池田 和正

Men’s Bigi,LEGO,Amazonを経て、現在はキャリア・コンサルタント。音…

池田 和正

Men’s Bigi,LEGO,Amazonを経て、現在はキャリア・コンサルタント。音楽と映画を中心に書いています。

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ザ・スミス ヴィジュアルアーカイブ展  ロミ・モリ×音楽評論家保科好宏氏トークショー 「ザ・スミス 1984年」

今日は神保町のギャラリーカワマツで The Smithsのライブの撮影をされていたロミさんと音楽評論家としてライブにも立ち合われた保科さんが日本人で何人もいないはずのライブの証人としてお話。   司会は「お騒がせ モリッシーの人生講座」の著者でモリッシーの自伝の翻訳という難事業を担当された上村彰子さん。  1984年当時、全く情報がない中で、The Smithsに出会った時の事を思い出しながら、楽しい時を過ごせました。 ①そこでまず僕の話。 僕の初スミスは デビュー7インチシ

    • ザ・スミスのモリッシーが教えてくれたマンチェスターの「蜜の味(Taste of Honey )」/トニー・リチャードソン(1963)

      イギリスの作家シェラ・デラニーが18歳の時に書いた戯曲「蜜の味」の映画化。 「蜜の味」という言葉を知ったのビートルズのデビューアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」ですが、「長距離ランナーの孤独」などの監督として、イギリス ニュー・ウエーブ映画の中心人物でだったそうで、彼の初監督作「怒りを込めて振り返れ」(look Back In Anger)というタイトルもデビット・ボウイの曲で知りました。(ちなみにオアシスは「Don‘t Look Back In Anger」) そして何よ

      • まぼろし/フランソワ・オゾン(2002)

        「スイミング・プール」や「ぼくを葬る」は、予告編を映画館で観たことがありましたが、ファスビンダーのリメイクということで、観た「苦い涙」が初めてのオゾン体験でした。そこで感じたことは、そのショットや話のつなぎ方に多くの映画を観てきた人だけが、表現できる映画的世界とそれを実現できる確かな技術を感じたともに、色や造形物そして登場人物を対比で描くようなコンセプチュアルなシナリオにも魅力を感じました。 フランソワ・オゾンをじっくり観ようと思い立ち、まず選んだのが、「地獄に落ちた勇者ども

        • ホン・サンス特集 at Stranger映画館

          第74回ベルリン国際映画祭で5度目となる銀熊賞(審査員対象)獲得したホン・サンス監督の日本での最新作「WALK UP」に合わせて、ソフト化されていない5作が公開。今日は、「WALK UP」(2022),「映画館の恋」(2005)「草の葉」(2018)「リスト」(2011、短編)を連続して見てきました。その中で、特に印象に残ったのは、「WALK UP」、「草の葉」でした。 「WALK UP」(2022) 最近のホン・サンス作品は、昔よりミニマルで洗練されてきていると思いますが、

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          Nik Bärtsch's RONIN At Baroom (2024.07.13)

          昨日は、「沈黙の次に美しい音」をコンセプトとしている名門レーベル「ECM」から多くのリリースがあるスイス人ピアニストNik BärtschがリードするバンドRONINのライブでした。 会場は、渋谷と六本木のちょうど間にあるBAROOM。近くにはBlue Noteもあります。BluevNote も良いミュージシャンが来ますが、高級社交場レストラン見たいの ところもあるので、一部のお客さんは演奏聴きに来てないし、一生懸命注文を取ろうとするバイトのウエイター、ウエイトレスさんも目に

          Nik Bärtsch's RONIN At Baroom (2024.07.13)

          Scrapperスクラッパー/シャーロット・リーガン監督(2023)

           ミュージックビデオの製作からキャリアをスタートし、BBCからそろそろ長編を撮ってみないかと提案されたというイギリス出身のシャーロット・リーガン監督の一作目。 はじめての作品では、ワーキングクラスを描きたかったという事ですが、ケン・ローチやショーン・メドウス(「This is England」)のような貧しい労働者階級の悲惨さ、出口のなさを描くイギリスの映画特有の曇った空と煤のついたようなグレーの重苦しいムード(イギリスでは「キッチンシンク」というジャンルがあるそう)とは違い

          Scrapperスクラッパー/シャーロット・リーガン監督(2023)

          全然、日本で公開されないので、イギリスから取り寄せてケン・ローチの「The Old Oak」を観た。

          2023年のカンヌ・フィルム・フェスティバルがワールド・プレミアとなった当時87歳のケン・ローチの最終作となるである最新作「The Old Oak」。 昨年、秋には世界的に公開されましたが、日本では 未だにいつ公開されるかわからないので、イギリスからブルーレイを取り寄せました。 BBCでのディレクターとして、社会主義的な視点で、イギリスの下層階級をリアルに描いてきたケン・ローチ。1990年代に入るとヨーロッパに多く入ってきた移民が、イギリスの下層階級の中に交わるようなストーリ

          全然、日本で公開されないので、イギリスから取り寄せてケン・ローチの「The Old Oak」を観た。

          3-Year Anniversary and Release Party for 「Speaking Brown」~Brother Noland in store Live 2024.07.01.

          ハワイのローカル音楽のレア・グルーブから最新のアーティストを紹介するレーベルAloha Got Soulが、店舗を開設して、3周年ということで、新リリース記念のインストアライブを含む、アニバサリー・Partyに行ってきました。 僕がはじめにAloha Got Soulという言葉を聞いたのは、2016年にイギリスの再発レーベルSTRUTから、発売されたコンピレーション「Aloha Got Soul (Soul, AOR & Disco in Hawai’i 1979-1985)

          3-Year Anniversary and Release Party for 「Speaking Brown」~Brother Noland in store Live 2024.07.01.

          シャンタル・アケルマン映画祭 2024

          英国映画協会が世界各国の研究者・批評家からの回答をもとに10年ごとに集計している「オールタイムベスト100選」で、2022年末に『ジャンヌ・ディエルマン』が第1位に選出されてから日本でも注目されているシャンタル・アケルマン映画祭という事で、東京日仏学院に行って来ました。一昨年から数えるとアルケマンの映画祭は3回目でかれこれ13作品を観ましたが、今日はドキュメンタリー三部作である「東から」「南」「向こう側から」の三作の連続上映。「東から」はソ連崩壊後、旧共産諸国(ウクライナ、ポ

          シャンタル・アケルマン映画祭 2024

          サムライ/ジャン=ポール・メルヴィル監督作品(1976)

          フィルム・ノワール初心者なので、やっぱりジャン=ポール・メルヴィルからと思い、まずはアラン・ドロン主演の「サムライ」から観る事にしました。 「私の夢は、カラー作品で白黒映画を撮る事なんだ」とメルヴィルは語ったそうですが、 ブルーがかった鈍いグレーの色彩は美しく、カメラ追う物や出演者の仕草だけでなく、カメラのフレームが捉えた構図に写り込む細部まで計算し尽くされている事に魅入ってしまいました。 もちろんこの映画のタイトルや主人公のストイックさは「武士道」のフランス人の解釈が現れて

          サムライ/ジャン=ポール・メルヴィル監督作品(1976)

          「トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代」

          クラウド・ファンデイング発表以来、心待ちにしていた映画がやっと公開になりました。  Roxy Musicのオープニング・アクトとして起用されたサディスティック・ミカ・バンド。英有力音楽誌に取りあげられたり、BBCの音楽番組「Old Grey Whistle Test」にも出演し、現地で大きな話題となったという彼らのイギリスでのパフォーマンス。 スタッフによるカセット録音「Live In London」が僕のトノバンを新たに意識したきっかけでした。コミックソングを超えてシュール

          「トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代」

          One Love / Bob Marley

          彼の初来日を観れなかった後悔は今でも続きますが、近所のシネコンで上映していたので朝9時から行って来ました。 席に座ると予告編が流れており、ビルは崩れ、車は衝突、目の前を飛行機は通り過ぎ、衝突の都度,竜巻でも起こるのかというほど大きな音がなり、これも映画かと朝からちょっと疲れましたが、今日は音楽映画なので、音響が良い方が良いと気を取り直して。 はじめに息子さんのジギー(長男)が挨拶に出て来ます。 奥さん(正妻)のリタもよく出て来て、これはマーリー家の正統な(差し障りなく美化され

          One Love / Bob Marley

          システム・クラッシャー/ノラ・フィングシャイト監督作品(2019)

           怒りの感情に一旦火がつくとあたり構わず暴力を振るい手を付けられられなくなる主人公の9歳の少女ペニーが映画が始まると同時大暴れします。もちろんそれは幼少の頃に受けた幼児虐待のトラウマであり、いつまで経っても引き取ってくれない最愛の母への希求の表現であり、周りの養護施設の職員たちは、何とか彼女を更生させようとするがどうにもならないというシリアスな状況な訳ですが、そんな彼女の大暴れがそのテンポの良さと着用するキュートなピンクのアウターのイメージもあり、なぜか爽快に見えて来てしまう

          システム・クラッシャー/ノラ・フィングシャイト監督作品(2019)

          フーリガン(Hoologans Stand Your Ground)/レクシー・アレキサンダー(Lexi Alexander)(2005)

          ロンドンを舞台にフットボール(サッカーではない)の熱狂的で時には暴徒と化すファン フーリガンを描いた映画。 と言っても、イギリスのローワー・クラスのドキュメンタリーからキャリアをスタートして、ケン・ローチや「This is England」で自らが属した集団、スキンヘッズを描いたショーン・メドウスのように、話す言葉も態度もそして身なりも徹底して、そして自然にローワー・クラスのリアリティが出ているという印象を受けるわけではありません。 この映画に出てくるフーリガンが着用するのは

          フーリガン(Hoologans Stand Your Ground)/レクシー・アレキサンダー(Lexi Alexander)(2005)

          夜空に星のあるように(Poor Cow)/ケン・ローチ(Ken Loach)(1967)

          オックスフォード大学卒業後、BBCで演出家として、社会問題を扱い注目された彼の映画監督デビュー作。この映画が公開されたのは、1967年 つまりピーコック革命のカラフルで華やかかりしスウィギング・ロンドン真っただ中の時期。 ロンドン南西部と中心部に近い地域フラム(フルハム)で撮影されたこの映画に写るファッションはアメリカ的なテイストやビビットな色目はあるもの概して締めで、当時の庶民のファッションと言えますし、好景気やユース・カルチャーで湧く決してきらびやかな生活ではありません。

          夜空に星のあるように(Poor Cow)/ケン・ローチ(Ken Loach)(1967)

          エリックを探して(Looking For Eric)/ケン・ローチ(Ken Loach)(2009)

          サッカー界のレジェンドの一人、エリック・カントナが直接、ケン・ローチに持ち込んだ企画からこの映画が始まったとか。 エリック・カントナと言えば、フランス出身で若くして頭角を表すも、その”悪童“ぶりから、フランスでは居場所を無くし、イギリスのプレミア・リーグで流れてきて、その後、サーの称号をもらうことになるアレックス・ファーガソンの元マンチャスター・ユナイテッドの黄金時代を築くとともに、外国人に関わらずキングとして今なおスタジアムでは、サポーターが彼の歌を歌うという。 フランスで

          エリックを探して(Looking For Eric)/ケン・ローチ(Ken Loach)(2009)