる