マガジンのカバー画像

エッセイ

111
日常のあれこれを綴っています。中には東北暮らしについて書いた【東北暮らし日記】も。画像は宮城県北~岩手県の郷土料理「ひっつみ」
運営しているクリエイター

#フードエッセイ

【エッセイ】「新しいこと」を一日ひとつ~3/6誰もいないお店で、あんバタートーストを買う

【エッセイ】「新しいこと」を一日ひとつ~3/6誰もいないお店で、あんバタートーストを買う

ここ一週間、ちょっとしたチャレンジをしている。それは「一日にひとつ、新しいチャレンジをする」こと。
Twitterのある方のツイートを見て、自分もやってみたくなった。
同じような毎日を送っているからか、新しいことに疎くなっている。刺激が欲しくなったのだ。

ただ、チャレンジと言いながらも、「今までやったことがないことであれば良い」というマイルールを設定した。それはハードルを低くして、長く続けていき

もっとみる
【エッセイ】わが家のつみれ

【エッセイ】わが家のつみれ

9月下旬、お墓参りで宮城県の女川(おながわ)に行った。
女川は三陸海岸に面した港町で、仙台ではないような新鮮な美味しい魚が手に入る。魚好きの私にとっては欠かせないスポットだ。

私の中で女川はサンマのイメージが強い。以前「女川サンマまつり」に行ったことがあり、その場で食べたサンマのつみれ汁がとても美味しかったのだ。つみれ汁は、女川のお母さんたちが作った漁師町の家庭料理で、塩と醤油ベースの汁にネギと

もっとみる
【エッセイ】ご先祖様への「出前」~岩手県のお盆の思い出

【エッセイ】ご先祖様への「出前」~岩手県のお盆の思い出

昨年の今ごろ、Twitterで懐かしい画像が流れてきた。
発信者は うがいし手洗いするおいでよ岩手さん。

岩手全域を発信しているアカウントで、それは昔ながらの風習にもおよぶ。

私は岩手と縁があり(母の実家が岩手、生まれたのも岩手、小・中学生の頃に夏休みや冬休みを過ごしたのも岩手)、ツイートの画像を見ると懐かしさを感じることがある。

その時見かけたのはこちら。
すぐさま「イイネ」ボタンを押した

もっとみる
【エッセイ】蒸し暑い夏のスープかけごはん

【エッセイ】蒸し暑い夏のスープかけごはん

最近、蒸し暑い日々が続き、食欲がわかない。
冷たい飲み物やアイスは体にするすると入っていくのだが、食事──主に主食を食べられなかった。

そんな私とは対照的に、一緒に暮らす夫の食欲は衰えることがない。
夏以外の時期と変わらず、食べる食べる。

彼の食事は、ごはんと味噌汁、おかずが必須(料理をしっかりと作る、姑の影響と思われる)。
ごはんを作る私は、食欲がないものだから、メニューが思い浮かばない。そ

もっとみる
【エッセイ】特上のうな重によせる想い

【エッセイ】特上のうな重によせる想い

今年も土用の丑の日が近づいてきた。
毎年恒例のうなぎを食べる時期だ。

我が家の場合、例年は、私が仕事帰りにスーパーで、産地などのこだわりもなく、調理済みのうなぎを買ってくる。

そして、うなぎの量の少なさをごまかすために、うなぎを細く切り、錦糸卵とシソをご飯に混ぜて、混ぜご飯にするのは、ここだけの話。
また、タレをご飯にかけて食べるだけでも、良いもの。

(書いてて恥ずかしくなってきた。でも、以

もっとみる
【エッセイ】苦手なことと向き合う~クッキー作り

【エッセイ】苦手なことと向き合う~クッキー作り

人にはそれぞれ、得手不得手があるというが、私は小さい頃から、手先を使った、細かい作業が苦手である。

特にお菓子作り。
買ってきたお菓子を食べるのは大好きだ。
が、何度かクッキーを作ってみようと料理本を見たものの、説明をよく読まないでいきなり作り出し、計量を面倒くさがり、生地を寝かせる時間を適当にしてしまった。

結果、明らかにクッキーとはいえない物体が出来上がった。
「お菓子作りは面倒くさがりで

もっとみる
【フードエッセイ】冬を惜しみながら食べる「霜ばしら」

【フードエッセイ】冬を惜しみながら食べる「霜ばしら」

今、季節は冬と春の変わり目だ。
仙台は晴れているものの、強風が吹き荒れている。
日差しは温かいものの吹く風はまだ冷たい。

そんな時、過ぎた冬を思い出すような食体験をした。

***********

雪は積もっていないもののピリッとした寒さの冬の朝、土の上を歩くとシャリシャリという感触を感じることがある。霜柱を踏みしめた時の音だ。
この小気味よい音が楽しく、辛い寒さを一瞬忘れさせてくれる。

もっとみる