Citron

都内の公立中学校で先生やってます。コロナ時の学校対応や日々思うことをつれづれ。

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記事一覧

新米教師と戦争について

「君は太平洋戦争のインパール作戦についてどう思うか」 教員採用試験に受かった翌年、初任者研修の教官がわたしにそう問い質した。 「は? インパール作戦といいますと…

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2週間前
1

学級崩壊は誰のせいなのか①

若い女の先生が、うつ病で病休に入ってしまった。7月までには復帰するらしいが、おそらく無理だろう。彼女が担任している学級は学級崩壊していて、復帰したところでまた病…

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2か月前
14

文学フリマは楽しかったけど

5/19に開催された文学フリマ東京に参加しました。友人のブースを手伝いつつ、プロの作家さんの本や話題の本、面白そうなエッセイなどを会場であれこれ買い求めました。 い…

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3か月前
21

人生が順調すぎるあの子の本音。

今日、職場の後輩たちと3人で女子会をした。 年次でいうとわたしの方が倍くらいキャリアがあるので他2人の女子はまだまだフレッシュな20代である。若いけれど教育業界とい…

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4か月前
9

文学フリーマーケットのアンソロジーに寄稿しています

行きつけ(って言うの?)の読書会メンバーで作ったアンソロジーに寄稿しました。短編です。400字詰原稿用紙ピッタリ30枚です。←唯一の自慢 詳しくはわたしのTwitterと夢…

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4か月前
10

光る君へと自殺願望とわたしの先生

2年半前にこんな記事を書いた。 そして、この記事の中で触れられている大河ドラマ「光る君へ」がついに始まった。大河ドラマはここ数年よく見ているけれど、この「光る君…

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5か月前
7

漫画家が死ぬということ

漫画家の芦原妃名子さんが亡くなった。自殺だという。 「セクシー田中さん」を巡る一連をトラブルは知っていた。ネットニュースで流し読みしていた程度だが、なんだかんだ…

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7か月前
30

高熱出したけど霊感でコロナとインフルエンザを回避した。

つい一昨日のことだが、夕方くらいから体がなんとなく重かった。 冬の寒い時期にはよくある体調不良かな?と大して気にしていなかったが、木曜日の放課後に熱を測ったらな…

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7か月前
5

滝行で拾ったお姫様に振り回されてる件について。②〜姫のために桃を探す編〜

「久しぶりー!来てくれてありがとうー!」 マコさんは相変わらず笑顔でわたしを受け入れてくれました。 が。 会って分ほど経ってから3分ほどで顔が険しくなりました。 …

Citron
7か月前
3

女の人生、いろいろすぎる。

冬休み中、たくさん女友達に会った。 そして当たり前だがそれぞれの人生が、いろいろすぎた。 育児中の友人は、冬休みに子供の世話で死にかけていた。 少し年上の友人は…

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7か月前
17

おばあちゃん、ダイヤモンドになる。完結編

約10ヶ月後。 遺骨ダイヤモンドの会社の方から電話がありました。 「出来上がったので、郵送でお送りします」 とのこと。 な、長かったー!半年でできるって言ったじゃ…

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8か月前
6

元巫女なので潔斎して初詣した。

昨日のnote記事がちょっと暗いので明るい話題を。 今日は友人と所澤神明社へ初詣に行きました! 所澤神明社は珍しい航空安全の神社なので、先日の不幸な事故がないように…

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8か月前
5

友達がどんどんいなくなる。

仕事の話。 年始に同業の友人たちへ「明けましておめでとう」のLINEを送った。夏に会ったきりで、6年間の育休から復帰した友人Hから、想像してなかった返事が来た。 「実…

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8か月前
15

2024年1月2日

明けましておめでとうございます。 大晦日は普通に実家で紅白歌合戦を見て過ごし、ゆく年くる年を見て一人で年越しました(家族はみんな寝てた)。 元日の午前中はダラダ…

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8か月前
4

2023年ありがとうございました!

今まさに実家に帰省する電車の中でこの記事を書いてます。 いやー……。 2023年、いろいろありました。 2023年の一番インパクトがあったのは、やはり文学フリーマーケッ…

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8か月前
9

滝行で拾ったお姫様に振り回されてる件について。①

※文フリの既刊からの続きです。 かくして、姫の望み通り9月の3連休に京都に行くことになりました。  当初は1人で行くつもりだったのですが、京都好きで神道を信仰して…

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8か月前
10

新米教師と戦争について

「君は太平洋戦争のインパール作戦についてどう思うか」

教員採用試験に受かった翌年、初任者研修の教官がわたしにそう問い質した。

「は? インパール作戦といいますと」
「知らないのか」
「すみません」

鬼平犯科帳に出てきそうな強面の教官はさる国立大学哲学科出身で、つい数年前まで小学校の校長を長く務めていた方である。いかつい見た目だが全校児童の顔と名前を覚えていて人気の校長先生だったという。

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学級崩壊は誰のせいなのか①

若い女の先生が、うつ病で病休に入ってしまった。7月までには復帰するらしいが、おそらく無理だろう。彼女が担任している学級は学級崩壊していて、復帰したところでまた病休に入るのが目に見えている。

……ここまで書いて、病休について極めて冷静な自分が恐ろしくなった。本来ならば学級担任がうつ病&病休なんて大事件だからだ。少なくとも10年前はそうだった。職員室で一人でも病休が出ると
「職場環境悪いんじゃないの

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文学フリマは楽しかったけど

5/19に開催された文学フリマ東京に参加しました。友人のブースを手伝いつつ、プロの作家さんの本や話題の本、面白そうなエッセイなどを会場であれこれ買い求めました。

いや、すっごく楽しかったけどすっごく辛い文学フリマでした。ここで強く言いたいのは辛くなったのは自分自身のせいであり、友人たちには1ミリも非がないということですのであしからず。

何が辛かったって……自分の原稿に向かい合うのが辛かった。

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人生が順調すぎるあの子の本音。

今日、職場の後輩たちと3人で女子会をした。

年次でいうとわたしの方が倍くらいキャリアがあるので他2人の女子はまだまだフレッシュな20代である。若いけれど教育業界という戦場を生き抜くだけのガッツと体力がある。10才以上年下の彼女たちをわたしは同志として尊敬し、頼りにしているが老婆心からたまに姉のように振る舞いたくなる時がある。

仕事からの帰り道。

1番年下の後輩とひと足先に女子会会場に向かった

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文学フリーマーケットのアンソロジーに寄稿しています

行きつけ(って言うの?)の読書会メンバーで作ったアンソロジーに寄稿しました。短編です。400字詰原稿用紙ピッタリ30枚です。←唯一の自慢

詳しくはわたしのTwitterと夢想読書会さまのアカウントをご参照ください。
売り切れてしまうかもなので、予約推奨です!
どの作品も面白いです!!!!!

ぜひ読んでくださいね。

https://x.com/musoudokushokai/status/17

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光る君へと自殺願望とわたしの先生

2年半前にこんな記事を書いた。

そして、この記事の中で触れられている大河ドラマ「光る君へ」がついに始まった。大河ドラマはここ数年よく見ているけれど、この「光る君へ」は特別な思いを持って見てしまう。

不思議なことに、日常のふとした場面でも月野先生を思い出すことがある。

「先生、変な名前の歯医者に通ってたな」

とか、

「よく当たる占いのために、わざわざ千葉県まで行ったんだっけ」  

とか、

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漫画家が死ぬということ

漫画家の芦原妃名子さんが亡くなった。自殺だという。

「セクシー田中さん」を巡る一連をトラブルは知っていた。ネットニュースで流し読みしていた程度だが、なんだかんだで丸く収まってほしいなあと呑気に思っていた。セクシー田中さんは、芦原さんの作品の中で最も好きな作品だからだ。

「セクシー田中さん」クスっとは笑える内容ながら「こういう気持ち、分かるなあ……」と、誰にも感情移入できる優れた作品だ。漫画家さ

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高熱出したけど霊感でコロナとインフルエンザを回避した。

つい一昨日のことだが、夕方くらいから体がなんとなく重かった。
冬の寒い時期にはよくある体調不良かな?と大して気にしていなかったが、木曜日の放課後に熱を測ったらなんと37.5℃もあった。

嘘だろ……!

低体温のわたしは36℃以上になることがほとんどない。そして、熱が37.5℃あっても割と元気だった。しかし、同僚達に「感染ると迷惑だから帰って💢」と言われてトボトボ帰宅した。(いま考えれば同僚のキ

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滝行で拾ったお姫様に振り回されてる件について。②〜姫のために桃を探す編〜

「久しぶりー!来てくれてありがとうー!」

マコさんは相変わらず笑顔でわたしを受け入れてくれました。

が。

会って分ほど経ってから3分ほどで顔が険しくなりました。

「どうしたんですか?」

「京都、行ったんだよね?うんそれは見える」

「ええ、ハイ。それで無事に姫を……」

「まだいるよ」

「……はい?」

「姫はね、まだ成仏してない」

キッパリと言い放つマコさんにわたしは絶叫しました。

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女の人生、いろいろすぎる。

冬休み中、たくさん女友達に会った。
そして当たり前だがそれぞれの人生が、いろいろすぎた。

育児中の友人は、冬休みに子供の世話で死にかけていた。

少し年上の友人は、結婚7年目にして妊娠発覚(おめでとう!)

結婚願望ないと言っていた友人は、なんと婚約していた(いつの間に……)。

また別の友人は、ご両親の相続で兄弟と揉めに揉めていた。

さらに、同年代の知人は、なんと心筋梗塞で亡くなってしまった

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おばあちゃん、ダイヤモンドになる。完結編

約10ヶ月後。

遺骨ダイヤモンドの会社の方から電話がありました。

「出来上がったので、郵送でお送りします」

とのこと。

な、長かったー!半年でできるって言ったじゃんよ!長すぎて父は完全に詐欺に遭ったと思ってました。そりゃそうだ。

そして、2023年秋。

長旅を終えたおばあちゃんがわたしの手元に帰ってきました。

郵送で割れ物注意のシールが貼られた段ボールを配達員さんから受け取ると、わた

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元巫女なので潔斎して初詣した。

昨日のnote記事がちょっと暗いので明るい話題を。

今日は友人と所澤神明社へ初詣に行きました!

所澤神明社は珍しい航空安全の神社なので、先日の不幸な事故がないように、手を合わせました。

せっかくなので、潔斎して行きましたよ!元巫女なので(ドヤ顔)←前世の話 あれ?元巫女の話の記事って書いたっけ……?

潔斎といっても十二時間の断食+行水(さすがにシャワーにした)の簡単なもの。水とお酒以外は飲

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友達がどんどんいなくなる。

仕事の話。

年始に同業の友人たちへ「明けましておめでとう」のLINEを送った。夏に会ったきりで、6年間の育休から復帰した友人Hから、想像してなかった返事が来た。

「実は今年いっぱいで辞めるの」

言葉が出なかった。

Hちゃんはわたしが教員になって初めての学校で一緒になり、初めての教員友達だった。お互いにどんなに辛くても、励まし合って、時には涙を流しながら歯を食いしばって働いてきた。友人という

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2024年1月2日

明けましておめでとうございます。

大晦日は普通に実家で紅白歌合戦を見て過ごし、ゆく年くる年を見て一人で年越しました(家族はみんな寝てた)。

元日の午前中はダラダラと食っちゃ寝し、昼食を家族4人で済ませたあと(やっとここで全員揃う不思議な正月)、午後はもう誰も住んでいない祖父母宅に泊まる父に付き合うことにしました。

本来、元日は掃除はしてはいけないのだけどガッツリお墓の掃除をして、夕方に近くの

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2023年ありがとうございました!

今まさに実家に帰省する電車の中でこの記事を書いてます。

いやー……。

2023年、いろいろありました。

2023年の一番インパクトがあったのは、やはり文学フリーマーケットの出展です。

久しぶりにブースを取って、作った本を売るというのはとても大変だけど達成感がすごい。「2023年は充実していた」と言い切れるのは、文学フリーマーケットのおかげです。文学フリーマーケットのあれこれや当日力になって

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滝行で拾ったお姫様に振り回されてる件について。①

※文フリの既刊からの続きです。

かくして、姫の望み通り9月の3連休に京都に行くことになりました。 

当初は1人で行くつもりだったのですが、京都好きで神道を信仰している友人の敦子(仮名)が「わたしも行きたい!」と言い出したので、急きょ2人旅となりました。実はこの敦子を連れて行ったのも姫の思惑なのですが……。

京都好きで旅慣れている敦子が新幹線の手配やら細々としたことを全てこなしてくれて、あとは

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