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読書のお部屋

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2024年6月の記事一覧

おさらを あらわなかった おじさん

おさらを あらわなかった おじさん

雨がしとしとと降り続いていた。ウサギは窓辺に腰を掛け、雨音にそっと耳を傾ける。灰色の雲は、降り続く雨にもかかわらず、一向に薄れる気配がない。彼女はぼんやりと外の景色を見つめながら、心の奥に潜む感情を静かに抱きしめていた。

彼女はふと何かを思い出したように、本棚に手を伸ばし、一冊の本を取り出した。「雨の日に読むのはこの本ね」その本の表紙には、目を閉じて椅子に座ったおじさんの姿が描かれていた。

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おじさんのかさ

おじさんのかさ

朝から雨が降っている。ウサギは窓の外を見つめ、小さくため息をついた。「雨の日が嫌いってわけじゃないんだけどね」灰色に煙った外の景色は、いつもより少し寂しく見えた。

「こんな日には、あの絵本が読みたいわ」
彼女は窓から離れて、小さな本棚の前に立った。揺れる瞳で背表紙をなぞると、その中から一冊の絵本を取り出した。そして窓辺に腰を下ろすと、柔らかい雨音を聴きながら、ゆっくりとページをめくり始めた。

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ものぐさトミー

ものぐさトミー

「おはようございます。ウサギのティースプーンのお時間です」小さなラジオブースの中で、ウサギはいつものように元気な声で番組を始めた。その日はリスナーからの質問に答えるコーナーが用意されていた。

「次の質問は、ラジオネーム『図書館大好きなカメさん』からです。『もし、こういうものがあったら欲しい、というものがあったら教えてください』という質問をいただきました」ウサギはリスナーに向けて話し始めた。

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つきのぼうや

つきのぼうや

その夜、ウサギはベランダに立ち、そっと夜空を見上げた。そこには細く優雅な三日月がぽつんと輝いていた。彼女はどこか寂しげに微笑んだ。街明かりが強すぎて、星の姿はほとんど見えない。月だけがひとり夜空に取り残されたように見えた。

「こんな夜には、あの本が読みたいわ」彼女はそう呟くと部屋の中に戻った。小さな本棚の前に立ち、揺れる瞳で背表紙をなぞると、その中から一冊の絵本を取り出した。

窓辺に腰をおろし

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わゴムは どのくらい のびるかしら?

わゴムは どのくらい のびるかしら?

きのうの夜、図書館でその本を読んでいたカメくんが私に言ったの、「輪ゴムってどれくらい伸びると思う?」って。そう聞かれた時、私は何も考えずに答えてしまった。「そうね、20センチくらいじゃないかしら?」と。

その時よ、自分がつまらない大人になってしまったのではないかと思ったのは。だから、その本を受け取り一人で図書館を後にした。少し混乱していた私は、直ぐにはその本を読めなかったわ。

朝が来て、読み始

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