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BCGが読む経営の論点2024⑨:「人材戦略」日本企業に必要な3つの"発想の転換"とは?(+スキルベース型人事について)
読書ノート(159日目)
昨日に引き続き、今日も
こちらの本を紹介していきます。
もはや毎年恒例とも言える
「BCGの経営の論点」シリーズ
2024年版の注目テーマ(目次)は
以下の通りです。
・2024年に注目すべき大きな潮目の変化
第1章 エネルギーシフト:日本企業は”賢い需要家”を目指せ
第2章 生成AI:日本の”勝ち筋”と導入の5つのポイント
第3章 サーキュラーエコノミー:気候変動の次は生物多様性が問われる
第4章 経済安全保障とサプライチェーン:
リスクの見える化で意思決定の仕組みづくりを
・競争優位を築くために必要な組織の能力
第5章 事業開発力:新たな成長に向けM&Aをどう活用するか
第6章 イノベーション:進化する手法と日本企業復活へのポイント
第7章 プライシング:インフレ時代の「値付け」戦略
第8章 人材戦略:「人事」を越えた経営課題へ発想の転換を
そして本日も
本書の後半のテーマ
競争優位を築くための組織の能力から
第8章 人材戦略
についてです。
第8章:人材戦略
「人事」を越えた経営課題へ発想の転換を
・人材戦略の中核としての人材ポートフォリオ
・経営戦略や組織改革を実現するために必要な人材の質と量を定義し、
現状、社内のどこに、どのような人材(質)が、
どのくらいいるのか(量)を把握してギャップを可視化するもの
(全体像は以下に添付した図を参照ください)
・日本企業に必要な3つの「発想の転換」
・転換①:ジョブ型を超えて「スキルベース」型へ
・日本固有のメンバーシップ型からジョブ型への移行がトレンドと
なっているが、スキルベース型人事はさらにその先を見据えた考え方
・今日では多様かつ専門性の高い人材を「適所適材」
(職務がまず先にあり、その職務が求める人材を配置する)の観点で
注目されてきたのがジョブ型人事
・ただし昨今の事業環境の急速な変化には
ジョブ型を取り入れても十分には対処しきれない
・人材要件が刻々と変わり、職務単位での管理では
不足スキルの確保が難しくなっている
・より細かいスキル単位での人材管理、
すなわち「スキルベース型」人事運営の必要性が生じている
・スキルベース型では必要スキルを常に再定義し続け、デジタル・データも
活用して不足スキルを特定し、アップスキル・リスキルの機会を
増やしつつ、人員やスキルの再配置を機動的に行う
・転換②:経営主導の育成から社員による自律的なキャリア形成へ
・従来は企業側として均質なジェネラリストを要請する意図が
大きかったが、事業の構造が多様化・複雑化したため、
人事部がありとあらゆるポストのビジネスニーズを理解して、
人員配置や育成をタイムリーに考えていくのはもはや困難
・さらに従業員側では、自分自身のキャリアパスの希望に合わせて
能動的に、テーラーメードでキャリアを設計したいという考えが
主流になりつつある
・企業と従業員がある意味対等な関係となり、
職務と人材をマッチングさせることが必要となる
・そこで求められるのが「社内労働市場」の確立
・社内公募などの仕組みを導入し、企業側の人材ニーズと
従業員のキャリアニーズをマッチングさせ人員配置の最適化を図る
・その際、募集するポストの必要要件の明確化、リスキルの支援、
キャリアカウンセリングなどのサポート、従業員のデータベースなどを
整えつつ、等級・評価・報酬といった人事制度についても
全社的な整合性を取りながら進めていくことが欠かせない
・転換③:中央集権の本社人事から分散型の現場人事へ
・事業や業務を深く理解する現場側の人事機能を強化・分散化した上で、
本社人事との密な連携を確立する
・本社が全体最適の視点で管理すべき機能は、全社共通の人事ポリシー
や人事制度・総人員数や人件費コントロール、企業風土、
DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)、
経営人材のタレントマネジメント、HRシステムなど
・一方で、現場理解が必須の機能である採用・育成・評価は、
より現場に近い組織への人事機能の再配置を検討することが必要
・本社人事と現場人事の橋渡し役であり、各現場の人事課題の解決の
カギとなるのが「HRBP(HRビジネスパートナー)」
・事業部門のパートナーとして人材と組織の両面からアドバイスやサポート
を行い、各事業部門の目標達成や成長に向けた課題解決をリードする存在
・事業部門のトップ層と議論を重ね、経営方針と現場実態という
双方の理解を踏まえた視点での提案を持ちかけるなど、
いわばコンサルタントの役割も担う。
・その支援範囲は要員計画、職務定義、採用、育成、評価、昇進、
後継者計画など幅広く、事業のパフォーマンスを高めるために
事業と人事を一体で検討しパートナーとして伴走する
・このような現場理解や人事の知見に加えて、コンサルタント的な
課題解決能力も要求されるHRBPの確保はなかなか難しいが、
人事機能の高度化に向けた重要テーマとなるだろう
・人材ポートフォリオの充足と、その手段の一つとなる人材育成は、
時代の要請に比してまだまだ日本企業の伸びしろが大きい
・人材戦略を競争優位の源泉となる経営課題として捉え、いま一度真剣に
取り組むことは、日本が再び国際社会で輝くための契機となりうるだろう
今回で最後となる
本書の最後のテーマは
「人材戦略」でした。
特に本書の中でも多くのページを
費やして説明をされていたのが
「人材ポートフォリオ」でした。
本書の図が分かりやすかったので
こちらでシェアさせてください。
![](https://assets.st-note.com/img/1705796331546-M1aYvUFgtE.jpg?width=1200)
そして後半は、
日本の企業に求められる
3つの「発想の転換」として、
その1つがスキルベース型人事
でした。
ちょうど弊社でも現在まさに
ジョブ型人事を進めているところで、
こんなに苦労して導入するジョブ型の
さらにその先の人事が提唱されている…!
ということで、「スキルベース型人事」
という「次の次」を見据えて、
引き続き自己研鑽をしなければ…!と
本書を読みながら危機感を感じました。
スキルベース型人事について
少し調べていたところ、以下の解説が
分かりやすかったのでご紹介します。
ジョブ型とは、企業が事業を遂行するために必要なジョブ(職務)を、果たすべき機能やレベル(階層)ごとに定義したうえで、そのジョブを遂行できるスキルや経験を持った人材を当てはめていくというのが基本的な考え方である。そして、ジョブは職務定義書の中で、果たすべき期待役割や達成すべき成果と、その役割の遂行に必要な知識やスキル、保有していることが望ましい経験等が定められている。つまり、仕事に人を就ける(当てはめる)のである。
他方で、職能型は、その企業の大半の職務(複線型の場合にはそれぞれの職務のかたまり)を遂行するために持っておいてもらいたい知識やスキルとその成長段階(レベル)を定義し、その段階ごとに人材を格付けるというのが基本的な考え方である。職能型の場合には、各組織に配属された人材のスキルや経験を勘案して、組織が求められる機能を遂行するために役割分担をすることになる。つまり、人に仕事を就ける(割り当てる)のである。
上記を踏まえつつ、スキルベース組織について筆者の理解を述べると、スキルベース組織とは、メッシュを細かくすることによって、ジョブ型と職能型を同時に行おうとする試みである。すなわち、テクノロジーを駆使して、ジョブよりも細かい「タスク(業務や作業)」と、人ではなく一人ひとりが持っている「知識やスキル」のマッチングを組織の至るところで行うのだ。そして、より細かいメッシュで人と仕事を結びつけることにより、変化の激しい昨今の事業環境に対応できるアジリティ(機敏さ)を高めること、組織と人の硬直性を打破しイノベーションを起こす土台を作ること、そして従業員の成長機会やキャリアを広げようとしている
なるほど…!
テクノロジーを駆使して
細かな単位でのマッチングを行い
アジリティを高めることを実現する
のがスキルベース型人事の目指す
ということですね。
今までは
人に仕事を割り当てる「適材適所」や
仕事に人を当てはめる「適所適材」
という言葉が人事領域の界隈では
よく耳にしてきましたが、
スキルベース型人事になると、
アサインされるタイミングも重要
ということで「適時」という視点も
追加した人材戦略に移っていく。
そのように理解をしました。
ということで今年も
「BCG経営の論点」2024年版を
読み終えました。
自分の専門領域ではないことを
知る機会にもなっており、
毎年とても良い刺激になっています…!
(※2023年版はこちらです)
最後まで読んでくださった方々、
本当にありがとうございました!
明日からは、同じく2024年の予測本
ということでこちらの本を
紹介していこうと思います。
それではまたー!😉✨
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