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【エッセイ】苦手なことと向き合う~クッキー作り

人にはそれぞれ、得手不得手があるというが、私は小さい頃から、手先を使った、細かい作業が苦手である。

特にお菓子作り。
買ってきたお菓子を食べるのは大好きだ。
が、何度かクッキーを作ってみようと料理本を見たものの、説明をよく読まないでいきなり作り出し、計量を面倒くさがり、生地を寝かせる時間を適当にしてしまった。

結果、明らかにクッキーとはいえない物体が出来上がった。
「お菓子作りは面倒くさがりで不器用な私には無理」とふてくされ、以来、やっていなかった。

にもかかわらず、なぜか私のまわりには、モノづくりやお菓子作りが得意な人が多い。
彼女たちは、クリスマスやバレンタインデーといったイベントや、大人になってからだと会ったときに作ったものをくれる。

私は甘いものが大好きなので、食べると感想を伝えてモニターのようになっていた。

その時の気持ちは、「すごーい!よくこんなに美味しく作れるな~、私には作れないわー」という尊敬の気持ちがほとんどだと思っていた。

しかし最近、スーパーでの買い物をしているときに製菓コーナーが気になるようになった。
その時に目に留まるのが「材料🔘品でできる」といった初心者向けのキットだ。

「もしかしたら人からお菓子をもらってるうちに、お菓子作りに憧れていたのかも……」そんな気持ちに気がついた。

そこで、卵があればクッキーが作れるという超初心者向けキットを買ってきた。

調理に必要なゴムべら、泡立て器、ローラー、型は100均で購入。さすがは100均、440円で調理器具が揃った。感謝である。初心者だし、いいよね。


そして本日、作ってみた。
ショートニングを柔らかくし、ミックスと卵とともになめらかな生地にする。

そして、生地をラップに挟み、ローラーで伸ばす。
5㎜の厚さがベストらしい。
型で抜いて、180℃に予熱したオーブンで10分焼く。

「ピーピーピーピーピー」レンジの音が鳴る。終了の合図だ。
いざ取り出そうと説明書を見ると、「金網で熱を冷ます」と書いてあるものの、我が家には金網がないことに気がついた!
慌てて魚焼グリルを持ってきた。

そのためクッキーの甘ったるい香りと、こびりついた魚の匂いが混ざって何ともいえない香りの台所であった。

熱を冷ましたものを食べてみたところ、クッキーというよりかは甘食のような食感。
もさもさしていた。

生地が残っていたので、2回目は生地を薄く伸ばして焼いてみた。
今度はサクサク感があるクッキーになった。
けど、生地についている味が甘いので、自分好みのクッキーを作りたくなった。

ともあれ憧れのお菓子作りをやってみたことで、心がスッキリ。
素直にやりたいと思ったことを行動に移して良かったと思った。まずは小さな一歩を踏み出せた気がする。





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