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1年間、服を買わないで過ごした私に起きた驚愕の変化について

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興味を持ってもらえることが多くなってきたので、マガジンの形にまとめました。
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#コラム

3歳からの服育

3歳からの服育

 ユニクロが服育イベントをやっている。

親と離れ、お店で自由に服の組み合わせを考えて、試着し、気に入ったコーディネートを親に見せる、というもの。110センチ~150センチの服を着れる身長で、自分で着替えができるお子さんであれば、誰でも参加可能だそうだ。とても面白い試みだと思う。

それよりかはだいぶ前の段階なのだが、私たちも去年くらいから、出来る範囲で息子に服を選ばせるようにしている。とはい

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シャネルとラガーフェルド

シャネルとラガーフェルド

もともと勉強が嫌いではない方なのだが、1年間で自分の服を見直してからは、前よりも積極的にファッション関係の講義に通うようになった。

服との距離ができた分、大きな流れとしてのファッションを理解することに興味が湧いたためだ。

今、一番楽しみにしているのが、フランス文学者・芳野まい先生の『スタイルアイコンの系譜』という講義だ。

第一回はマリー・アントワネット、第二回はジャクリーン・ケネディ、第三回

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3歳男児と母親のワードローブについて・冬

3歳男児と母親のワードローブについて・冬

3歳を迎える直前くらいから、好きなものが定まり、休日は本人の希望で出かけることが多くなった。それにより、私のワードローブは大きく変わりつつある。

具体的に言うと、アウトドアブランドが増えた。ジーンズも増えた。休日の私の服装は、「どこに行っても、動きやすく、快適」ということが優先になる。

具体的に、冬装備で大変役にたったものは以下の2つだ。

・BRANTA(Canada Goose Black

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ZARAの服を並ばずに試着する方法

ZARAの服を並ばずに試着する方法

ネットショッピングが危険だという声は多い。試着!試着!試着! は服を買うときの鉄則。

しかし、人生にはそんな時間が取れない時もある。たとえば、子育て中のお母さんには、じっくり試着をする時間なんかそうそうない。そしてさらにワーキングマザーにとって困るのは、休日の試着室の長蛇の列!とくにZARAは絶望的だ。ファストファッションほど、子育て中の普段着にぴったりなものもないというのに。

だから我々には

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とびきりおしゃれな年上の友人 ①

とびきりおしゃれな年上の友人 ①

とびきりおしゃれな年上の友人が何人かいる。素敵なエピソードがあるたびに何か書いていきたいと思う。

松尾たいこさんとは、もともとは著者―編集者のお付き合いだった。担当させていただいた、松尾さんの初のエッセイ『東京おとな日和』は、私にとっても、思考のターニングポイントになる本だった。

私は松尾さんと出会って、自分の専門外のことを、知っているふりをせずにすぐに詳しい人に聞くという生き方に変えた。私は

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ウェディングドレスは古着でいい

これは、服を買わない1年間の前の話。番外編の記事になる。

自他共に認める着道楽の私だが、一つだけ、他人より遥かに服にお金を使わなかったイベントがある。

それは、結婚式だ。

私は、ウェディングドレスを古着で済ませた。赤ちゃんを授かったために結婚式が取りやめになった方の出品で、試着ののみの新品同様。サイズが7号で、私にはほんの少し大きめだったものの、手袋から下着、靴まで全てセットで、破格。出品者

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シンプルな服を着る、という贅沢

ファッション断食(というらしい。服を一定期間買わないで済ませること)をして1年以上が経った。結果、いまは特別な日を別として、普段着にシンプルな服を着ることが、どんどん心地よくなってきている。

たとえば今日の格好は、ブルージーンズ、白のシルクのノースリーブ、それに防寒対策として、カシミヤのサマーセーター。靴は厚底のスポーティなサンダル。靴を除いては何の変哲もない服ばかり。ただし、これを着るのは結構

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「普通の服」の時代 後篇

普通の服を着こなすために必要なことユニクロが、「安価さよりベーシックさ」をより重視しているという指摘を、前回は書いた。

そして、その質は値段に比して悪くない。

でも、私はめったにユニクロで服を買わない。買えない、というより買えない。

個人的な理由がある。それは、

めぼしい商品の小さいサイズがすぐに売り切れてしまうこと。

だ。おそらく体の小さい人、細身の人であれば、誰もが経験済みだと思う。

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「普通の服」の時代 前篇

「普通の服」の時代 前篇

推測・ユニクロが安くなくなった理由スタイリスト・にしぐち瑞穂さんとBRITISH MADEというブランドの主催するイベントで、トークショーに出させていただいた。

その打ち合わせの時に、お話していて気付いたことがある。

それは、日本中で多くの人が、普通の服を着たい時代になっているんではないかということ。ちょっと前に話題になったエフォートレスとか、ノームコアとかとはちょっと違うと思う。もう少しエレ

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初めてのオートクチュール③

ドレスは実用品。「どうやって服を選んでいらっしゃるんですか?」

「どこで服を買うんですか?」

図々しい性格だし、「着ること」(ファッションとはちょっと別だと思います)になみなみならない興味があるので、素敵だな、と思う女性に会うと、私はよくこの二つの質問をしてしまう。そして頂いた答えは、自分が服を買うときの参考にすることもあれば、その人とどういうお付き合いをするか、どんなことをおしゃべりするかの

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メイクと髪型のリニューアル①

服を1年買わなかった間に、人とのコミュニケーションのなかで、明らかに変わったなと思うことがあった。それは、同じ服の繰り返しなのに、以前より、「どこで服を買っているのか」を訊かれる回数が増えたこと。

考察するに、その原因の一つは、私らしい着こなしのスタイルを発見できたことによって、自信がついたこと。これは今までのnoteでも散々書いてきた。

もう一つ、まだ書いていなかった考察がある。それは、髪型

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大人の旅支度

久々に二泊の出張へ。

国内出張だったのが、最終日、同行の同僚に言われた。

「行きから思ってたんですけど、杉田さん荷物少ないっすね」

「吉田兼好のようになりたいんで~アハハ~」

と変なギャグをかましてしまったのだが、あとから文脈を思い返すと彼は私の荷物の少なさを褒めてくれていたように思う。

喜べばよかった。反省です。

というわけで旅に持って行った服を書き出してみます。

①行き(というか

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初めてのオートクチュール②

ある夜、お声掛けをいただいて、わたしはマンガHONZというレビューサイトのレビュワーの集まる定例会に出かけた。とくべつな目的はなかったが、もちろん仕事のためだった。確固たる目的がなくても、できるだけ出かけて行って人に会う。どこに企画の種が転がっているかわからないし、どこで聞いた話がストーリーを産むかわからない。ゆるやかな24時間365日体制は、編集者の仕事の面白さのひとつである。

そこで、フラン

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はじめてのオートクチュール①

1年間服を買わなかった結果、服を見る目が確実に肥えた。

さらに「1着買ったら3着捨てる」という決まりを自分に課すことにした私。

「さぁ春夏ものを買おう!」と意気揚々とユニクロに向かったが、欲しいものが何も見つからないという事態に陥った。あまりに悔しくて、意地になって欲しいものを探したが、やっぱり、風合いやかたちやサイズ感や、何かしらが気になって、購入まで踏み込めない。

更に困ったのが、リトル

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