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琴線に触れる・読み返したい

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いっときのみ読み流したくない。 今の自分が、あとから、何度でも、読み返したくなった記事
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#俳句

鑑賞*笛吹川の風美しき九月かな

鑑賞*笛吹川の風美しき九月かな

佐野 聰

    川の流れを眺めながらも対象物との間に時間の流れを置いて笛吹川を透かし見ている。
    笛吹川、なんとも美しく一度聞いたら忘れられない名前である。
    その名前の由来は悲しく、六百年ほど前、父を追って住みついた笛の名手の権太郎と母が秋の長雨による洪水で流されて…という悲話が言い伝えられている。
    悲しい気持ちのときほど空や風の美しさが身にしみる。

(岡田 耕)

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俳句に革命を起こした芭蕉の“発明”とは?|対談|小澤實×山口信博

俳句に革命を起こした芭蕉の“発明”とは?|対談|小澤實×山口信博

取り合わせの発明梅﨑:そもそも芭蕉って、どんな人なのでしょうか。小澤先生は『日本文学全集』(河出書房)の近現代詩歌の巻で俳句の選をされて、作家ごとにキャッチコピーをつけていらっしゃいますよね。正岡子規だったら「近代俳句の始祖」、高浜虚子は「近代俳句最大の巨人」、井上井月だと「江戸と明治をつなぐ」とか。そこで、ぜひ芭蕉にもキャッチコピーをつけていただきたいのですが。

小澤:僕は「俳句の原型を作った

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