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#映画
R.I.P.ジーナ・ローランズ グロリア/ジョン・カサヴェテス監督(1980)
偶然逃走してしまうことになる、元ギャングの情婦の中年女性と組織への裏切りで、父を亡くしたラテン系の子供が親子、いや相棒のように心を通じ合う物語であるというストーリーラインのこの映画をよりカサヴェテスたらしめている理由は、舞台とその描き方ではないかと思います。
彼の映画の多くが、どこの場所で、描かれたかを強く意識させることが多く、「こわれゆく女」のような家の中(多くは階段があるカサヴェテスの家)や「
オープニング・ナイト/ジョン・カサヴェテス監督(1977)
カサヴェテスの映画の中でも、妻ジーナ・ローランズが前作「こわれゆく女」同様、精神が崩壊し、錯乱していく女性を演ずる映画で、唯一、夫婦役を演ずる作品。
役者さんは、その役に入り込みすぎて、自らの精神にも支障をきたしてしまう方も多いと聞いたことがありますが、この映画でのジーナは、そんな心配をしてしまうほど、迫真の演技です。
この映画は、人気があるものの老いを感じ始めている舞台女優が、老いを自覚する女
「ゴングなき戦い(原題:Fat City)」/ジョン・ヒューストン監督(1972)
映画タイトルからわかるようにボクシングを描いた映画ですが、この原作は1969年、映画公開は、1972年。つまり、フラワームーブメントのドラックカルチャーによる饗宴が1969年開催のウッドストックフェスティバルとともに、終焉を迎え、泥沼のベトナム戦争の出口も見えない、夢破れた若者たちの落胆と虚無感が充満していた時期であり、映画界は、アメリカン・ニューシネマの時代でもありました。
この映画は、主人公
レオス・カラックス以来、「Modern Love」で走る。~フランシス・ハ /ノア・バームバック監督(2013)
ノア・バームバックという名前は、以前より気になっていたのですが、ふとしたことから、彼の作品Netflix配信の「マリッジ・ストーリー」が作品賞など多くのアカデミー賞にノミネートされたと聞いて、まず彼の代表作「『イカとクジラ』(The Squid and the Whale)」を見ることに。映画のタイトルは、離婚を巡って争う男女のメタファーらしく、かつ監督の実体験はベースにあるそうですが、ニューヨー
もっとみる「Stop Making Sense」4Kリストア版@IMAXシアター
約40年振りに観ました。83年作ですが、僕が見たのは、85年。レイト・ショーのみの公開でした。
当時は、メンズ・ビギがプロモーションをサポートしており、店舗にも大きなポスターが貼ってありました。あの時代、肩幅を強調したジャケットが大人気でしたが、あのスーツは肩だけでなく、身頃も巨大で来日時に観た能にインスパイアされたそうです。
改めて、彼らの音楽をまとめて聴いてから観たので、その辺の話から、映画に
「ミツバチのささやき」/ビクトル・エリセ
1983年 ゴダールの「パッション」を皮切りに、ヨーロッパのアート系の映画を数多く上映し、ミニ・シアターブームを牽引したシネ・・ヴィヴァン六本木の8番目の作品として、上映された映画。調べてみると当時、この映画は単館シネヴィヴァンでの公開時だけで、5万人弱の人が見たそうです。もうすぐエリセの31年ぶりの新作「瞳をとじて」が公開されるので、40年ぶりにこの映画を見てみます。
大きなカップを小さな手で持