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うつわマガジン2019

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#アート

ちょっとブレイク 企画展「話しているのは誰?」について

ちょっとブレイク 企画展「話しているのは誰?」について

まえがきコッチョリーノ

▶︎久しぶりの「ちょっとブレイク」です。環境がゆるせば ワーグナーの「リエンツィの祈り」を聴きながら読んでいただくと幸いです。▶︎ザザザザとざわめきを感じたら、制作や打ち合わせのはざまにアートや映画鑑賞に突然つっぱしります。▶︎土がついている手をカリカリしながら鑑賞するのも悪くない。▶︎友人とまちあわせてギャラリーや美術館や博物館にいけなくて。友人の展覧会は、広めたいと

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新しい土 「春がくるまでお待ちください」

新しい土 「春がくるまでお待ちください」

昨日は「春がくるまでお待ちください」の手紙に、たくさんのお返事、記事の拡散、読んだよマークをありがとうございました。

微光がさす道

実は、今回の展覧会は、新しい土のデビュを待っていて。ちょうど一年前くらいから土のプロに相談していたもので、希望を伝え、ブレンドをお願いして、サンプルをいくつか焼いてもらっていた。

学生時代は、研究もかねて土づくりもしたが、いま自身の立場としてやるべきことは何

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アルカイックスマイルでいこう「春がくるまでお待ちください」

アルカイックスマイルでいこう「春がくるまでお待ちください」

歩みをとめた「窯のこと」あの日は、電源を入れたとき、窯が咳ばらいしたような気がして。チリチリチリという小石が喉をまわるような。そして最高温という山にのぼりながら、いつも以上に苦しそうに唸っていたように思う。

そして最高温の表示を確認したのち、窯は歩みをとめた。

※「ブログ コッチョリーノ 」から
note用に書きおろした記事です。

手紙をかくように「延期のこと」拝啓

立冬がすぎ、冬の

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「やまもりさま」からわたしへ

「やまもりさま」からわたしへ

やまもりさまの声

おととい、新作がわれた。
かけらなんて拾うからさびしいんだし、どんな意味があったのかなぁ、なんて諸行に理由を求めてしまうからさらに感傷にひたるのだ。継ごう、継ごうよ。

そのひ、かたつむりが眠りについた。
殻の中なんてのぞくからさびしいんだし、雨あがりの早朝、庭のツユクサの足元に、さようならなんて手をあわせるから別れだと思うのだ。またね、と手をふろうよ。

きのう、クルマが動

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陰翳礼讃の森-3

陰翳礼讃の森-3

人間の創造とは

結果が出てから失敗だとか成功だとか言うことが多いのが気になる。エゴやら利害が関連するのは、社会的な問題だけでなく、整合性なきコミュニケーションが必要なちいさなちいさな世界であるアートにも重なる。

対して、ギャラリー主催公募展のために自由奔放につくった作品、道祖神「やまもりさま」は、整合性なきストーリーを次々と自立歩行でつくりあげていくので楽しい。

旅する空也

旅をして社会事

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陰翳礼讃の森-2

陰翳礼讃の森-2

結んだ言葉

まじないの言葉「あめふれふれ」あらため、いそいで深夜に必至に結んだ言葉は「あめほどほど」。宅急便で届くだろうか。

「やまもりさま」という道祖神的な陶土オブジェをつくり蓼科の森のギャラリーに設置してきたが、ちいさく反省というか、遠隔でやまもりさまに伝えたいことがある。

「あめほどほど」

強い勢力をもつ台風。まじないの言葉「あめふれふれ」が、被害あるほど効いてしまってはいけない

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ちょっとブレイク「新元号とこどもたちの未来」

ちょっとブレイク「新元号とこどもたちの未来」

ブローチをにぎったとき

ふだんあまり書かないこどもたちの未来とやらを一筆。

昨年末、個展の直後、同ギャラリーのチャリティー展に参加した。みなさまのご来廊、ひいてはギャラリーの尽力で、27名の作品売り上げの一部が、震災地のこどもたちにに寄付されたことをブログで報告した。

コッチョリーノの売り上げは「ふくしまこども寄付金」に。家族がこの地で生まれ育った経緯も重なり、復興とこどもたちの未来を深く願

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100グラムはけっこうしあわせだから

100グラムはけっこうしあわせだから

静かに時をかけて根づくということ

動いてもすぐに答えの出るものばかりではない。ひとつものだけ輝くのではない。そんな中でみなが泳いでいるのだと思う、うようよと。

アートという仕事も。生きるうえでは、枯渇しきったり、また浮いてきたり。芽が出て花が咲いたら、それだけで喜べる仕事なのかもしれない。気がつくと欲がなくなるような、そのわりに肉体労働きわまりない。おそらく、芸術を生業とするということは、どろ

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