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ザ・スミスのモリッシーが教えてくれたマンチェスターの「蜜の味(Taste of Honey )」/トニー・リチャードソン(1963)

イギリスの作家シェラ・デラニーが18歳の時に書いた戯曲「蜜の味」の映画化。
「蜜の味」という言葉を知ったのビートルズのデビューアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」ですが、「長距離ランナーの孤独」などの監督として、イギリス ニュー・ウエーブ映画の中心人物でだったそうで、彼の初監督作「怒りを込めて振り返れ」(look Back In Anger)というタイトルもデビット・ボウイの曲で知りました。(ちなみにオアシスは「Don‘t Look Back In Anger」)
そして何よりもザ・スミスのモリッシーが、“「私が作詞をする理由の少なくとも半分はシェラ・デラニーのおかげだということを、これまで隠したことはなかった」I’ve never made any secret of the fact that at least 50 percent of my reason for writing can be blamed on Shelagh Delaney.”という有名な発言もあり、ずっと観たかった映画でしたが、日本発売版は高騰しており、Criterion版で観ました。

イギリスの寂れた工業地帯と荒涼と広がる海。北部の訛り、親の世代はアイルランドからの移民だという話、そして貨物船の胴体に見える「Manchester」。
この映画マンチャスターを舞台にしたワーキング・クラスを描いた映画だとわかり、上記のモリッシーの発言とつながりました。生活の厳しさに加え、人種差別や同性愛が日常の光景として描かれますが、その後、リチャード・レスターの「ナック」にも出演するリタ・トゥシンハムが素晴らしい。


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