後藤太一 / Region Works LLC

プロジェクト・デザイナー/リージョンワークス合同会社代表社員。福岡を拠点にチームを束ね…

後藤太一 / Region Works LLC

プロジェクト・デザイナー/リージョンワークス合同会社代表社員。福岡を拠点にチームを束ねつつ、事業と社会を繋ぐプロジェクトのデザインを実践中。一級建築士、米国認定都市計画士(AICP)、国際都市開発協会(INTA)理事。

記事一覧

カンボジアの森キリロムで考える地域の未来

2020年2月6日(木)~8日(土)の3日間、カンボジア南西部のキリロムで行われたキリロム会議2020に参加してきた。たくさんのインプットをきちんと咀嚼して今後に活かして…

2019年に考えさせられた本

2019年は内省的な思考が多かった年でした。 今年はさらに読書を増やすとともに、情報発信のペースを上げていくための布石として、昨年に強く影響を受けた書籍から10冊を挙…

「狂った都市」の本気 ~ラトビアの首都リガにて

余韻が冷めない体験をラトビアの首都、リガでしてから1ヶ月経つ。 欧州の辺境、日本からも遠い「バルト海の真珠」と呼ばれる世界遺産の都市は、旧ソ連から独立して約30年…

地域経営の一部としてのエリアマネジメント

経営 = 事業目的を達成するために、継続的・計画的に意思決定を行って実行に移し、事業を管理・遂行すること。(デジタル大辞泉) 主体が多様かつ多義的な地域経営は、約2…

なぜ、今、公共空間に取り組むのか?

公共空間の再構築を目指す社会実験「WORK PARK PACK」 公共空間への再着目 Region Worksの仕事は、地域の戦略的な事業のデザインである。 どの仕事も、最初のタスクは…

都市の利活用をシンガポールで考える

全国エリアマネジメントネットワークの一員として、Singapore Urban Redevelopment Authority(URA)およびCentre for Liveable Cities(CLC)との協議に行ってきた。 主…

なぜ、デザインなのか?

デザインとは、課題を定義し解決すること私たちの仕事を説明するときにデザインという言葉を使っている。 ここで言うデザインとは、美しい意匠を制作するという狭義の意味…

Region Worksという社名

2014年に創業して約4年半、「●● Works」という幾つかの会社と縁ができ、「何故、後藤さんは『リージョン・ワークス』という社名にしたのですか?」と何度か問われた。 …

地域をデザインするということ

天命を知る(はずの)今年、 自分の考えを整理していくために、 考えていること、感じたことなどを 定期的に書き留めて行こうと思います。 2019年 元旦 後藤太一

カンボジアの森キリロムで考える地域の未来

カンボジアの森キリロムで考える地域の未来

2020年2月6日(木)~8日(土)の3日間、カンボジア南西部のキリロムで行われたキリロム会議2020に参加してきた。たくさんのインプットをきちんと咀嚼して今後に活かしていくためにも、帰国直後の印象をまとめておく。

vキリロム・ネイチャーという新しい森林都市会議のテーマそのものでもある会議会場は、規格外起業家の猪塚武さんのチームが開発しているvキリロム・ネイチャーという高原である。

約20年後

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2019年に考えさせられた本

2019年に考えさせられた本

2019年は内省的な思考が多かった年でした。

今年はさらに読書を増やすとともに、情報発信のペースを上げていくための布石として、昨年に強く影響を受けた書籍から10冊を挙げておきます。
(趣味の本と仕事直結の専門書を除く)

1. データに基づく診断の意味を再確認

2. テクノロジーと社会の関係を再確認

3. バズワードで立ち止まらないための理解

4. SNSやメディアの在り方を考える契機

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「狂った都市」の本気 ~ラトビアの首都リガにて

「狂った都市」の本気 ~ラトビアの首都リガにて

余韻が冷めない体験をラトビアの首都、リガでしてから1ヶ月経つ。

欧州の辺境、日本からも遠い「バルト海の真珠」と呼ばれる世界遺産の都市は、旧ソ連から独立して約30年経った今でも、ガバナンスの模索を続けている。独立の熱狂、軍港や軍事工場などの経済基盤の消失、社会インフラの再整備、EU加盟からの経済の急成長、リーマンショックによる急降下、民族間の葛藤、クリミアに象徴される地政学的なリスクの増大。

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地域経営の一部としてのエリアマネジメント

地域経営の一部としてのエリアマネジメント

経営 = 事業目的を達成するために、継続的・計画的に意思決定を行って実行に移し、事業を管理・遂行すること。(デジタル大辞泉)

主体が多様かつ多義的な地域経営は、約20年にわたって継続的に追究しているテーマである。今、取組んでいるプロジェクトも、このテーマに沿って大都市・中都市・小地域での実践例を増やすことを意図している。

私も検討に関わった、エリアマネジメントに関するガイドラインが公表されたタ

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なぜ、今、公共空間に取り組むのか?

なぜ、今、公共空間に取り組むのか?



公共空間の再構築を目指す社会実験「WORK PARK PACK」

公共空間への再着目

Region Worksの仕事は、地域の戦略的な事業のデザインである。

どの仕事も、最初のタスクは、リサーチによって「地域の急所」を見出して適切な課題を設定することなのだが、そこで「公共空間の質の向上」が浮かび上がることが増えて来た。この傾向は、顧客の官民や地域の大小を問わない。数年前は、ビジネス開発や

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都市の利活用をシンガポールで考える

都市の利活用をシンガポールで考える

全国エリアマネジメントネットワークの一員として、Singapore Urban Redevelopment Authority(URA)およびCentre for Liveable Cities(CLC)との協議に行ってきた。

主目的は、International Downtown Association(IDA)が5月13日~15日に東京で開催するWorld Towns Leadership

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なぜ、デザインなのか?

なぜ、デザインなのか?

デザインとは、課題を定義し解決すること私たちの仕事を説明するときにデザインという言葉を使っている。

ここで言うデザインとは、美しい意匠を制作するという狭義の意味ではなく、複雑に絡み合った課題を整理して解決するという広義の意味である。

事業構想大学院大学では、事業構想をProject Designと英訳している。
ここでは、デザイン = 構想であり、画餅(絵に描いた餅)や意匠のことではなく、複雑

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Region Worksという社名

Region Worksという社名

2014年に創業して約4年半、「●● Works」という幾つかの会社と縁ができ、「何故、後藤さんは『リージョン・ワークス』という社名にしたのですか?」と何度か問われた。

都度、適当に答えていたのだが、この社名の背景を文章化することで、私の基本的な考え方を紹介できるように思うので、あらためて整理してみる。

ポートランドの広域統治 = Regional Governanceもう20年以上前、199

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地域をデザインするということ

地域をデザインするということ

天命を知る(はずの)今年、
自分の考えを整理していくために、
考えていること、感じたことなどを
定期的に書き留めて行こうと思います。

2019年 元旦
後藤太一