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30代でやっていた良かったこと、やってはいけないこと

こんにちは。株式会社シンシア・ハートで代表取締役をしている堀内猛志(takenoko1220)です。
前回のnoteでは、私自身が40歳を向かえたことで、30代で行ってきたことについて振り返りました。

おかげさまで周りの友人から反響がありました。前回は事実とそれに対する感想や感情を書き連ねましたが、今回は内容を抽象化して、私自身が「30代でやっていてよかったと思うこと、やってはいけないと思うこと」についてまとめたいと思います。


30代でやっていてよかったこと

①自分の現在地を知る

砂漠でオアシスを探している若者がいました。その若者は道中で、ある老人に出会い、地図、コンパス、水をもらいます。オアシスの場所がわかり、方角がわかり、たどり着くまでに必要な水分も手に入れたにも関わらず、その若者はオアシスにたどり着くことができませんでした。

これは一体なぜでしょう?

答えは小タイトルの通り「自分の現在地がわからなかったから」ということです。これ、当たり前のようなんですが実は盲点です。私のところにキャリア相談に来る人は多数いますが、その人たちは将来の目指すゴールを気にしている割に、今の現在地を理解していない人が多いです。

現在地がわかっていないと、そこから目指すゴールまでの道順を描けるはずがありません。関数の座標を思い描きましょう。自分のいる居場所を、(X,Y)=(3,5)と言えるからこそ、目指すゴールを例えば(X,Y)=(8,9)としたときに、その差分をとることができるわけです。

自分の居場所を知るうえで、自分自身が今持っている資本の棚卸をすることが重要だと私は思います。資本とは金融資産のことだけではなく、以下のようなものを指します。

個人的資本

私はこれらを個人の人的資本、略して『個人的資本』と呼んでいます。企業における人的資本の個人版だと思ってください。私たちはこのような資本をうまく活用しながら、ゴールに向かい、資産を生み出し続ける必要があるのです。

「人脈・つながり・評判」はSNSのフォロワーやレス、または普段連絡を取り合う人の数を数えたりすることで、自身のつながりの総量を計ることは決して難しくはないでしょう。「資金力」も同じく、自身の金融資産を整理すれば正確に把握することができると思います。

一方で、難しいのは「意欲・マインド」「知識・スキル・経験」ですよね。これらには明確な基準がないことが多いです。テクニカルな知識やスキルはテストを受けることで知ることはできますが、ヒューマンスキルやポータブルスキルなどはわかりづらいと思います。

そこで、私自身は、自分の「好き/嫌い」と「得意/不得意」を理解することに努めました。それらについては以下のnoteにまとめています。

「好き」と「タレント(=得意)」を掛け合わせたのが強みです。好きの分解につては、複数のnoteにまたがって解説していますので、興味のある方はご確認ください。

強みの分解

また、「強み」を誰のために活かしたいか、を考えることは、座標特定の前の盤面選びのようなものだと考えています。マーケットには常にお客様(=相手)がいます。どのお客様を喜ばせるために自分の強みを存在するのか、を考えると、より、強みの磨き方がわかりやすくなると思います。

・自分の強みを還元したい『相手』を決める☛戦う盤面が決まる
・「タレント」と「好き」を整理する☛盤面の中の座標(X,Y)の要素となる

②自分よりも挑戦している人に会いまくる

自分の居場所がわかったうえで次に行うことは「人に会う」ことです。数字の世界と違い、マーケットは動きます。お金の価値が変動するのはわかりやすいですが、時代の変化とともに求められるスキルの価値や人物像、及び付き合うべき人も変わってきます。つまり、①で自分の現在地を知ったとしても、立ち止まっていると時間とともに、自分の現在地が変わってしまうということです。

「人と比較せずに自分自身に向き合え」みたいなことを言う人が多いと思いますが、私は人と比較しないと自分の資本価値がわからないと思います。自分は意欲もスキルも人脈も資金も十分にある、と満足することもマインドの安定の観点からは重要かもしれませんが、それはあくまでもマインドの話。事実として自分の持っている資本量は相対的に多いのか、少ないのかを見極める必要があると考えます。つまり、事実としての違いや差をとらえて、価値観や感情で比較しなければいいだけだと思います。

自分より挑戦している人は、ほとんどの資本項目で自分より総量が多い人だと思います。よって、そういう人と数多く会う中で、自分との差を見極め、その人の普段の活動や努力を知り、今後の自分のゴールへのプロセスに活かせばいいのです。

人の資本の総量を聞いていると様々なポートフォリオが見えてくると思います。ポートフォリオとは、上記で紹介した資本のバランスです。すべて多い人もいればいびつな人もいるでしょう。また、その人がどの盤面で戦っている人かもわかれば、自分が戦ったことのない盤面の魅力も理解でき、今後の自身の戦い方の幅が広がると考えます。

③アウトプットの場を複数作る

自分で自分自身の持つ資本を理解するうえで重要なのは、アウトプットすることです。アウトプットしないと「意欲・マインド」や「知識・スキル・経験」を評価することは難しいです。「人脈・つながり・評判」も同じく、アウトプット(=コミュニケーション)をしていないといつの間にやらつながりがなくなっていることだってありますよね。アウトプットし続けないと、持っていると思っている資本がさび付いてしまい、資本として使えなくなっていくのです。

アウトプットして使い続けるということが、資本を資本として持ち続けるために重要なことなのですが、単にアウトプットするだけではなく、複数の場でアウトプットすることをおススメしたいと思います。それは、前述したように、評価するのは自分ではなく他人であるため、その評価は、多様な人からもらう方が偏らずに正確に評価することができるからです。

会社員の場合、いつも同じお客様(社内外問わず)にアウトプットし続けているケースは少なくありません。そのお客様がマーケットに敏感で、成長し続けている人であればいいのですが、そうじゃない場合は、お客様の評価指標が古くなり、マーケットの基準と大きく乖離してしまっている、ということが起きる可能性があります。つまり、同じお客様の評価で満足していると、知らず知らずのうちに自分のマーケット価値が落ちている、ということに気づけないのです。

自分の生きる世界は案外狭いです。よって、普段から様々な人と出会い、多様な盤面を知り、それらの盤面で自分の強みが活きるのかを試し続けることが、自分の現在地を知り、自分の強みを磨くうえで大切になるのです。また別のnoteで書きますが、人が自己効力感を持つために重要な要素に「承認・挑戦・自尊心」があるのですが、複数コミュニティを持ち、評価を受けることは、これらの要素を磨くことにもつながります。

逆に言うと、家庭と会社という盤面でしか生きていない人は、そのどちらかがなくなった時に、「承認・挑戦・自尊心」を満たし続けることが難しくなり、心や身体が壊れる可能性があります。趣味やコミュニティがない人が退職した後、平均で1年8か月で死ぬと言われていますが、まさにここが原因だからです。



これら①②③は自分自身が30代で意識してやっていてよかったと思うことです。①を頻繁に行うことで、自身のメタ認知ができるようになりましたし、②だけではなく③もセットで行うことで、マーケットに自分の存在を知ってもらうことができました。マーケットに自分の存在を知ってもらうというだけで生きやすくなります。だって、存在を知られていないと人の記憶に想起されることがないですからね。つまり、チャンスが訪れないのです。自分以外の誰かに自分を想起してもらう機会があるということは、それだけで様々なチャンスにつながるということです。この連鎖によって、30代がどんどん面白くなっていくか、狭く閉じていくのかが決まると思っています。

30代でやってはいけないこと

ここまでは「やっていてよかったこと」を解説してきましたが、前述したように、30代が狭く閉じていく可能性も大いにあると思います。ゆえに、ここからは「やってはいけないこと」について解説します。

①慣れた場所で過ごすことに気持ちよくなってはいけない

20代はガムシャラに働いてきた人も、30代では無意識のうちにその勢いを失っている人が多いと思います。その原因は「慣れ」です。20代では目の前の業務のほとんどが自分の能力以上のものであり、今自分が持っている能力の100%以上を出さないと達成できないようなものばかりだったと思います。辛く、大変な思いをした人も多いでしょう。しかし、自分の持つ能力以上のミッションを与えられるからこそ、それに追いつこうとして人の能力は磨かれてきたのです。

それが30代になると一通りの業務はこなせるようになってきます。つまり、20代と違い、目の前のミッションに対して8割くらいの力でできるようになります。これは相当楽ですよね。人間関係も同じです。20代は下っ端なので、部署でも部署外でも常に自分が下であることが多く、また、出会う人も初めましてという人が多いので、常に緊張状態でした。しかし、30代になると会社で知り合いが増え、後輩が増え、20代に評価と評判が良かった人であれば昇格もするので、社内では人が集まってきやすい環境を作れているはずです。この空間は相当やりやすいですよね。

しかし、業務や人間関係を8割でこなせるようになったと感じた後の行動で、その後の人生は変わります。残った2割をどう使うか問題です。楽になったことで、これ幸いと早めに帰宅し、テレビを見ながら食事をしてゆったりと過ごす人と、これはまずいと思ってリスキリングに時間を使い、自分のミッションを能力以上のものにするべく、会社に働きかけたり、副業や転職を考える人とでは激しく違ってくるのは想像にたやすいと思います。

問題は、人は一度慣れるとなかなか変えられないということです。徐々に慣れてきてしまうため、気づいた時には相当手を抜いて仕事をしている場合が多いです。まさに「こなす」という状態です。こうなるとギアを再度入れ直すには相当なパワーがいります。少しでも慣れの違和感に気づいた人からギアを入れ直すようにしましょう。気づいた瞬間が、これからの人生で一番ギアを入れ直すのが簡単なタイミングです。

②頑張れない理由を年齢や家族のせいにしてはいけない

口癖のように「この年になると」「家族がいるから」という人がいます。これは外に向けた言葉だけではなく、自分自身への内なる言葉でも使っている人が多いのではないでしょうか。「20代の頃なら挑戦したけど」「シングルの時だったら行ってたと思うけど」こののような言葉を自分自身に投げかけるだけで、自分の中の「意欲・マインド」という資本は相当なスピードで目減りします

30代で遅いことは何一つありません。また、家族がいることも言い訳にしてはいけません。様々な事情があることは人それぞれであり、本当に物理的に無理な人も場面もあるでしょう。しかし、ほとんどのケースは自分自身がやらない理由を作っているだけです。工夫をすればできるのです。マインドも体力も20代を維持することはできますし、家族を幸せにしながら自分自身の資本を磨く投資だって絶対にできます。現にできている人、努力している人はたくさんいます。

人への言い訳の前に、自分への言い訳を止めましょう。このような言い訳は、さらに年齢を重ねた後に絶対に後悔します。「あの時やっていれば」という後悔が一番もったいないのです。旅行に行きたければ行ってください。朝まで飲みたければ飲んでください。絵を描きたければ描いてください。そんなレベルでいいと思います。やりたければやりましょう。

③自分自身が平均以上であることに満足してはいけない

そもそも、このnoteを読もうとする人は平均以上に努力している人だと思います。そうじゃないと自己研鑽的なnoteに目を通すことはないでしょう。しかし、平均以上のレベルの人ほど、自分が平均以上かどうかを気にしていることを私はよく知っています。

有名なパレードの法則があります。集団は2対6対2に分かれるやつですね。上位20%は、さらなる高みを目指すことが自分のモチベーションであり、自分の下を見ようとはしませんが、真ん中の60%は、自分よりも下の人と自分を比べ、その優越感を自分の自信に変える傾向があります。実際に自分が上位20%か真ん中60%かを知るのは難しいでしょうが、この視点を持っているかどうかで自分を計ることができます。

これを見極めるのは簡単です。上位20%の人は、転職時に自分より優秀な人がいて、自分の能力以上を求められる環境があって、成功した場合の報酬を気にしています。一方で、真ん中60%の人は、自分よりダメな人を探し、自分の今の能力できるかどうかを確認し、失敗したときの企業のフォロー体制を気にしています。見ている目線が全然違うわけですね。

「自分は頑張っている」と自己肯定感を持つことは大事です。しかし、自分の能力は何でもできるという自己効力感の方が圧倒的に強く、未来を切り拓く力になります。人と比較するのは差分という事実を確認するためだけにして、感情や価値観で比較し、優越感も劣等感も抱かないようにしましょう。あなたの人生にとって残念ながら無意味です。


いかがでしたでしょうか。書き出してみると、もう少し詳細をアウトプットできる項目があったのでそれはまた別のnoteで書きたいと思います。


noteを読んでもっと30代を輝かしいものにしたい!と思った20代、30代の人は下記よりご連絡ください。

それでは今日も素敵な一日を!


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